今年に入ってから、油成分作成藻類研究が我が国で進捗しているとの報が、全く
の素人である僕の耳目にさえ多々入ってくるようになっています。
油成分作成藻類研究について中まとめ。
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<次世代バイオ燃料>藻類に期待、日本も産油国に?
毎日新聞 10月29日(土)13時19分配信
次世代バイオ燃料の有望な原料として、油成分を作り出す藻類に期待が集まって
いる。国内外で研究競争が激化し、大手民間企業が出資を本格化。東日本大震
災の被災地に研究拠点を置き、復興につなげようとする動きも出始めた。資源小
国の日本が“産油国”になる日は来る? 【八田浩輔】
「これが抽出した油です」。川崎市内の研究室で、「IHI NeoG Algae(アイエイチ
アイ・ネオジー・アルジ)」の藤田朋宏社長が試験管に入った微量の液体を差し出
した。黄色がかって無臭。漁船などに使う「A重油」に相当するという油をつくったの
は、日本でも湖や河口などに生息する「ボトリオコッカス」という単細胞の小さな藻
の一種。光合成で二酸化炭素を吸収し、重油成分に相当する炭化水素を生産し
て細胞のまわりにためる。1・5リットルの培養液から2~3ミリリットルの油が生ま
れるという。
◇増殖1000倍速
同社は造船重機大手IHIとバイオベンチャー2社が今夏設立した。利用するのは、
神戸大が品種改良を重ねて開発したボトリオコッカスの一種「榎本藻」だ。通常の
1000倍の速さで増える。燃料の大量製造に向けた技術開発に特化し、単価の高
いジェット燃料などへの活用を見込む。IHIは2年で4億円の投資を決めた。
藻類を用いた燃料の商業化の試みは、米国を中心に本格化している。米石油メ
ジャーのエクソンモービルは、09年から6億ドル(456億円)以上を投じる予定だ。
昨年「人工細菌」を作り出して科学界の話題をさらったクレイグ・ベンター博士が創
設したバイオ企業との共同研究で10年以内の実用化を目指す。
◇油収量効率高く
藻類が注目される理由の一つは、単位面積当たりの油の収量の高さ。陸上植物
で効率が良いとされるアブラヤシと比べると5~数十倍に達する。食料生産と競合
しない点も魅力だ。00年代半ばからの原油高騰に伴い、バイオ燃料の需要が増
えた結果、原料のトウモロコシやサトウキビなどの穀物価格上昇を招いた経験が
あるためだ。
◇コスト削減課題
「不純物がなく、油としての品質は申し分ない」と藤田社長は力を込める。課題は
価格競争力だ。現在、油を1リットル精製するコストは1000円以上と見積もられ
ているが、他の燃料との競争には1リットル100円に下げる必要がある。そのため
には、培養施設確保や抽出に必要な電力費のコスト削減などの課題をクリアしな
ければならず、将来的には海外での生産も視野に入れる。3年以内にはサンプル
燃料を販売する計画で、10年後に1リットル100円の実現を目指す。
一方、この分野の草分けの渡辺信・筑波大教授は、大震災で被災した仙台市の
処理施設に集まる下水を活用した燃料生産の実証実験を同市、東北大と始める。
光合成をせずに水中の有機物を栄養として石油成分をつくる「オーランチオキトリ
ウム」という藻類を使い、油の生産と同時に排水の浄化を両立させる構想だ。渡
辺教授は「新しい産業、雇用を生み出し、被災地の復興をサポートしたい。全国の
処理場で応用は可能だ」と意気込む。
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藻類バイオ燃料の研究開発合同会社の設立 ~燃料生産能力が最も高い藻の
開発に成功、実用化を目指す~ -2011年7月7日 (IHIプレスリリース)
株式会社IHI(以下、IHI)と有限会社ジーン・アンド・ジーンテクノロジー(以下、G&
GT)および株式会社ネオ・モルガン研究所(以下、NML)は、IHI NeoG Algae
(アイエイチアイ ネオジー アルジ)合同会社を設立し、藻類バイオ燃料事業に関
する技術開発を共同で実施することに合意いたしました。なお、会社設立は平成
23年8月上旬を予定しており、IHIは本事業の推進のため、当初2年間で4億円の
投資を行います。
藻類は、水中に生息している植物の総称であり、主に光合成によって増殖します。
その一部には育成の過程において燃料を生産するものがあります。藻類は成長
する際にCO2を吸収し、また増殖が速いという特徴を有しているため、原油や食
糧の価格高騰と地球温暖化を同時に解決するソリューションとして、藻類を利用し
たバイオ燃料生産に対する注目が高まっています。
このたび、神戸大学発ベンチャーのG&GTが、現時点で明らかになっている藻類
の中で、燃料生産能力が最も高い藻(以下、榎本藻(えのもとも))の保有を明らか
にしました。榎本藻は国内で発見された特殊な藻をベースに、G&GTの顧問であ
る榎本平教授の指導のもとで、独自の品種改良を重ねて、燃料生産に適した性
質を持つように開発された藻です。さらに、G>は榎本藻(えのもとも)の性能を最大
限に発揮できる培養法の開発にも成功しました。
榎本藻(えのもとも)は、燃料を生産する緑藻(りょくそう)であるボツリオコッカスの
一種となりますが、一般的なボツリオコッカスに比較して一ヶ月間で約1000倍の
量に増殖します。また雑菌等の他の生物が混在する環境でも培養が可能となる
堅牢性を有しているだけでなく、生産する燃料は重油に相当する高い品質である
ことが確認されています。
藻類バイオ燃料は、ジェット燃料や重油としての利用が見込まれることから、世界
各国で盛んに研究開発が進められています。IHIは、従前より生物培養に関する
研究開発を行い、基盤技術を蓄積して参りました。また、バイオプラントにおいて、
多数の設計・施工実績を有しております。NMLは、様々な微生物を利用した医薬
品、化学品、食料品生産のプロジェクトで豊富な実績を有するベンチャー企業です。
また、微細藻類の研究においても国内トップクラスの経験とノウハウを有していま
す。このたびの榎本藻(えのもとも)の開発を機に、三社が一体となる
IHI NeoG Algaeは、榎本藻(えのもとも)の大量培養によるバイオ燃料の製造を目
指し、今後は、培養スケールアップ、藻体からの油分分離・回収、藻のさらなる能
力向上等の技術開発を進めて参ります。
IHI NeoG Algae 代表 藤田朋宏は、次のように述べております。
「藻類バイオ燃料に対する期待と投資が世界中で高まっています。我々は、食糧
を燃料に変換する方式ではなく、太陽のエネルギーで二酸化炭素を燃料に変換す
る光合成によって、食糧を使わなくても高速で増殖する榎本藻(えのもとも)を用い
ます。プロジェクトを推進するために、世界トップクラスのプラント技術を保有する
企業と世界で活躍するバイオテクノロジーのベンチャー企業が一つの器でゴール
を目指す体制を整えることができました。日本発の技術を磨きあげ、日本経済の
為に貢献するだけでなく、数十年、数百年先を見据えて地球環境を守り改善する
ことを目標にし、今後世界を変えるための技術を作り上げていきます。」
<IHI NeoG Algae 概要>
商 号 : IHI NeoG Algae合同会社 (アイエイチアイ ネオジー アルジ)
設 立 : 平成23年8月上旬予定
資 本 金 : 2億6,000万円
代表社員 : 藤田 朋宏
事業内容 : 藻類由来バイオ燃料の基礎研究および実証研究
所 在 地 : 神奈川県川崎市(NML本社内)
出 資 者 : IHI、G&GT、NML、藤田朋宏
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藻類が世界を変える 100分の1ミリの微生物が世界を変えるかもしれない。その
微生物の名は「オーランチオキトリウム」。
By 尾嶋 好美– 14/01/2011 Posted in: 生物
Tsukuba Science
Science and Science Communication at the University of Tsukuba
筑波大学は東京教育大学時代から藻類の研究が盛んであった。現在も藻類の分
類・培養・解析などのプロフェッショナルが集結し、日本の藻類研究をリードしてい
る。そのような中、渡邉信先生の率いるCREST藻類エネルギー技術開発プロジェ
クトチームは国内外から脚光を浴びている。
藻類からオイルを採る?
化石燃料である石油は、いずれ枯渇する。「工業的レベルで石油を作り出すこと」
は、21世紀を生きる私たちにとって切迫した課題なのである。
大豆やトウモロコシといった陸上植物から油をとり、燃料とすることはすでに実用
化されている。しかしながら、本来食糧生産のために使っていた耕地で燃料用の
作物を育てるため、食糧価格が高騰すると言った問題が生じている。また陸上植
物のオイル生産能力は1ヘクタール当たり年間0.2-6tと決して高くない。
藻類からオイルができるということは、一般的にはそれほど知られていない。オイ
ルは水よりも軽いため、水面に浮きやすくなり、太陽の光を浴びやすくなる。 また
藻類自身のエネルギーにもしやすい。山の中にある沼や田んぼなどに油が浮いて
いるのを見たことはないだろうか?あれは、油が流れ込んだものではなく、そこに
いる藻類が作りだした油なのだ。現在使われている石油も、そもそもは藻類が作
りだしていたものだと言われている。現在までオイルをつくる出す藻類は数十種類
知られている。藻類のオイル生産能力は1ヘクタール当たり年間40-140tと非常に
高い。そのため、藻類からオイルを採取するという研究は1980年代から始められ
てはいた。しかし、試験管内では簡単に培養させることのできる藻類でも、工業的
に培養するとなると他の微生物がたくさん増えてしまう、培養速度が遅くなるといっ
た問題が生じる。その結果、藻類からの工業的オイル生産は難しく、世界各国で
生産効率を上げるための研究が続けられてきた。
女神がほほ笑む
渡邉信先生のチームではボトリオコッカスという藻類によるオイル生産の研究を進
めていた。ボトリオコッカスはオイル生成能力が高く、オイル含量は乾燥重量の75
%に達することもあるほどである。また、産生するオイルは重油に相当する炭化水
素であり、使い道が広い。しかしながら、ボトリオコッカスは培養に時間がかかり、
コストが1Lあたり800円程度となってしまい、1Lあたり50円程度の重油とは比べ物
にならない。
渡邉先生は数十年にわたって、藻類を研究してきた。今まで何百もの藻類を採集、
分析してきた。2009年に沖縄の海から採集してきた藻類200株のうちの一つが、
「オーランチオキトリウム」である。
「サイエンスと言うのは理屈を積み重ねていく話と偶然性・ひらめきによる場合が
あるよね。自然界でのスクリーニングは、理屈の世界ではない。この辺に行って、
このへんならなんとかなるんじゃないの?というひらめきが大切。一生懸命頑張っ
ていると、天の女神が微笑んでくれる時があるんだよね。今回は天の女神が僕に
微笑んでくれた。」
オーランチオキトリウムはなにがすごいのか?
オーランチオキトリウムのすごさはその増殖スピードにある。「オーランチオキトリ
ウムの倍加時間は10℃で11.96時間、20℃で4.2時間、30℃だと2.1時間。ボトリオ
コッカスと比べるとオイル生成量は3分の1と少ないのだけれども、36倍の速さで増
殖するからね。オイル生産効率は単純計算でボトリオコッカスの12倍となるわけで
す。生産効率を一桁あげるということが現実的になったということ。」
では、オーランチオキトリウムを利用すると具体的にどのくらいのオイル生産が可
能となるのか?1haの広さに深さ1mの培養装置を作ったとしよう。4日ごとに収穫し
ていくとすると、年間約1,000tのオイルがとれることになる。倍加時間を4時間として
4時間ごとに67%を収穫し、同量の新鮮培養液を継ぎ足すという連続生産システム
にすれば年間1万トン以上のオイルがとれることになる。
現在日本が輸入している石油量は約1.9億t。連続生産システムを利用すると、2万
haあれば2億tの石油生産が可能となる。2万ha(200平方キロメートル)は霞ヶ浦の
面積(220平方キロメートル)とほぼ等しい。平成20年度農林水産省の「耕作放棄
地に関する現地調査」によれば、全国で28.4万haの耕作放棄地が存在する。その
うちの10%をオーランチオキトリウムの連続生産システムの用地として利用すれ
ば、日本の石油必要量は賄われる計算となり、石油輸入国家から石油輸出国家
に転換することも可能となる。
一石二鳥のオイル生産
ボトリオコッカスなど多くの藻類は太陽光を利用して光合成を行う藻類である。一
方、オーランチオキトリウムは周りにある有機物を取り込む従属栄養藻類であり、
太陽光は必要としない。
オーランチオキトリウムの培養にあたって、実験室内ではグルコース(ブドウ糖)を
使用しているが、工業的利用を考えた場合には、グルコースではコストが高すぎる。
「有機排水の処理にはどの国でも困っている。この有機排水を、培養に使うことを
考えている」と渡邉先生は言う。
(下水等の有機排水は通常、活性汚泥というバクテリアの塊を投入して、浄化処
理を行っている。活性汚泥の代わりにオーランチオキトリウムを投入すれば、オー
ランチオキトリウムは有機排水中の溶存有機物を使って、オイルを生産する)
オーランチオキトリウムによって処理された二次処理水は窒素とリンが大量に残っ
ている。これをこのまま排水してしまうと、水域の富栄養化が起きてしまう。ここで
活用するのが、ボトリオコッカスである。ボトリオコッカスは培養時に窒素とリンを
必要とする。二次処理水にボトリオコッカスを投入すれば、窒素とリンを取り込み、
オイルを生産するようになる。
オイルを採集した後のオーランチオキトリウムやボトリオコッカスは動物の飼料に
することもできるし、メタン発酵に利用することもできる。
本当に石油の代わりとして使えるのか?
石油は燃料として使われるだけではなく、プラスチックなど化学製品の原料とも
なっている。オーランチオキトリウムやボトリオコッカスが作りだすオイルは本当に
石油の代わりに使えるのだろうか?
「オーランチオキトリウムが作りだすのはスクアレンというオイル。ボトリオコッカス
が作りだすのはボトリオコッセンというオイル。いずれもトリテルペノイドに属するオ
イルであり、容易に燃料化することが可能です。また既存の石油会社が持ってい
る技術を利用すれば、バイオポリマーをはじめとする化学製品の原料にすることも
できます。また現在、化粧品や健康食品とて使われているスクアレンは深海鮫か
ら採っていますが、深海鮫は絶滅危惧種になっているものも多く、いずれ採ること
が難しくなるでしょう。オーランチオキトリウムはスクアレンの供給源としても使える
のです。」
明るい未来へ
オーランチオキトリウムによるオイル生産は実用化されるのか?されるとしたら何
年後なのか?
渡邉先生は10年をめどに考えている。「10年以内に実用化できないと、世界が持
たない。ただし、実用化にあたっては、スケールが大きい実験が必要。実験室内
ではなく、プラントレベルでの実験を行い、コストの計算をしなければなりません。
それには予算も、人手もかかります。日本はどこまで投資する気があるのか?そ
こが一番の問題です。」
今の私たちの生活は液体燃料なしに成り立たない。液体燃料=エネルギーの確
保は国家の根幹なのである。
「アメリカはエネルギーが国を守るという考えが非常にクリアです。そのための技
術革新に対して国としてお金をつぎ込んでいる。日本はどうか?そこまでの危機感
はあるのだろうか?」
アメリカは藻類エネルギープロジェクトに軍も関与しているため全貌は不明である
が、わかっているだけで1500億円相当を投資しているという。一方、日本では藻類
エネルギ—プロジェクトに投資している金額は数十億円に過ぎない。それでも渡邉
先生は日本でこの研究を進めることにこだわる。
「ここまでの研究は日本の税金で行われてきました。日本の皆さんに還元しなけ
ればなりません。そして、藻類からオイルを作りだす技術は日本だけではなく、世
界全体を救うために必要です。技術で社会をいい意味で変える。これがイノベー
ションです。ほら吹き扱いもされていますが、私は日本を石油輸出国にしてみせま
すよ!」
世界のパワーバランスを変えうる日本発のイノベーション。
日本の将来は明るいのかもしれない。
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iPS細胞と再生医療の研究に負けず劣らずの、大きく夢が広がる研究であることは
間違いない様です。
10年以内に実用化に踏み出すことができるや否や、我が政府に期待出来るわけ
もありませんが、IHIグループならばやってくれそうな気がします。
波状的にサイバー攻撃をしかけてくる某国にはくれぐれもお気を付け下さいませ。
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または、TEL:0942-34-1387 FAX:0942-36-0520
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全部カタカナ書きするのではなく「クロムめっき」または「クロム鍍金」
と書くのが日本語的には正解)が得意です。
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窒化チタン他、各種高硬質被膜をアークイオンプレーティングで
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です。
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ダイヤモンドライクカーボン)膜の成膜可能。さらには、本邦初、DLC
膜の再生加工も開始。
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可能です。被膜の付加価値向上にお役立て下さい。
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今まで難しかったマグネシウム合金製部品への耐磨耗性付与に
ご利用下さい。
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● ラジアルクラウン研削を始めとした円筒研削加工や、内面研削・
平面研削も行います。
● 超厚付電気ニッケルめっきやフレーム溶射による、短納期での寸法・
形状・機能の復元加工。
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