地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

最古参の火星探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」ついに機能停止

2006年12月24日 17時48分44秒 | 大気圏外ネタ


現役最古参の火星探査体「マーズ・グローバル・サーベイヤー」の寿命がついに
尽きた様です。

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最古参の火星探査機が停止 9年観測、通信途切れる

 【ワシントン21日共同】米航空宇宙局(NASA)は21日、9年以上も
火星の上空で観測を続けていた無人探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」
との通信が途絶えて復旧は困難と発表、事実上の観測終了を宣言した。
 同機は1996年11月の打ち上げ。翌年から観測を始め、火星の表面や上
空で活動中の6機の探査機の中で最古参だった。当初2年の設計寿命を超え、
観測計画を4回延長、太古の川の存在を示す扇状地のような地形など、24万
枚以上の画像を地球に送信した。
 NASAの火星探査担当者は「期待を大きく上回った」とたたえた。
 同機からの通信は今月2日に途絶えた。太陽電池パネルを動かす装置が働か
なくなり、発電できなくなった可能性が高いという。
 今年3月に周回軌道に入った最新鋭の探査機「マーズ・リコネサンス・オー
ビター」で探したが、21日までに見つからなかった。

岐阜新聞:FLASH24 2006年(平成18年)12月24日 から

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(火星周辺ぐらいまでなら、動力源に太陽電池を使えますので、大変経済的)

火星までの内惑星探査ならば太陽電池、外惑星ならば原子力電池、というのが
定番。

近年、これら電力源の信頼性が高まったことで、数ある惑星探査体、当初計画
に数倍する実稼動年数が実現しています。

現在も火星表面を移動しつつ、健気に様々観測しているマーズ・エクスプロレー
ション・ローバー「スピリット」と「オポチュニティー」がまさにそれです。
太陽光発電システム技術の飛躍的進歩あってこその継続観測ですし、火星大気の
塵や砂がソラーパネルに降り積もり、火星表面に降り立ってからそれほど長くな
いうちに稼動停止となってしまうだろうと見込まれていたのが、「ゴースト」と
名づけられた火星表つむじ風の半定期的来襲のおかげでパネル上の砂塵がきれい
に振り払われ、現在も2台ともに健在なのもまた僥倖。


(火星表のつむじ風、いわゆる「ゴースト」です。一回肉眼で見てみたいもの
です)

「マーズ・グローバル・サーベイヤー」の寿命は尽きましたが、現在、幾つ
もの探査体が火星表面や周回軌道で観測を続けており、今後も興味深いデータ
を送ってきてくれるものと思います。


原子力発電といえば、太陽系外周部をさらに遠ざかりつつある「ボイジャー1号」
「ボイジャー2号」も、健在の様でして、飛行位置を知らせるビーコン的発信
を今だ行なっているらしいです。

ボイジャーと言えば、僕が高校生だった時分に打ち上げられた探査体で、今もっ
て宇宙空間を現役として飛行しているというのは、やはり「天文学的驚き」です。

「ボイジャー1号」はすでに150億㌔程度、地球から離れたとのことで、これ
は、地球⇔太陽間距離のほぼ100倍、太陽⇔冥王星間距離の2.5倍、という
ものすごい所を、独りポツンと飛んでいます。

「地球から最遠方に存在する人工物」のレコードを、今後「ボイジャー1号」
は、80~90年ほど保持し続けるものと思われます。いずれそのレコードを
破るのは、いつも記事にしている「ニューホライズンズ」でして、何せ、史上
最速のスピードで冥王星を目指していますので、9年で冥王星に到達した後も、
ほとんどスピードを落とさずに、太陽系外部に突っ走り続けることになります。

ただし、現在「ボイジャー1号」が到達した距離と同等にまで「ニューホライズ
ンズ」が到達するまで、まだ22年以上かかりますし、その頃には「ボイジャー
1号」は、さらに110億㌔以上もの遠くへ行ってしまっているし、で、なか
なかこの最遠方距離到達レースは終わりになりません。

いずれは「ニューホライズンズ」がニューレコードホルダーになるのは確実なん
ですが。

「地球から最遠方に存在する人工物」の肩書きが、「ボイジャー1号」から
「ニューホライズンズ」に移動したとの報道を、今、この記事を読んでいる方の
中で何人の方が、耳目に入れることができるのか。

僕はちょっと無理かと。僕の生存中は、このレコードはずっと「ボイジャー1号」
のものです。


もっとも、今後、現在の水素+ケロシンエンジンに較べ、桁違いに推進力の優れた
エンジンの出現は充分に見込めますので、今はまだ計画さえ存在していない新し
い探査体がニューホルダーになる可能性の方が高いかもしれません。

「ニューホライズンズ」だって5年ぐらい前までは、そんなのホントに打ち上
がるのかな~、と思われていたぐらいだし、あの小さな探査体の為に、強力な
「アトラスⅤロケット(史上最も多い5基の補助ブースターを使用)」で、最速
の初速(打ち上げ直後の速度は、歴代の探査機の中で最高速度である36000㌔
以上)を与えられるなんて、思いもつかなかったことだし。


(今年1月の「ニューホライズンズ」の打ち上げ。補助ブースターをたくさん
取り付けているのが見えます。小さな探査体たった1個の為に贅沢なことです)

「ボイジャー1号」の原子力電池が90年後まで持つとは、さすがに思えません
が、「ニューホライズンズ」の原子力電池は、ボイジャーのものより遥かに
高性能であることは否めませんので、いずれ、恐るべき遠距離からの情報発信を
してきてくれるものと思います。


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