忘れ去られた田舎の町の、小高い丘にある公園に、ブランコがひとつあって、夕方になるとひとりの中年男が、毎日ブランコに揺られて、夕日が沈むのを眺めるのだった。
男はしもぶくらみの顔をして、4頭身で足が短く、腹が出ていた。
どことなく、育ちの良さそうなおっとりした風情だが、着ている服は型遅れでところどころへたってやつれていた。
男は、子どもの頃は人気者で、同い年の子どもたちと、なんども冒険に出たものだった。
彼女もいた。ポニーテールのかわいい女の子だった。
子どもたちは等しく年をとり、女の子も男の子ども時代のようにしもぶくらみだったが、女の子はいつの間にかほそおもてになり、足も長くなり、胸も出て、都会に出たきり帰ってこなかった。
男はひとりぼっちになった村で、夕日を眺めながら、毎日、飽きることもなく、ブランコに揺られながら、子ども時代のことを思い出すのだった。
そして、夕日が遠くの山に隠れるとき、無意識にある言葉が口から出るのだった。
ノンノン……
ブランコに揺られている男の名は、ムーミン、と、いっ、た…。
男はしもぶくらみの顔をして、4頭身で足が短く、腹が出ていた。
どことなく、育ちの良さそうなおっとりした風情だが、着ている服は型遅れでところどころへたってやつれていた。
男は、子どもの頃は人気者で、同い年の子どもたちと、なんども冒険に出たものだった。
彼女もいた。ポニーテールのかわいい女の子だった。
子どもたちは等しく年をとり、女の子も男の子ども時代のようにしもぶくらみだったが、女の子はいつの間にかほそおもてになり、足も長くなり、胸も出て、都会に出たきり帰ってこなかった。
男はひとりぼっちになった村で、夕日を眺めながら、毎日、飽きることもなく、ブランコに揺られながら、子ども時代のことを思い出すのだった。
そして、夕日が遠くの山に隠れるとき、無意識にある言葉が口から出るのだった。
ノンノン……
ブランコに揺られている男の名は、ムーミン、と、いっ、た…。
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