国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

大阪ジャズ紀行 またの機会もぜひ!

2010年10月14日 | 他店訪問
さすが大人のジャズバー。
全体に漂う底知れないクールな雰囲気と
カウンターの向こうに並ぶウィスキーの瓶。
JBLのスピーカからは上質なジャズが聞こえてくる。

そもそもコーヒー専門のジャズ喫茶に慣れている僕にとって
ジャズバーなどという上質な大人の社交場は不釣り合いである。
それでもカウンターに座り、慣れないウィスキーを注文する。
それだって「ストレート」と「ロック」の違いでさえも分からない。
とりあえずはよく聞く「ロック」を頼んでみる。
なるほど、初めて分かりましたよ。
球形になった氷が少しずつ溶けていくことによって、
ウィスキーが薄まり飲みやすくなっていくわけだ。
一つ勉強になりました。

おそらく、というよりも確実に『ムルソー』は、
硬派なジャズ喫茶だったころの雰囲気というのは無くなってしまっているのだろう。
静かに、だけどむさぼるようにジャズを聴くことは難しいだろう。
そういう意味では僕の求めるジャズ喫茶というのとは違う。
でも時折こんなジャズバーでちびちびとお酒を楽しむのも乙なものではないか。

一見さんは珍しいのだろう。
マスターは「旅行ですか?」と聞いてきた。
「ええ、ロリンズを聴きに…」
「あぁ」
かかっていたジャッキー・マクリーンの『ジャッキーズ・パル』から
ソニー・ロリンズの『コンテンポラリー・リーダーズ』にレコードを変えてくれる。
ジャズ喫茶では普通B面だけがかかるが、A面から流してくれた。
「明日はどっちの方に行かれるんですか?」
「いやぁ、その前にここがどこら辺かも分からなくて…」
僕が地図を取り出すと、丁寧に場所を教えてくれ、
次の日に行こうと思っていた通天閣の行き方も教えてくれた。
途中途中に注文が入り、お酒を注いでいくのだが、さすがその手先は見事なものだった。

帰りに扉で見送ってくれる。
「また大阪に来たときに来ます」
「ええ、お待ちしています」
こんな会話ができるのも何だか大人っぽくないですか?

大阪のジャズバー『ムルソー』
機会と縁があったらぜひまた!

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