せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

アシビ

2010-03-01 | 日記
昨日(2/28)ベランダから隣の公園を見ていたら、アシビの枝ににメジロが来て花をつついていた。アシビには毒があるのかと思ったが花は平気なのだろうか?鳥は特殊な酵素を持っていて解毒するのだろうか?酵素といえば思い出す。
ずいぶん前のこと、ある教授が定年を迎えて最終講義が行われた時、講堂の後ろのほうで立ち聞きをした。教授はそれまでの業績を述べたあと若い研究時代のことを語った。アメリカに留学した夏、彼はひとり研究室で世紀の大発見をする。それは過去にまだ未発見の酵素だった。それから2週間、夜中まで実験をして朝は4時に眼が覚め研究室へ行く日々が続いた。興奮のあまり眠ろうとしても眠ることができない、眠くない。至上の幸福がそこにあった。この暑い夏が過ぎるとともに彼の発見は大きな間違いであることが判明した。しかし結果ではなくそのときの沸き立つ興奮こそ研究の醍醐味だ、是非この喜びを若い人に味わってほしいと最終講義を締めくくった。教授は前立腺癌ですでに亡くなったがあの講義だけは忘れられない。研究者の喜びは結果だけじゃないと知った。

メジロは花を食べているのではなくて、細くとがったくちばしをこの小さなアシビの花先に差し入れて蜜を吸っているらしい。

この横顔のなんと優しいことだろう。