
出先で何気なく浅いコンクリートの川を眺めていて画像の亀をみつけた。そこは白濁した工場廃水が湯気を立てて流れ込んでいる管から10mほど下流。コンクリート斜面に左半身を立てかけ少しだけ甲羅を干す格好を保っていた。道路から水面までは1mちょっと。しゃがんで見下ろしたが反応がない。米粒ほどの石を落としてみたら、甲羅にコツンと当る、と同時に首を引っ込めたが、それだけで逃げなかった。
その後2時間程用事をしてから見ると同じ格好で、まだいた。捕ろうとすれば逃げられるだろうと思いつつ車に載せている100円のタモ網ですくってみた。簡単に捕れてしまったが、間近に観て驚いた。左半分を見下ろしていた分には普通だったのに、まじまじ観ると『下あご無し顔も欠けて片目の亀』だったんである。口とは言えないような穴が開いたり閉じたりする。
それにしたって、20cm位ある甲羅も四肢も健全そうで、欠損部の傷あとも新しくはなさそうだから瀕死状態ではなさそうだ。
何に襲われるとこんな欠損状態になるのか?
生まれつきなのか?
怪我か病気か?
残っている片目も見えないのではないか?
工場廃水に元気を失くしていたのか?
湯気の立つ温水に恍惚としていたのか?
食餌はできるのか?
とにかく連れてきたのである。傷ついた鳥などを持ち込むと、手当てして世話をしてくれる所があるらしいけれど、子供じゃないんだから・・・。というわけで水槽をひとつやりくりして空け、飼うことにした。しかしこんな頭で食餌できるのか?見るも無残な姿だ。今日『カメのえさ』を買ってきた。ネットで調べつつやってみようと思う。(実測したら20センチもなくて16センチだった) (2日目)