「ご隠居!いるかい?」
「なんだい、熊さんかい。驚かすんじゃぁないよ。筆が滑ンじゃぁないか」
「やれやれ、また模型ですかい?好きだねェ」
「アタシの趣味だよ。今日は天気がいいからねェ、塗料がよく乾くンだ」
「そうですかい?ご隠居なんか古いから、部屋ン中こもりっきりだとカビが生えそうな気がすンですがね」
「馬鹿云うんじゃないよ。これでもちゃぁんと生きてンだから」
「それはそうとご隠居、このべたぁっと伸びた青いのは何です?」
「普通車の椅子だよ。国鉄は青かったン」
「へェ。アッシはまた、坐椅子かと」
「畳敷きの列車なんか滅多になかったよ」
「でもこれ、これじゃぁ、足を前に投げ出すしか。で、前の席は掘りごたつかな」
「これは模型なン。動力車で下にモーターが入っているから、こうなってるだけさ」
「ふーン。上げ底みたいなモンです?」
「まぁ、そうだろな」
「そっかぁ。国鉄はサービスが悪かったンすねェ。模型でも上げ底でごまかしてある、と」
「何云ってンだい。で、これをちょいちょいと組み立てる、てェと」
「おや、何です?この銅版の帯は?さては滑りやすくして回転寿司かな」
「違うよ。電気を通すための板さ」
「ええっ?触ると感電しちまうでしょ。危ない、危ない」
「なんど言ったら解ンのかね、熊さんは。これは模型だって。実物にはこんなモン無かったンだから大丈夫」
「ああ、そうでやンした。アッシはてっきり、ひと抱えくらいある帯板が窓際にあンのかと。で、前の席からつーっとお銚子が滑ってきて“熱燗よぉ~ん”」
「何言ってるのかねェ。この人は」
「磨き抜かれた銅張りのテーブルが鈍く光ってねェ。“このいぶし銀の感じがいいわぁ~”って、目と目が合っちゃってェと、車窓にひとつ宵の明星…」
「やれやンれ。ほンら、できたよ」
「なぁ~んだ。ただの特急じゃないですか。つまらない」
「おいおい、失礼なこと云うじゃぁない。アタシはただ、窓越しの青い椅子と白い枕カバーの列を作りたかっただけだよ」
「すンません。けなすつもりはぁ。でも、ときどき椅子がないような気がするン」
「あぁ、これは共通部品を流用しているからだねェ。窓と椅子の位置関係も、正しくないし」
「おや、そうなんですかね?アッシには気になりませンけど」
「アタシも気にしちゃぁいないよ。自分で改造しても、走らせれば見えないンだし」
「いい加減なご隠居だねェ」
「いいンだよ。それよりも天気がいいンだから、どっか繰り出そうじゃないか」
「いやですぜェ。そのどっかと云うンがアキバの模型屋ってェのは」
「なんだい、熊さんかい。驚かすんじゃぁないよ。筆が滑ンじゃぁないか」
「やれやれ、また模型ですかい?好きだねェ」
「アタシの趣味だよ。今日は天気がいいからねェ、塗料がよく乾くンだ」
「そうですかい?ご隠居なんか古いから、部屋ン中こもりっきりだとカビが生えそうな気がすンですがね」
「馬鹿云うんじゃないよ。これでもちゃぁんと生きてンだから」
「それはそうとご隠居、このべたぁっと伸びた青いのは何です?」
「普通車の椅子だよ。国鉄は青かったン」
「へェ。アッシはまた、坐椅子かと」
「畳敷きの列車なんか滅多になかったよ」
「でもこれ、これじゃぁ、足を前に投げ出すしか。で、前の席は掘りごたつかな」
「これは模型なン。動力車で下にモーターが入っているから、こうなってるだけさ」
「ふーン。上げ底みたいなモンです?」
「まぁ、そうだろな」
「そっかぁ。国鉄はサービスが悪かったンすねェ。模型でも上げ底でごまかしてある、と」
「何云ってンだい。で、これをちょいちょいと組み立てる、てェと」
「おや、何です?この銅版の帯は?さては滑りやすくして回転寿司かな」
「違うよ。電気を通すための板さ」
「ええっ?触ると感電しちまうでしょ。危ない、危ない」
「なんど言ったら解ンのかね、熊さんは。これは模型だって。実物にはこんなモン無かったンだから大丈夫」
「ああ、そうでやンした。アッシはてっきり、ひと抱えくらいある帯板が窓際にあンのかと。で、前の席からつーっとお銚子が滑ってきて“熱燗よぉ~ん”」
「何言ってるのかねェ。この人は」
「磨き抜かれた銅張りのテーブルが鈍く光ってねェ。“このいぶし銀の感じがいいわぁ~”って、目と目が合っちゃってェと、車窓にひとつ宵の明星…」
「やれやンれ。ほンら、できたよ」
「なぁ~んだ。ただの特急じゃないですか。つまらない」
「おいおい、失礼なこと云うじゃぁない。アタシはただ、窓越しの青い椅子と白い枕カバーの列を作りたかっただけだよ」
「すンません。けなすつもりはぁ。でも、ときどき椅子がないような気がするン」
「あぁ、これは共通部品を流用しているからだねェ。窓と椅子の位置関係も、正しくないし」
「おや、そうなんですかね?アッシには気になりませンけど」
「アタシも気にしちゃぁいないよ。自分で改造しても、走らせれば見えないンだし」
「いい加減なご隠居だねェ」
「いいンだよ。それよりも天気がいいンだから、どっか繰り出そうじゃないか」
「いやですぜェ。そのどっかと云うンがアキバの模型屋ってェのは」
ryousi_nekoと申します。
以前からこちらのブログは拝見させていただいております。
その影響もあってか私もぼちぼちですが手持ちの車両の色差しをはじめるようになりました(笑)
特に窓越しから見える座席というのは良いものですね。動力車については今まで座席に色差しをしたことが無かったのですが、"坐椅子"の状態でも塗ってみるとやっぱり違って見えますね。参考にさせてもらいます(^^;
ブログを拝見しました。おぉっ、ナンバープレート貼りにヤマトのりですか。今までワタシは木工用ボンドを使っていたのですが、細~くはみ出すと、案外これが取れないのですよ。糸の如くつながってしまって。機会が来れば、試してみようと思います。
今後ともよろしくお願いします。