特捜最前線日記

特捜最前線について語ります。
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第322話 にっぽん縦断泥棒日記!

2007年06月25日 02時55分38秒 | Weblog
脚本 押川國秋、監督 宮越澄

老人が店番をするタバコ屋に「裏口が火事だ」などと電話をかけ、店を開けさせた隙に収入印紙などを奪うという事件が頻発する。そんななか、福島県でも同様の事件が発生。今回は泥棒に追いすがった老婆が殺される。
捜査に当たった特命課は、過去の犯行の記録から、次の犯行現場を予測して網を張る。予測どおり犯人が現れ、タバコ屋からの通報で地元警察が急行するが、犯人は包囲網をかいくぐって逃走。紅林はタバコ屋の店先で、犯人が落としたと思われる手紙を発見する。その手紙は、失踪した兄を探すために上京した男が、故郷に残された兄の子供たちに宛てたものだった。差出人の手紙に記されていたドヤ街を訪ねたところ、男は不在だったが、残された荷物から収入印紙と犯行を記録したノートが発見される。それによると、九州から北海道まで日本中を泥棒して回っていたらしいが、福島の事件だけは記されていなかった。
収入印紙を換金したのではと、付近のコイン屋を当たる紅林だが、それらしい人物には覚えがないという。コイン屋を見張り続けたところ、目撃者の証言通りの背格好の男が現れ、逃走を図ったために逮捕する。特命課の尋問にとぼけ続けていた男だが、船村におだてられ、つい口を滑らせる。「一軒で2万円くらいの犯行に目くじら立てなくても・・・」と居直る男に「細々と暮らしている老人にとって、2万円がどれだけの価値があるか、貴様には分からんのか!」と一喝する船村。男は全国各地の犯行を認めたものの、福島の犯行だけは頑なに否認する。
被害者の夫に面通しさせるため、福島県に男を護送する紅林。夫は男の着衣を見て犯人とだ断定するが、男は否認を続ける。紅林は、タバコ屋の付近に電話ボックスが見当たらないことに疑問を覚える。事件当日、犯人は老婆に電話をかけて店を空けさせた後、すぐに犯行に押し入った。「この現場だけは共犯者がいたのでは」と思われるが、男に共犯者がいたとは考えにくく、模倣犯の仕業だと推測する紅林。
「自分の手口を誰かに喋ったことはないか?」と男を問い質す紅林だが、男にそんな記憶はない。何とか思い出させようと犯行前の足取りをたどるうちに、10日ほど前、新宿で外人女性に誘われ、ホテルに入ったことを思い出す。女は男が風呂に入っている途中、収入印紙を奪って逃げた。特命課が調べたところ、新宿界隈で同様の事件が続発していた。女の似顔絵を作成し、その行方を追う紅林。やがて女を発見し、共犯がコイン屋だと判明。二人をマークし続けた結果、同様の犯行を働くところを現行犯で逮捕する。検察庁に送られながら「兄貴の居所をさがしてください」と頭を下げる男に、紅林はしっかりと頷くのだった。

タイトルどおり、「日本全国を旅して泥棒を続ける男」という着想のみで勝負し、他は何のひねりもありません。失踪した兄がどこで事件にからんでくるのか、ずっと待ってるうちに出てこないまま終わってしまいました。どこか憎めない犯人を演じる車だん吉がかもし出す独特の味わいも、人によっては好き嫌いが分かれるところ。模倣犯の偽装も稚拙極まりなく(男が服を着替えたらどうするつもりだったのか?)、「特命課が出動するほどの事件じゃないだろう」という不毛な感想を持たざるを得ない一本でした。

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