せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

カタクリ

2010-03-25 | 日記
つい先日、知り合いの市の職員の方から今カタクリが真っ盛りだから来るように誘いを受けた。何とか時間を見つけて出かけてみた。職場から15分しかかからない自然公園の一角。うっそうとした林の北の斜面で湿気がある上に日当たりもよくない。なんとそんなところに無数の薄紫色の小さな花がいっぱいだ。初めてカタクリの花を見た。その葉と花に見とれてしばらくは声も出ないほどだった。

薄紫の衣を広げたような花を見ていると夢の世界に入りそう。
"地上に降り立った天女は1週間の与えられた命をこの山の北斜面で過ごすことを決めた。まだ眠り覚めない冬芽に息吹を与え、森の動物や昆虫に活動の始まりを告げていく。ある日この谷を通りかかった一人の若者はその姿の美しさと秘めた力を知り、そっと触れてみようと手のひらに乗せた。そしてその中の顔を覗こうとした瞬間、透明な羽を持つ蝶のようにゆっくりと舞い上がると虹色に輝き、すうっと消えてしまった。そのあとには、ほのかな香りが残り、かすかな鈴の音が小鳥のさえずりに混じって聞こえた。この天女こそ春の蜻蛉(カゲロウ)Spring ephemeral であった。"
こんな話を勝ってに作りたくなるほど可憐で神秘的な花がユリ科カタクリである。

すべての花がうつむいていてその正面をとらえるのが難しい。
  
カタクリの花は、萼片に相当する3枚の外花被片と花弁に相当する3枚の内花被片の計6枚の花被片からなる。さらに、柱頭が3つに分かれた雌しべと、それを取り囲む6本の雄しべがある。花被の基部には不思議なチューリップ型の模様があり、訪花昆虫の目印になっているようだ。

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