国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

曲が納められているのがアルバムじゃない。問題はその順番なのだ!

2012年09月03日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
何事も出だしというのは肝心だ。
僕も毎夜ブログを書くときに、「さぁ、どんな出だしで行くか!」と考える。
うまい枕が生まれれば、その文章はよく見えるだろうし、
興味を持って読んでくれる人が少しは増えたりもするかもしれない。

アルバムに関していえば、これまた1曲目というのは大きい。
CDショップに行って、店頭の視聴器で聴くのは大概1曲目からだろう。
1曲目に興味が持てなければ、そのアルバムは買ってもらえる可能性が減ってしまう。

だがジャズのアルバムには時として「曲」が一番最初とは限らない。
『ドナルド・バード・アット・ザ・ハーフノート・カフェ』では
1曲目は「語り」である。
ブルーノートのプロデューサー、アルフレッド・ライオンの後の妻になるルース・メイソンの
メンバー紹介が「1曲目」なのである。
ジャズのアルバムは時としてこの「語り」や「チューニング」といった「1曲目」がある。
現地の生々しさ、演奏の始まる前の静かな緊張感…
そうしたものがそこに含まれている。
だから大概のジャズファンというのはこういった「1曲目」を重視する。

そして飛び出す「2曲目」
「マイ・ガール・シャール」と名付けられたデューク・ピアソンの曲である。
冒頭の異国情緒にあふれるうねったテーマはどうだろうか。
残念ながらこの曲をCD視聴器で聴くことはできないだろうから、
是非とも買うか、ジャズ喫茶に行ってリクエストをしてほしい。
ぐっと人の心をつかみ取るようなテーマがときどきあるのだが、その口である。

何よりポイントなのが、
ドナルド・バードと双頭を組むペッパー・アダムスのバリトン・サックスだろう。
低いが、うねる軽やかさを持つ音で突き進むごとに眩暈に見舞われそうな世界に閉じ込められる。
明るくカラッとしてたトランペットと
低く地を這うようなバリトン・サックスの2つの音が、
テーマで絡み合うときに、心がひかれるのだ。
そして作曲者、デューク・ピアソンの細かく広がるピアノのライン。

「1曲目」から「2曲目」へこれがアルバムである!

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