特捜最前線日記

特捜最前線について語ります。
ネタバレを含んでいますので、ご注意ください。

第321話 11時まで待っていた女!

2007年06月18日 19時22分48秒 | Weblog
脚本 大川タケシ、監督 宮越澄

刑事になる前からの恩人である、交番勤務の巡査長と待ち合わせる叶。待ち合わせの喫茶店になかなか現れない巡査長を心配する叶だが、巡査長はビルの屋上から転落死を遂げていた。巡査長はなぜビルの屋上に行ったのか?喫茶店に向かう途中、手配中の犯人を見つけて追跡したのではないかと見て、叶は捜査を開始する叶。
事件当日、喫茶店で隣り合わせた女を見かけた叶は、その女が誰かを待ち続けていたことを思い出す。もしやと思い、女に「誰を待っていたのか」と問い掛ける叶だが、女は逃げるように立ち去った。叶はウェイトレスの証言から、女が事件当日に11時まで待ち続けていたことや、よく女と一緒に来店する若者が事件以来姿を見せていないことを知る。その後、目撃者が現れ、巡査長が逃げる若者を「あのことは気にするな」と呼びかけながら追いかけていたことが判明。叶はその若者が女の待ち合わせ相手ではないかと推測する。
引き続き目撃者を探すなか、叶は巡査長の墜落現場に花を手向ける少女を見かける。気になって派出所に確認したところ、かつて娘が電車賃を落として困っていたとき、巡査長が助けたことがあったという。派出所では、お金を落とすなどして困った人のために千円を限度に貸与する「公衆接遇弁償費」という制度がある。特命課はそのリストから、巡査長が応対した者を手当たり次第に当たるが、不審な人物は見当たらなかった。
実は、叶も学生時代に巡査長から金を借りたことがあった。そのとき、叶は千円以上必要だったため、巡査長がポケットマネーから金を貸し、叶の名を警察手帳に書き止めた。叶は巡査長の妻から手帳を借り受け、そこに名前を記されていた者を追う。その中から、事件の翌日に前触れもなく退職した若者が浮上する。若者が住んでいた工場の寮を調べたところ、遊園地の切符が捨てられていた。念のため指紋を採取したところ、転落現場に残された指紋と一致。若者を犯人とみて指名手配する一方、叶は遊園地を当たる。若者の写真を見せて聞き込んだところ、売店の女の恋人だと判明。それは叶が喫茶店で隣り合わせた女だった。男の所在を問い質す叶だが、女は何も知らないという。若者の境遇に共感を覚えた叶は、「彼は生真面目すぎるあまり、たかが3千円のために人を死なせてしまった。このまま追い詰められれば自殺するかもしれない。彼を助けたいんだ」と女を説得する。女は今夜、若者から連絡が入ることを明かす。女の部屋で若者からの電話を待つ叶。待ち続けた末に、ようやく電話がかかってくる。若者は、女に上野のホテルにいることを告げると、今から自殺すると言って電話を切る。上野のホテルをしらみつぶしに当たる特命課。探し回った末に、叶は睡眠薬を飲んで昏睡状態の若者を発見。若者は「殺すつもりはなかったんです」と涙ながらに犯行を自白するのだった。

生真面目すぎる若者が、わずかな金を借りたために精神的に追い詰められ、その挙句に人を死なせてしまう。面白い設定だとは思うのですが、いかにも人の良さそうな巡査長が「気にしなくていいから」と言っているにも関わらず、「許してください」と土下座までし、屋上から突き落としてしまうのは、いかにも不自然。さらに付け加えれば、神戸出身だという若者の取ってつけたような関西弁も、いかにも不自然。監督や役者は誰も「これは無いよ」と思わなかったのでしょうか?

1 コメント

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Unknown (ピースメーカー)
2023-10-29 19:11:17
この回は実在の警視庁麹町警察署と同署飯田橋駅前派出所で撮影が行われています。
特捜最前線では警察内部の制度を題材にしたストーリーがあり、この他には単身警察官の待機寮を扱った回もありました。
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