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福島原発事故放射能汚染水の行方

2024年08月28日 | これから何が起きるのか?

 フクイチ事故における莫大な量の放射能汚染水を「貯蔵処理では金がかかりすぎるから、安く上がる海洋投棄にしよう」と、放射能汚染水を「処理水」といいくるめて、安易に福島の海に捨てる作業が続いている。
 「事故処理に金がかかると東電の株価が下がる」という理由で、超一級優良株だった東京電力株を持ち続けている自民党や日本政府の有力者が、安上がりな海洋投棄を指示したのだ。

 そして、「放射能海洋投棄は安全」と捏造したデータを公開してきたのだが、その場しのぎの嘘八百ばかり言い続けてきた嘘つき体質の東電を信用する者はおらず、放射能汚染水海洋投棄に対して強烈な不信感が渦巻いている。

 そもそも汚染水海洋投棄は、完全なロンドン条約違反である。
 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/treaty166_5_gai.html
 日本も批准したロンドン条約(海洋環境保全条約)では、放射能汚染水を許容濃度以下に薄めて投棄することも厳禁していることは、上のリンクのPDFを読めば分かる。
 明らかな条約違反を続けている日本政府を、世界が黙認している事情は何か?

処理水放出1年 風評被害目立たずも、東電トラブルに漁業者ら不信 福島第一原発の処理水問題 2024年8月25日
 https://www.asahi.com/articles/ASS8S4FH2S8SUGTB007M.html

  東京電力福島第一原発から処理水の海洋放出が始まって24日で1年経った。現在は8回目の放出中だが、これまで海水や魚のトリチウム濃度に異常はみられず、県内の海産物で目立った風評被害も確認されていない。一方でこの1年、第一原発ではトラブルが絶えなかった。放出が長期にわたることもあり、漁業者らは不安を抱えながら前に進む。

 この日午後、岸田文雄首相がいわき市小名浜の「小名浜魚市場」を訪れた。水揚げした魚の検査の様子を視察したり、「常磐もの」を試食したりした。その後、県漁連の野崎哲会長と意見交換をした。

 冒頭、岸田首相は「福島県漁連からは、廃炉が安全に完遂し、その時点で本県漁業の生業の継続が確認されて初めて理解は完了するという言葉をいただきました。こうした皆様方の思い、これを重く受けとめているところです」と述べ、「漁業者の皆様が安心してなりわいを継続することができるように、必要な対策を続け、全責任を持って対応する」と話した。

 これに対し、野崎会長は「最後の処理水の海洋放出まで漁業が存続していることで、我々、ようやく納得することができる。その立ち位置は、今もいささかも変えておりません」と述べた。
 その上で、22日にも2号機で始まる予定だった溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の試験的取り出し作業が、ミスで延期されたことに触れた。廃炉の本丸とされる作業が初日からつまずいたことに、「非常に残念。安全な廃炉に努めてほしい」と注文をつけた。(滝口信之)

 「国や東電は『処理水の海洋放出に緊張感を持って当たる』と言っていたのに、デブリの試験取り出しの中断や相次ぐ作業ミスを見ていると不安になってくる」
 放出1年を翌日に控えた23日。相馬市に本拠を置く相双漁協の今野智光組合長(65)はタチウオ漁を終えた後、そう口にした。この1年、第一原発では汚染水漏れや、作業員が汚染廃液を浴びるトラブルが重なったことへの不信感がある。

 「福島の水産物への応援もあって、大きな値崩れは起きていない」としながらも、今後30年以上続くとみられる放出への不安は尽きない。作業で大きなミスが出れば消費者の信頼は一気になくなる――。そんな危機感を持ち続けている。

 相双漁協のすぐ近くにある「浜の駅松川浦」は24日、5日間の増改築工事を終え、午前9時の開店からにぎわった。「仙台」や「千葉」など他県ナンバーの車も目立った。
 店内には「ホッキむき身1袋750円」「大サイズ活アサリ1ネット(500グラム)700円」など、前日までに水揚げされた魚介類が並ぶ。新鮮な魚介類が食べられる食堂では、正午前から長蛇の列が出来ていた。

 宮城県松島町から妻とドライブに来ていた佐藤正さん(71)は「初めてきたが新鮮な魚が安くていい。処理水は(国の放出)基準が守られているので気にならない」と、買い物かごいっぱいに海産物を入れていた。

 「浜の駅」は2020年10月、市の復興のシンボルとして開業した。地元で水揚げされたホッキ貝やタコ、地元加工のしらす干しといった海産物のほか、農産物や菓子など1千種以上の商品が並ぶ。

 前日から商品の品ぞろえに追われていた佐藤武男副店長は1年前を思い出しつつ、「売り上げは(海洋放出の前より)1割ぐらい増えた」と振り返った。「この時期の一番人気はホッキ貝で、生のまま買っていく客が多い。国や東電は、(トリチウム濃度の)測定結果をもとに、安全であることをPRしていってほしい」と話した。(大久保泰)

 この1年、福島県沖でとれる「常磐もの」の魚価に大きな変化はなかった。県水産課は沿岸の九つの漁港で水揚げされた主要な魚7種類の「浜値」を調べてきた。ヒラメは今年7月の平均で1キログラム当たり1133円(昨年同時期は1262円)、スズキは2158円(昨年同時期は1997円)と、放出前と大きな差はない。県は「風評被害は起きていない」とみている。

 それでも、原発事故を機にした廃業や、海水温の上昇が一因とみられる不漁などが重なり、県内の沿岸漁業は厳しい状況が続く。東日本大震災の前(2008~10年平均)に2万6712トンだった沿岸3漁協の水揚げ量は、昨年は6644トンと4分の1に減少した。水揚げ高も事故前の4割に落ち込んでいる。

 内堀雅雄知事は19日の定例会見で、「処理水の問題はこれからも長い取り組みが続く。国、東電には引き続き想定外の事態が生じることがないよう万全の安全対策を講じていただきたい」と注文をつけた。(大久保泰)
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 引用以上

 東電が決して自社に不利な真実を公表しない体質であることは、原発建設の最初からだが、311フクイチ事故前に、東電が数年以上も隠し続けてきた超危険な炉心事故があった。それは1978年11月2日に起きた。
 https://cnic.jp/507

2007年3月、東京電力は,1978年11月2日に福島第一原発3号炉で制御棒5本が脱落し,7時間半も臨界状態が続いていたと推定されることを公表した.福島第一3号炉は当時,1976年3月27日に営業運転を開始したばかりであった。
 東電は、最悪、臨界を起こした3号機がメルトダウンに至り、311と同程度の放射能汚染被害が出る寸前だったことを、実に30年近く隠蔽し続けてきたのだ。

 臨界を示すメモが原発メーカーである東芝に保管されているのが見つかった.落下した5本の制御棒のうち4本はL字型にとなりあっていたらしい.臨界は午前3時から10時半までの7時間半続いたとみられる.
 また,1979年2月12日には福島第一5号炉,1980年9月10日には福島第一2号炉でそれぞれ制御棒1本が脱落する事故がおきていたこともあきらかになった.

 7時間半の臨界とは、恐ろしい事態である。その間、100トン近い核燃料が励起され、発熱し、膨大な中性子が放射される。原子炉の近隣に人がいれば東海JCO事故のような凄惨な被曝事故が起きた可能性がある。
 しかも、こうした制御棒脱落による臨界事件は、能登の志賀原発でも起きていた。このときは原子炉停止にも失敗し、メルトダウン事故寸前だった。
https://cnic.jp/501

 志賀原発の北陸電力も、東電と同様に、事故を隠蔽しようとした。原子力産業は隠蔽体質で絶対に危険情報を出さない。それは管轄する原子力規制委員会が、隠蔽指示を出しているからだ。

 元旦能登地震で、志賀原発はPCB変圧器オイルが20トン漏れ出し、使用済み核燃料冷却プールの水が数十トン大量漏洩し、冷却用外部電源線4本のうち3本が断線し、原子炉近傍で50センチの段差が発生したにもかかわらず、原子力規制委員会は、報告で「何一つ危険な問題は起きていない」とメールを出し続けた。
 私はそのメールを受け取っているので、隠蔽体質の深刻さに驚愕するしかなかった。

 我々は、原子力産業と政府の隠蔽体質が、どれほど凄まじいものか思い知らされた。
 こうした隠蔽体質の上に、福島汚染水海洋投棄問題がある。東電が発表している「処理水」といいくるめた「汚染水」には、危険物質としてトリチウムだけが記載されているが、実は、これは汚染水の本質をごまかすための東電らしいテクニックである。

 実際には、「処理水」の中身は、トリチウムだけでなく炭素14やALPSが除去しきれないストロンチウム90が大量に含まれているのだ。
 そして、放出から、わずか数日後のモニタリング数値を発表し、海水には何の変化もないとした。
 そんなの当たり前だ。東電は、最初だけALPSの最大能力で放射能を除去し、汚染度の少ない処理水だけしか放出しないが、世間の関心が薄れはじめれば、徐々に危険性の高い汚染水を大量に放出する戦略なのだ。

 そして、多量に含まれる未処理トリチウムについては、半世紀前の知識だけで「弱いベータ線しか出さないから人体に影響はない」としているが、今世紀に入ってから、トリチウムが生物細胞に結合してから有機化したOBTという形態が、とんでもない毒性を持っている事実が明らかにされた。
 https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_09-02-02-20.html

 従来知られていた無機トリチウムガスに比較すると、毒性は数万倍に達すると、原子力産業が編纂しているATOMICAが記述している。
 トリチウムは、水と分離することが事実上、不可能であり、エントロピーの法則に従って、地球上で拡散し平均化する。
 どんなに汚染されない水を選ぼうとしても絶対不可能である。環境に放出されたトリチウムは100%、「地球の水」となり、我々の肉体に侵入してくる。

 トリチウム水が体内に入ると、たちまち全身に均等に分布し、遺伝子の構成元素となる。
 これが数年もすれば、核崩壊してヘリウムに変わってしまうのだから、遺伝子などバラバラに壊れてしまう。人体に取り込まれたトリチウムの量が増えるにしたがって、遺伝子は壊滅的ダメージを受け、白血病やダウン症などの遺伝障害を引き起こすことが明らかにされた。

 例えば、トリチウムの放出量が桁違いに多い施設、フランスのラアーグ核燃再処理工場、イギリスのセラフィールド再処理工場、重水素を多用するCUNDI型原子炉として知られるカナダ、ピッカリング原発、そして日本の六ヶ所村再処理工場、さらに玄海原発なども、トリチウム放出施設として知られるが、このすべての施設で、周辺住民に恐ろしい被害をもたらしている。

 DNAに入り込む、トリチウムの特別な危険性
 http://www.jca.apc.org/mihama/News/news125/news125tritium.pdf
 
 飲料水や食物から摂取されたトリチウム水は胃腸管からほぼ完全に吸収される。トリチウム水蒸気を含む空気を呼吸することによって肺に取り込まれ、そのほとんどは血液中に入る。
 血中のトリチウムは細胞に移行し、24時間以内に体液中にほぼ均等に分布する。また、トリチウムは皮膚からも吸収される。

 最近問題になっているのは有機成分として取り込まれた場合の有機結合型のトリチウム(OBT:Organically Bound Tritium)で、一般に排泄が遅く、体内に長く留まる傾向がある。トリチウムは水素と同じ化学的性質を持つため生物体内での主要な化合物である蛋白質、糖、脂肪などの有機物にも結合する。経口摂取したトリチウム水の生物学的半減期が約10日であるのに対し、有機結合型トリチウムのそれは約30日~45日滞留するとされている。

 トリチウムのβ線による外部被ばくの影響は無視できるが、ヒトに障害が起きるのはトリチウムを体内に取り込んだ場合である。ヒトの場合にはこのような事故例は少ないので、主として動物実験から被ばく量と障害の関係が推定されている。

 ラアーグ・セラフィールドともに、周辺に居住する子供たちの白血病発症率が、トリチウムの少ない地域と比べて数十倍になっている。
 ピッカリング原発では、稼働後、周辺地域でダウン症が85%増加したことをグリーンピースが明らかにした。
 http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/genpatsu/tritium_1.html

 玄海原発の周辺では白血病発症率が10倍になっている。失敗続きでほとんど稼働していない六ヶ所村再処理工場でさえ、わずかな稼働期間の後、青森県の白血病発症率が激増している。
http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-4139

 トリチウム水の生物毒性は、トリチウムガスの10000倍であり、有機結合型(OBT)は、ガスの23000倍と評価されている。
 https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_09-01-03-08.html

 つまり、その昔、トリチウムガスの毒性評価では、極めて弱いベータ線しか出さないトリチウムは、ほぼ無害と考えられてきたのだが、今では、トリチウムガスが酸素と結合したトリチウム水の生物毒性は、ガスの10000倍であり、植物が代謝したトリチウムガスは有機化して毒性が23000倍になると評価されるようになった。
 しかし、この認識は、政府や原発関係者の議論には、一切反映されず、政府は半世紀前の無害論にしがみついたままだ。
 
 西尾正道氏による、汚染水海洋投棄が人類を滅亡させる指摘  日刊ゲンダイ(2019年12月02日)
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-952.html

  トリチウムの半減期は、12.32年である。事故核種としては長い方ではあるが、タンクに貯蔵すれば、100年ほどで無害化することができる。実際には、ストロンチウムが含まれているので、300年くらいの貯蔵が必要になる。
 タンクが不足しているとはいうが、福島第二原発では広大な敷地が使われないままであり、第一原発でも高濃度汚染地帯では、たくさんの空地がある。
 また、老朽タンカーを借りても、数十年は保管できるはずだ。
 だが、東電は、長期保管がもたらす株価への影響を懸念しというより、経営幹部の退職金原資が毀損されることを恐れて、安上がりな海洋投棄に傾斜しただけなのだ。

 また、「福島放射能汚染水」の残留放射能で、もっとも危険性が高いと思われるストロンチウム90については、ストロンチウムが2価でありカルシウムと同じ性質を持っているため、生物に容易に吸収される結果、生物の骨被曝、膵臓蓄積被曝が起きて、膵臓癌、糖尿病、骨癌、白血病のイニシエータとなる可能性が明らかにされている。

 だが、福島汚染水海洋投棄のストロンチウム90が海洋生物によって循環濃縮を引き起こす期間は、少なくとも数十年かかり、下位生物に蓄積されたストロンチウム90が、食物連鎖によってクジラや鮪などの上位生物に移行し、人間に影響を与えるのは20~30年先の話である。

 また、トリチウムが海洋生物によって無機形態から有機形態に変化し、人類の遺伝子に影響を与えるのも数年という時間がかかる。
 まだ1年しか経っていない福島汚染水の影響は、まだまだ先の話であるが、日本政府や東電が、ほとんど濃度の増加が見られないと発表しているにもかかわらず、千島樺太海域の海水のトリチウム濃度が上昇しているとのロシア科学アカデミー報告があった。

 https://english.almayadeen.net/news/environment/russian-scientists-find-elevated-tritium-level-after-fukushi

 トリチウムと酸素が結合したものはは完全なる水であり、HTO DTO T2Oの3形態があるが、いずれも半減期10年ほどで壊変し、HがHeになるので、結合を失って崩壊する。染色体 DNA構成要素の水が、ヘリウムと酸素に分離しDNAは崩壊し、生物に深刻な影響を与える。
 これが、発癌や奇形をもたらす細胞崩壊を引き起こすのだ。

 かつて、トリチウムは測定できないほど弱いベータ線しか出さないので安全と決めつけられてきた。しかし今では「ペトカウ効果」の典型例とされ、弱いエネルギーの放射線ほど細胞への親和性が大きく、深刻な影響を与えることが指摘されている。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%88%E3%82%AB%E3%82%A6%E5%8A%B9%E6%9E%9C

 ガンマ線でも、K40やCO60のガンマ線はエネルギーが強いので人体を透過しやすく、吸収されにくい。しかしI131の365eVKガンマ線は人体に吸収されやすく、10~100KeVのX線は、さらに人体に吸収されやすく危険であると明らかにされるようになった。
 エネルギーが小さいことは、生物にとっては逆に危険なことなのだ。


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