峠おやじの「たわごと」

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ダムの賛否(球磨川)

2020年08月20日 | 自然
やはりといおうか案じられたとおり、岐阜新聞などによりますと、熊本県球磨川の洪水に対してダム待望論が上がっているそうです。

記録的豪雨 ダム賛否、議論再燃
7月豪雨で熊本県の球磨川が氾濫したことを受け、ダム建設を巡る賛否の議論が再燃している。一部の専門家は熊本県の反対で中止になった川辺川ダムがあれば被害を軽減できたと分析。計画が凍結されたダムの早期整備を求める動きもある。ただ費用と時間がかかるダムの効果を疑問視する意見もあり、反対派はダム推進回帰への流れを警戒している。


記事の中で主な治水対策としてあげられているのは

ダム   = 水をせきとめて下流の流量低減
川底掘削 = 川底を掘って水が流れる面積を広く
堤防かさ上げ=河川堤防の高さを上げる
遊水地 = 河川から水を引き込んで貯留
二線堤 = 住宅地側に二つ目の堤防を造る
放水路 = 河川から分岐する新しい川を開削
土地利用規制 = 危険な地域の土地利用を制限する

御説ごもっともなものばかりですが、遊水地、二線堤、放水路、土地利用規制は主に平野部のことなのでお金も時間もかかります。またダムも同じようにお金と時間がかかりますが、対象者が比較的少ないのがメリットかもしれません。またできる市町村にとっても美味しい話です。

余談ですが元勤務先の私の部署は地方税の納付書を送る仕事をしていました。そのなかで固定資産税の時季になると莫大な金額の納付書が通ります。電力会社の発電所のものです。そうダムでも発電所でもできてしまったあとも地元には金が回ることになるのです。造るときは造るときで色々と・・・ですから国交省も市町村も造りたがーるのでしょうね。

話を戻しまして、この川辺川ダムに関してあまり役に立たないという研究結果を見つけました。支流が直角に合流する球磨川では下流部に先行して降った水が下流の狭隘部で先に溢れてしまっていて、川辺川ダムがあったとしても効果は薄いということです。しかも本流の市房ダムは下流部が溢れたあとで、緊急放流をとりやめたくらいですからダムを造るとかえって危険になります。

だからこのサイトでは、200~300年のスパンで治水を考えるならば、ダムは必ずや土砂で満杯となり、治水容量はゼロに帰す・・・治水の手段としてダムは選択肢から外すしかないと考える。としています。また川辺川にあった水害防備林が2019年「国土強靭化」という名目で伐採され、今回の洪水で被害が拡大しているとのことで、これからは水害防備林を造成していくことこそ治水の根本でないかとされています。

この実践例としてテレビ番組「ポツンと一軒家」で1年5ヶ月前に訪れた人吉の酒造メーカー「鳥飼酒造」にリモート取材をしました。
2020年7月に起こった大雨による球磨川の氾濫で、町の三分の二が浸水するという大きな被害を受けた。麓の町にあった事務所も浸水してしまったうえ、山奥にある酒蔵までの山道は何箇所にもわたって崩落が起こり、しばらくは行くことさえできなかったとか。
しかし、山奥の酒蔵や上流部の滝などは豪雨の影響がなかったかのように清らかな流れだそうです。

球磨川の支流、草津川(そうづがわ)にある酒蔵付近をスギではない木々を植えるなど環境を整える作業を継続してやってきた結果、上流部では土石流や崩落などが起こらなかったそうです。

おなじ球磨川水系でもこういう例があるのですから、川辺川上流部に住まわれる平野虎丸さんの自然林構想のように自然に任せるのが一番ということです。


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