能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

リモート営業の時代・・・新型コロナウイルスの影響で営業のやり方が変わってきました・・・営業担当者の格差社会の到来です

2022年03月09日 | マーケティング

最近、セールスのメール、迷惑メールがやたら増えてきました。

テレワークやモバイルワークの進展で、メールやオンライン会議システムなどが普及、これらを活用して営業を推進する会社が増えてきたのだと思います。

さまざまな営業会社がコロナ禍で苦悩する中、試行錯誤で売上に繋げようと様々な営業作戦を展開しているようです。

DX(デジタル・トランスフォーメーション)の名のもと、SFAやMA、CRMなどを駆使していますが、いまだ対面営業のような成果を上げているところは少ないように思います。

リモート営業とは、ZoomやTeamsなどのオンライン会議システムや電話やメールで顧客と対面しないで商材やサービスを売り込む営業スタイルのことです。

まだまだ成熟していない発展途上のジャンルと言えます。

ただ、就活の面談やオンライン研修なども現在ではオンライン化に移行していますので、営業・マーケティングの分野でも避けて通れないと言えます。

リモート営業、オンライン営業のやり方をwebで調べたり、ネット検索してみましたが、なかなかピンとくるものがありませんでした。

そこで、amazonを使って、書籍検索。

3冊のリモート営業本を取り寄せ、読んでみました。

それぞれの著者のキャリアや経歴が反映されており、楽しむことが出来ました。

マーケティング的な方法論でリモート営業をしていく、手紙を起点としてリモート営業に持ち込む、テレアポをベースにリモート営業に持ち込む・・・三者三様の営業アプローチ方法に感心した次第です。

1冊目

「リモート営業入門」

水嶋玲以仁著  日経文庫  850円

著者はグローバルインサイト社代表。

マイクロソフトやグーグルでインサイドセールスの実務全般について20年以上のキャリアも持っています。

同書は、SFA、CRM、MAなどをベースとしたサイエンスアプローチの解説本と言えます。

若いセールスパースンにお勧めの一冊です。

目次

Ⅰ章 リモート営業がニュースタンダードになる理由

Ⅱ章 アポイントこうして獲得!顧客開拓の進め方

Ⅲ章 信頼を得られるテレコミュニケーションのコツ

Ⅳ章 個の経験をチームの力にする底上げマネジメント

◆同書が語る大切なポイント

・リモート営業の会話(準備が不可欠)→①小刻みな言葉のやり取りを繰り返す、②伝えたい事、話したい事の固まりを細かく分解、③リズム感を意識した会話

・DX時代の営業→長期に愛用してくれる顧客を見つけ、育てることがカギ

・テレマーケティング(電話)→量の勝負、リモート営業→質の勝負

・コールドメール(初期プローチのメール)→電話(短め)

・「POINT(セールスピッチ)」でオンライン商談を進める→「パーパス」目的・「アウトライン」概要・「イン」顧客の情報、聴くことに主眼・「トランスレーション」次の段階へ

・エレベータピッチを磨く(15秒~30秒で説明できる)

・リモート営業は、データドリブン!

2冊目

「リモート営業で結果を出す人の48のルール」

菊原智明著  河出書房新社  1400円+税

著者は営業サポートコンサルティング社代表取締役。

トヨタホームで営業をスタートし「営業レター」を考案しトップセールスに。

営業コンサルタント、関東学園大学講師として活躍されています。

こちらの一冊は、気合と根性系の住宅セールスから進化したリモート営業と言えます。

営業の持つ現場感覚の詰まった、読みやすい構成になっています。

「対面営業」と「リモート営業」を対比しながら分かりやすい具体的な内容です。

目次

第1章 営業新時代に勝ち残る9つの考え方

第2章 お客様との接点が持てる9つのアプローチ

第3章 リモートは準備が肝心!9つの面談対策

第4章 確実に契約につながる9つの商談テクニック

第5章 営業のパフォーマンスが上がる6つのチーム術

第6章 効率よく仕事を進める6つのセルフマネジメント

◆同書が語る大切なポイント

・リモート営業は長期的思考、対面営業は短期的思考

・リモート営業は情報で信頼関係を作り、対面営業は人柄で信頼を作る

・リモート営業は、準備9割、本番1割

・御礼のメールを送る営業担当者は、わずか10%。お礼メールを1時間以内に送るべし

・対面営業は、商談後に次回のアポイントを入れるが、リモート営業は商談前に次回のアポイントを入れる

・アタマを使う仕事は早い時間(午前中)にやっておく

・対面営業は雑談から入るが、リモート営業は本題から入っていい

・対面営業はクツにお金をかけるが、リモート営業はイスにお金をかける

3冊目

「テレアポ&リモート営業の基本 超効率的に結果を出す」

伊庭正康著 日本実業出版社 1500円+税

著者はリクルート出身。全国トップ表彰を3回受賞した猛者。

リクルートらしい突進力と行動力が書面から伝わってくるリモート営業本です。

目次

第1章 リモートだからこそ効率的な営業ができる

第2章 断れない電話のかけかたを知ろう

第3章 テレアポの手順の基本を覚えよう

第4章 テレアポからリモート営業にもっていく方法

第5章 リモート環境でも使える営業テクニック

第6章 ワンランク上の「できるリモート営業」になるポイント

第7章 テレアポ&リモート営業を楽しく行うコツ

◆同書が語る大切なポイント

・リモート営業は「営業の革命」である・・・地域の壁をなくす、移動時間がなくなり商談が3~5倍程度になる、「売り込む営業」から「話し合う営業」へ、営業のキツさからの解放

・新規開拓は「メール・電話」から「接点を持ち、情報提供」へ

・「即決深耕」から「リード(見込み客)を育てる時代」に

・「リモート営業強者」と「リモート営業弱者」の格差が拡大

・目指すは「顧客生涯価値(LTV)」の最大化 購入価格✖購買頻度✖契約継続期間

・既存顧客のロイヤリティを高めて、離反を防止する

・20年間で100万人の営業担当者が減っている

・リモート営業も電話から始まる

・お客様の名前を呼ぶだけで購入率が2倍に増える ネームコーリング

・電話の前にKPIを決めておけば、テレアポはゲームになる

・テレアポはPDCAを回すゲームである

・オンラインではPREP法を意識して話す(ポイント→リーズン→イグザンプル→ポイント)

Withコロナの時代、Afterコロナの時代・・・過去には2度ともどらないという「新常態(ニューノーマル)」が言われています。

が、営業の世界ではコロナ禍が収束・終息したのちは、元に戻るような気もしています。

ただ、第7波や新しい変異種の出現を考えると、リモート営業というオプションも残しブラッシュアップしていかなければならないと思います。

「マーケティングの究極の目的は、セールスをなくすこと」

マネジメントの発見者ピーター・ドラッカー博士は喝破しました。

この20年間で100万人の営業担当者、セールスパースンがいなくなったという調査もあります。

営業担当者の格差が、どんどん広がっていくと思います。

営業の仕事についている人々にエールを送りたいと思います。


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