特捜最前線日記

特捜最前線について語ります。
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第320話 特命へリ緊急発進!

2007年06月17日 20時56分59秒 | Weblog
脚本 長坂秀佳、監督 辻理

空港で不審な外国人を見かけた神代は、その尋常ではない雰囲気に危険信号を感じた。咄嗟に尾行を開始するとともに、記憶をたどる神代。外国人は、国際事件のファイルにあった米国上院議員殺しに関わる男だった。FBIや外事課に問い合わせたが、外国人の正体は分からない。そこで指紋を採取しようとするものの、外国人はタクシーやホテルのフロントにも徹底して指紋を残さない。ホテルまで追跡し、スキをついてようやく採取した指紋をFBIに照合した結果、元グリーンベレーの殺し屋だと判明する。逮捕を決意する神代だが、FBIから「外国人の相棒が日本に潜入している」との情報を得て、両者の同時逮捕に方針を変更する。
外国人の行動を徹底マークする特命課。外国人は都内数箇所を回り、公園でマフィアと繋がる男と接触した後、ビジネスホテルにデートクラブの女を呼び出した。男を逮捕し、外国人がライフルを発注したことをつかんだ特命課は、3つの手掛かりから狙撃対象を割り出そうとする。第1の手掛かりは、外国人が男に渡した新聞。第2の手掛かりは、外国人が狙撃の下見に立ち寄った場所。そして第3の手掛かりが帰国予定の飛行機の時間。新聞に載っていた500名以上の中から、飛行機の時間までに狙撃ポイントから狙える位置を通過する人物を絞り込んだところ、一人の人物が浮かび上がった。その人物は国際汚職事件の証人として、明日、検察庁で証言する予定だった。
外国人が食事に出た隙を狙って、ホテルの室内を家捜しする特命課。催涙ガスの入ったライターを見つけた他に収穫はなかった。狙撃を警戒して紅林がヘリで護送することになるが、発進直前、桜井がヘリの整備所から出てきた不審な女を捕らえる。特命課は女とデートクラブの女が接触していたことに気づくが、ヘリに不審な点はなく、予定通り発進させる。その一方で、部屋のベランダに隠してあったライフルを発見し、外国人を銃器不法所持で逮捕する。
余裕のある外国人の様子に疑問をいだいた神代は、女の所持品を調べ、そこに紅林のライターが発見する。それは催涙ガス入りのライターと同形のもので、紅林のものとすり替えられたらしい。ヘリ内でライターを使用すれば、操縦どころではなくなる。慌てて紅林に連絡するものの、妨害電話のために通話できない。地上からヘリを追う特命課。証人がタバコを吸おうとして紅林にライターを求めたとき、追いついた神代は発炎筒を焚いて危険を知らせる。そこに潜伏していた相棒が銃撃戦を仕掛ける。危機は回避され、廃工場に逃れた相棒も逮捕。刑事たちは安堵の笑顔を交わすのだった。

神代の陣頭指揮による緻密な捜査が克明に描かれた、長坂復帰記念4本連続の最後を飾る見ごたえのある一本。特捜にしては珍しい銃撃戦も披露されるなど、本来の売りであるドラマ性を捨てて、殺し屋対特命課の対決に徹しています。それだけに、あまり語りどころはないのですが、サスペンスと緊張感にあふれた構成には卓越したものがあり、見て損はない一本と言えるでしょう。

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