東京一極集中は続いています。
半面、地方は大変です。
人口減少に歯止めがかかりません。

広島県呉市。
広島県の南部にある地方都市です。
人口が今年20万人を切ったというニュース。
地方紙・中国新聞でも20万人を切った呉市の特集記事を掲載しています。

戦前は帝国海軍鎮守府、呉海軍工廠があり人口は40万人を超えていたそうです。
戦後は、製鉄業、造船業で栄えました。
その後は広域合併で人口20万人をキープしていました。
しかしながら日本製鉄呉製鉄所の閉鎖により若年人口がさらに減少・・・とうとう人口20万人を切ってしまいました。
製鉄所の従業員が3000名、その家族を合わせると1万人近くが更に減少することになるでしょう。

中心部のれんが通りは、シャッター街。
店舗の売却、閉店のお知らせ等、悲しい状況になっています。
買物は、郊外のロードサイドの店やショッピングモールにクルマで行くというライフスタイルになっているようです。

作家の河合雅司さんが書かれた「未来の年表」「未来の年表2」で指摘されている「戦略的に縮む」というコンセプト。
地方創生ではなく、人口減少にどう対応していくかが大切だと思います。
河合さんは、「週末だけ開店する商店街」も提唱されています。
さらに、これから日本に起こることとして、次の未来の年表を予測しています。
2023年 企業の人件費がピーク
2024年 6人に一人が75歳以上 超・高齢者社会に
2025年 65歳以上の5人に一人が認知症に 1154万人
2028年 トラックドライバー不足で荷物が届かなくなる 27万人足りない
2030年 地方から百貨店や銀行が消える
2033年 4軒に1軒が空き家になる
2035年 未婚大国日本が誕生 男性の3人に一人、女性の5人に一人が50歳時点で未婚
2039年 深刻な火葬場不足 死亡数がピーク
2040年 自治体職員の不足で行政サービスが滞る
2040年 高齢者人口が約4000万人でピーク
2045年 東京都民の3人に一人が高齢者 シルバーの街に
2056年 人手不足が深刻化 成り立たなくなる業種も・・・警察、自衛隊・・・
2059年 70歳代は若者として一線で活躍

半世紀後には、日本の人口は半減。
いかに「戦略的に縮む」ことを進めて行くかが求められています。
コンパクトシティ、シンプルライフ、足るを知る、環境を守る・・・。
いけいけドンドンモードからの脱却が求められてくると思います。

商店が激減する中、なんと一軒の書店が頑張っていました。
すごい!

行政や市長も打開策を模索しているようですが、なかなかうまくいかないようです。

呉市役所の庁舎だけは、立派です(笑)。

政府は地方創生を打ち出しています。
でも、東京一極集中は続いていきます。
人口減少、少子高齢化の中では、地方は「戦略的に縮む」しかないように思います。
コンパクトシティとなって密度の濃い中心市街地に集中していくしかないと思います。
