ともやの映画大好きっ!

鑑賞した映画の感想やサウンドトラックなどの紹介、懸賞や日々の戯れ言などをのほほんと綴っていこうと思っています。

ロシアン・ルーレット/山田正紀

2005年04月20日 | BOOK
本日読み終えた本。
山田正紀『ロシアン・ルーレット』

物語の冒頭で、送電塔の先端に転落したバスが串刺しになるという事故現場の様子が描かれる。
一寸先も見えないような豪雨。
ちぎれた送電線から飛び散る火花。
なぎ倒された樹木。
軋みながら左右に揺れるバス。
まるで地獄絵図のような光景から始まる。
物語の主人公は群生蔚。
人口15万人に満たない小さな街の刑事である。
群生は急な呼び出しで、あるカラオケボックスに向かう。
殺人事件が発生したのである。
そこで群生は額を拳銃で撃ち抜かれた被害者の相楽霧子に出会う。
霧子は死んでいるはずなのに、生きているかのように振る舞い群生に話しかけてくる。
これは幽霊なのか?
それとも幻覚なのか?
やがて群生は霧子に誘われるかのように1台のバスに乗り込む。
霧子は言う。
『生きている人間は傲慢で鼻持ちならない。どいつもこいつも性悪のエゴイストよ。人は死んだら生ゴミになる。そう思いこんでいる。そうでしょう。だけど、それは違う。生きている人間だってみんな生ゴミなのよ。生ゴミでない人間はいない。どんな人間も邪悪で卑劣な生ゴミにすぎないのよ』
そしてこのバスはしばらくすると事故に遭い、全員が助からないと群生に告げる。
『一人でもいい。このバスの乗客のなかに傲慢でもエゴイスティックでも卑劣でもない人間がいればその人間だけは助かる。いい人間だけが助かる。そうでないかぎりバスの乗客はみんな死ぬことになる』
群生は自分の意志ではなく、乗り合わせたバスの乗客達の意識と重なり合い、彼らの過去を追体験していく。
見た目とは異なり、彼らは様々な闇を抱えて生きていた。
闇を抱えずに生きている人間…善い人間などこの世にはいないのかもしれない。
群生は必死になって善い人間を捜し出そうとする。
果たして結末は…?


長編であり、短編であり、ホラーであり、ラブストーリーであり、ミステリーであり、クライムストーリーである。
虚構と現実が交差していく物語。
そして、やりきれない結末。
ともやが大好きな作家さんの1人である。

ロシアン・ルーレット

集英社

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キャッチコピーは【どんな不幸もふっとばせ、知恵と勇気の三姉弟妹】

2005年04月20日 | 懸賞
本日届いた試写状は、レモニー・スニケット原作の児童書『世にも不幸なできごと1 最悪のはじまり』を映像化したファンタジー・コメディ「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」
一番最初にこの映像を観たときに、『ティム・バートンの最新作か?』と思ったほどの雰囲気を持った映画。
実際の監督はブラッド・シルバーリング
出演者が意外と豪華です。
ジム・キャリーメリル・ストリープジュード・ロウなど。
何やらカメオ出演でダスティン・ホフマンも出ているらしいです。

幼い三姉弟妹が強欲な親戚によって数々の災難に見舞われる…という物語。
シリーズ化しそうなタイトルですね。

追伸。
レモニー・ニスケットって原作者の名前だったのね。
ずっと主人公の名前だと思ってました(照)。

公式HP:レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語