本県産海産物の購入を控えたいという人の割合が、東京電力福島第1原発事故直後の約4割から1割強に減少していることが13日、福島大と東京大の調査で分かった。一方でトリチウム(三重水素)を含む処理水が海洋放出された場合に、本県産海産物を購入したくない人は3割に上った。
調査ではトリチウムなどへの認識が県内外で十分浸透していないことが明らかになっており、情報発信の重要性が改めて浮き彫りになった。
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20181214-334027.php
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引用以上 ゴミ売新聞グループの傘下にある福島民友が、何を言いたいかというと、要するに、トリチウムは安全だから、海に放出しても何の問題も起きない情報を発信すべきだと言ってるわけだ。
なるほど、ならば、トリチウムが、一体何をもたらすのか? 何度もおさらいして公開することにしよう。
トリチウムとは3Hと表し→ H₃ではない。 水素原子に中性子が結合したものが2H=デュートロン=二重水素であり、中性子が二重に結合したものがトリチウムであって、水素の唯一の放射能アイソトープである。
トリチウムの構成は、陽子1・中性子2・電子1である。(重い陽子・中性子が併せて3個あるので3Hと表すが、核種を決定づけるのは一つしかない陽子である。)
【上の表現に問題がありました。水素が二重三重に結合という表現は間違いでした。水素原子に中性子が結合したという表現が正しかった。 m(_ _)m】
主に、水を中性子環境に置いたときに生成される。したがって、大半のトリチウムが核反応生成物である。
弱いベータ線を出してヘリウム3に代わるが、半減期が12.32年と非常に長く、環境に残りやすい核種であり、宇宙線によって生成されたトリチウムも、地球環境に一定量あるが、多くは、過去の核実験や核事故によって生成されたものである。
この核種は、最大18.6KeV という非常に弱いベータ線を出し、このレベルになると、通常のベータ線検出装置=ガイガーカウンターで捕捉することは不可能で、微弱ベータ線専用の液体シンチレーション式測定器でなければ測定できない。
以前は、トリチウムガスを、GM管内に封入して測定したが、汎用環境測定は無理だった。
したがって、トリチウムを環境に大量放出した場合、測定管理が極めて困難で、東電は放出量を、いくらでもごまかせることになる。
18Kという弱いベータ線は、数十年前までは、生物に影響を及ぼすことはないと信じられていた。今の、福島県や、東電、行政一般のトリチウムの危険性に対する見解は、実に数十年前、あるいは半世紀以上前の、すでに葬られた屁理屈を持ち出している。
これは、行政が引き合いに出すことが多い1976年の知見。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhps1966/17/4/17_4_505/_article/-char/ja
ところが2000年前後から、放射線医学界のあちこちで、弱いベータ線こそ相互作用が強く、生物危険性があるかもしれないと指摘が始まった。(矢ヶ崎教授)
https://www.sting-wl.com/yagasakikatsuma11.html
トリチウムの放射線のエネルギーは小さく、0.0186MeV(百万エレクトロンボルト)のエネルギーを持つベータ線で、体内では0.01㎜ほどしか飛びません。エネルギーが低いベータ線の特徴はエネルギーの高いベータ線より相互作用が強く、電離の密度が10倍ほどにもなります(電離とは分子切断のこと。放射線を浴びるとなぜ健康被害がでるの?に説明あり)。それがトリチウムの被曝が危険である要因です。
さらに、トリチウムを莫大に放出する炉型である、カンディー炉(カナダ型=ピカリング原発・月城原発など)で、放出されたトリチウムによって、周囲に居住する住民の間でダウン症など、遺伝障害の発症率が、85%以上も上がっている事実を、グリーンピースが報告した。
http://www.jca.apc.org/mihama/News/news125/news125tritium.pdf
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/genpatsu/tritium_1.html
こうした健康被害のメカニズムは、研究の進化によって徐々に明らかにされていて2005年以降では、トリチウムが微生物に取り込まれて有機化し、通常のトリチウムの数百倍の生物毒性を持つ非常に危険な核種である事実が指摘されるようになった。
http://anshin-kagaku.news.coocan.jp/helr7-34.htm
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140307.pdf
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181001-00010011-jisin-soci
トリチウムの危険性については、東海アマブログでも、何度も警告してきた。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-56.html
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-106.html
私が集めた資料によれば、トリチウムを国内で、大規模に放出している原発は、炉型でいえば、加圧水型であり、玄海や伊方、敦賀などが相当する。
また、韓国の古里原発より100Kほど北にある月城原発も、すべて莫大なトリチウムを放出するカンディー炉で、これを日本海に垂れ流している。日本海周辺で、もしダウン症の発症率が有意に上がっているとすれば、原因は月城原発にあるはずだ。
もし、仮に、原子力規制庁が公表しているように、フクイチに存在する高濃度トリチウム汚染水を「薄めて」=これ自体、国際原子力協定の完全な違反行為であるが=太平洋に放出するとすれば、その影響は、半減期12年、無害化まで100年以上を要する長寿命核種ゆえに、太平洋の海産物が半永久的に食べられなくなる可能性が、半端なく大きい。
このトリチウム放出の弁解を見てみると、上に述べているような有機型トリチウム(OBT)による遺伝子破壊影響や、矢ヶ崎教授の指摘する弱いベータ線によるペトカウ効果は、一切考慮されておらず、半世紀前の遅れた、未熟だった時代の知見を持ち出しているのである。
なお、トリチウムの海洋放出は、すでに六ヶ所村再処理工場と、東海村再処理工場、人形峠再処理施設、伊方、玄海原発で行われていて、私の被害データから、極めて深刻な人的被害が現れている。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-340.html
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-342.html
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-345.html
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-347.html
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-349.html
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-351.html
もし、フクイチで、日本政府=原子力規制庁の指示に従ってトリチウムを太平洋に放出するならば、太平洋周辺諸国に莫大なOBTによる遺伝子障害をもたらし、数百兆円規模の賠償義務が発生するだろうと私は予測している。