
アメリカの高名な画家「アンドリュー・ワイエス」が先日亡くなった。
91歳だった。
彼の代表作と言われる「クリスティーナの世界」
何度か見ていて印象に残る絵だった。
彼の絵が好きで何度か展覧会にも足を運んだが、この絵がなぜ代表作なのかがよく分からなかった。
しかし、今日この絵の背景を知るに及んでその疑問は一挙に崩壊した。
そしてこの絵が主張するものに心打たれずにはいられない。
(遅いんじゃ、お前は、と言われそうだが)
彼女は幼いときのポリオが原因で手足が不自由、彼女は近くのお墓でお祈りをして這って帰るところなのだ。
自分の運命を受け入れこの家で生涯を逞しく生きた人だ。
五歳のときポリオになりしばらくは歩けない状態でしたが運良く完治しました。
同室の私より年上の方は完治できず生涯不自由な足で終わったようです。
五体満足なのについつい次の不平不満が口から出てくる事に反省しています。
それを受け入れた事は思わず絵にしたい姿に映ったのでしょうか。
不幸な運命を嘆いて一生を送るか、それを受け入れて前向きに生きるか、分かれ目になりますね。
人の生き方に迫る問いがありますね。
アメリカの北端の草原で彼女は殆どその地域から出ることもなく、重要な唯一の日課はストーブに薪を絶やさないようにくべることだったとか。
彼女は這って動くことしか出来ないのに、ワイエスには、彼女は何でも自分で喜々としてこなしているように見えたそうです。