本日読み終えた本。
山田正紀の『ロシアン・ルーレット』。
物語の冒頭で、送電塔の先端に転落したバスが串刺しになるという事故現場の様子が描かれる。
一寸先も見えないような豪雨。
ちぎれた送電線から飛び散る火花。
なぎ倒された樹木。
軋みながら左右に揺れるバス。
まるで地獄絵図のような光景から始まる。
物語の主人公は群生蔚。
人口15万人に満たない小さな街の刑事である。
群生は急な呼び出しで、あるカラオケボックスに向かう。
殺人事件が発生したのである。
そこで群生は額を拳銃で撃ち抜かれた被害者の相楽霧子に出会う。
霧子は死んでいるはずなのに、生きているかのように振る舞い群生に話しかけてくる。
これは幽霊なのか?
それとも幻覚なのか?
やがて群生は霧子に誘われるかのように1台のバスに乗り込む。
霧子は言う。
『生きている人間は傲慢で鼻持ちならない。どいつもこいつも性悪のエゴイストよ。人は死んだら生ゴミになる。そう思いこんでいる。そうでしょう。だけど、それは違う。生きている人間だってみんな生ゴミなのよ。生ゴミでない人間はいない。どんな人間も邪悪で卑劣な生ゴミにすぎないのよ』
そしてこのバスはしばらくすると事故に遭い、全員が助からないと群生に告げる。
『一人でもいい。このバスの乗客のなかに傲慢でもエゴイスティックでも卑劣でもない人間がいればその人間だけは助かる。いい人間だけが助かる。そうでないかぎりバスの乗客はみんな死ぬことになる』
群生は自分の意志ではなく、乗り合わせたバスの乗客達の意識と重なり合い、彼らの過去を追体験していく。
見た目とは異なり、彼らは様々な闇を抱えて生きていた。
闇を抱えずに生きている人間…善い人間などこの世にはいないのかもしれない。
群生は必死になって善い人間を捜し出そうとする。
果たして結末は…?
長編であり、短編であり、ホラーであり、ラブストーリーであり、ミステリーであり、クライムストーリーである。
虚構と現実が交差していく物語。
そして、やりきれない結末。
ともやが大好きな作家さんの1人である。
山田正紀の『ロシアン・ルーレット』。
物語の冒頭で、送電塔の先端に転落したバスが串刺しになるという事故現場の様子が描かれる。
一寸先も見えないような豪雨。
ちぎれた送電線から飛び散る火花。
なぎ倒された樹木。
軋みながら左右に揺れるバス。
まるで地獄絵図のような光景から始まる。
物語の主人公は群生蔚。
人口15万人に満たない小さな街の刑事である。
群生は急な呼び出しで、あるカラオケボックスに向かう。
殺人事件が発生したのである。
そこで群生は額を拳銃で撃ち抜かれた被害者の相楽霧子に出会う。
霧子は死んでいるはずなのに、生きているかのように振る舞い群生に話しかけてくる。
これは幽霊なのか?
それとも幻覚なのか?
やがて群生は霧子に誘われるかのように1台のバスに乗り込む。
霧子は言う。
『生きている人間は傲慢で鼻持ちならない。どいつもこいつも性悪のエゴイストよ。人は死んだら生ゴミになる。そう思いこんでいる。そうでしょう。だけど、それは違う。生きている人間だってみんな生ゴミなのよ。生ゴミでない人間はいない。どんな人間も邪悪で卑劣な生ゴミにすぎないのよ』
そしてこのバスはしばらくすると事故に遭い、全員が助からないと群生に告げる。
『一人でもいい。このバスの乗客のなかに傲慢でもエゴイスティックでも卑劣でもない人間がいればその人間だけは助かる。いい人間だけが助かる。そうでないかぎりバスの乗客はみんな死ぬことになる』
群生は自分の意志ではなく、乗り合わせたバスの乗客達の意識と重なり合い、彼らの過去を追体験していく。
見た目とは異なり、彼らは様々な闇を抱えて生きていた。
闇を抱えずに生きている人間…善い人間などこの世にはいないのかもしれない。
群生は必死になって善い人間を捜し出そうとする。
果たして結末は…?
長編であり、短編であり、ホラーであり、ラブストーリーであり、ミステリーであり、クライムストーリーである。
虚構と現実が交差していく物語。
そして、やりきれない結末。
ともやが大好きな作家さんの1人である。
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