能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

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「2020」後 新しい日本の話をしよう コロナで一変した世界を僕たちはどう生きるか 河合雅司さんの新刊

2020年08月22日 | 本と雑誌

ベストセラー「未来の年表」「未来の年表2」の著者、河合雅司さんの新刊です。

去年、ワクワクドキドキしながら読んだ講談社新書。

日本最大の危機である少子高齢化・・・日本の人口がどんどん減っていくことを、政府から公表されたデータをもとに丁寧に分析、未来のニッポンをあぶり出していきます。

新刊では、1991年生まれのミライ君(29歳)との対談方式で展開していきます。

とても読みやすい一冊です。

2時間で読めます。

「2020」後 新しい日本の話をしよう コロナで一変した世界を僕たちはどう生きるか

河合雅司著  講談社刊  1300円+税

 

冒頭の「ミライ君の未来年表」は、「未来の年表」「未来の年表2」の総集編になっています。

「マネジメントの父」と言われたピーター・ドラッカー博士は、「未来は予測できないが、人口の動態は、ほぼ確実な事実である」と喝破しています。

著者のあぶり出すニッポンの未来・・・かなりネガティブなため、ショッキングです。

 

2020年 女性の過半数が50歳以上となる

2021年 介護離職が増え始める 毎年10万人

2023年 企業の人件費がピーク

2024年 6人に一人が75歳以上 超・高齢者社会に

2025年 65歳以上の5人に一人が認知症に 1154万人

 

2028年 トラックドライバー不足で荷物が届かなくなる 27万人足りない

2030年 地方から百貨店や銀行が消える

2033年 4軒に1軒が空き家になる

2035年 未婚大国日本が誕生 男性の3人に一人、女性の5人に一人が50歳時点で未婚(2018年)

2039年 深刻な火葬場不足 死亡数がピーク

 

2040年 自治体職員の不足で行政サービスが滞る

2040年 高齢者人口が約4000万人でピーク

2045年 東京都民の3人に一人が高齢者 シルバーの街に

2056年 人手不足が深刻化 成り立たなくなる業種も・・・警察、自衛隊・・・

2059年 70歳代は若者として一線で活躍

 

そんな状況について、著者は言います。

「どんな未来を選び取るのかは自分次第。まずはライフプランをたてることから!」

 

同書は、「CHAPTER1 現在の世界」「CHAPTER2 未来の世界」の2部で構成されています。

「現在の世界」では、当たり前が当たり前でなくなっていくことを訴求。

これまた、かなりショッキング!

 

・少子化対策と言うけれど、子どもを産める女性が(そもそも)いない

・少子化は、もはや危機的な水準

・コンビニなど「便利の終わり」がやってくる 人が減る→買う人がいない→売る人がいない→届ける人がいない

・高齢者のさらなる高齢化が進む

・給料はもう上がらない 日本の賃金

 

・若い世代が直面するダブルケア・・・育児と介護

・墓地も火葬場も足りない 人口減少で葬式が成立しない

・遺産のゆくえ 相続は「奪い合い」から「押し付け合い」に

・小中学校がなくなる 部活もなくなる

 

・家は、もう財産じゃない

・人口減少で災害が長期化 マンパワーが期待できない時代

・高齢者が増え、民主主義が崩壊 シルバーデモクラシー

かなりネガティブなニッポンの未来。

でも、著者は言います。

このコロナ禍を、変化のチャンスとしてとらえ、人口減少に適応すべきであると。

前著同様に、「戦略的に縮む」ことが必要であると指摘します。

「過去の成功体験をモデルにして、それを何とか維持しようとしても意味かない。新しいルールのレースなら、みんなに勝ち目がある。」

そして、丁寧な助言、アドバイスを付け加えています。

著者からの若い人たちへのメッセージです。

 

2020年 今すぐ始めたい!3つの提言

1 ライフプラン設計 いままでの適齢期が崩れる

2 働き方の見直し 終身雇用はなくなる 短期雇用の繰り返しに・・・

3 自分の価値を上げる 自分の強みを日々アップデート

 

人口減少日本ですべき7つの方策

1 家族を含めたライフプランを描き、老後までの長いスパンをイメージする

2 いつでも学び直しは出来る。複数の「プチ資格」で役立つ人となる

3 人間にしかできないことを知るために、AIなど最新知識を学ぶ

4 終身雇用の終焉に備え、副業・兼業などで収入の柱を複数立てる

5 サービスがいきわたらない時代に備え、自分で出来る事を増やす

6 リモートワークを活用し、効率よく仕事をする

7 不便さを楽しみ、手元にあるもので代替する柔軟な発想を持つ

 

20歳代を中心に、とにかく若い人に読んでいただきたい一冊です。

生き方や日々の働き方、生活が、きっと変わると思います。


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