大型書店

ビル全体が書店になっているらしい、
大型書店内を歩いているようである。
かなり客が多く混んでいる。
その人ごみの中で、アイドルのＴとすれ違う。
サングラスなどはかけず、
キャスケット風の帽子を深くかぶって歩いている。
どうやら、プライベートで来ているらしく、
ＴＶなどの取材ではないらしい。
周囲は気が付いていないのか、
気が付かない振りをしているのかは判らないが、
呼び止めたり、サインをねだったりするような
人はいないので、他人事ながら、ちょっとほっとする。
ところが、少し先に行ったところで、
３～４人の女性のグループが、
「Ｔはどこへ行った？」
と、探しているのに出くわす。
その様子に気が付いて
「Ｔが来ているの？」
などと、小声で言いはじめている人もいる。
この連中に見つかったら、大騒ぎになるな、
と、思ったので、引き返して、
Ｔに近づいて行き、
「あなたがいるのがバレて、
追いかけてる女性達が後ろに来ているみたいですよ。」
と、小声で教えてあげた。
すると、Ｔはちょっとビックリしたようだが、
「ありがとう。」
と、ささやき返し、私の腕に自分の腕を絡ませた。
「カップルだとは思ってないでしょう？
悪いけど、ちょっと付き合って。」
と、ささやきながら、そのまま私を引っ張って行く。
え、大丈夫なのかな？
と、思いながら、周囲を見渡すと、
周囲は私たちのやり取りは気が付いていなかったようで、
追っかけていたグループも、通り過ぎて行ってしまった。
「行ってしまったようです。」
と、教えてあげたのだが、腕を解かずに、
「このまま、本探しに付き合ってよ。」
と、言われ、ちょっとドキドキしてしまい、
目が覚めてしまった。



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