おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、2011年カーライフ業界を占う-7:顧客価値を上げる社員満足、です。
顧客価値の向上を実行するのは、社長自身であり社員である。
特に、社員のパワーはなくてはならない要素だ。
社員が目標に向かって、やる気を出して精一杯仕事ができる環境を整えるのことが、社長が行う大きな
仕事である。つまり、社員満足度を高めることが不可欠のことといえる。社員満足が、顧客価値を上げる
大きな原動力である。
社員満足を考える場合、仕事の動機づけ(モチベーション)を高めることになるが、動機づけには、
ハーズバーグの「動機づけ・衛生理論」がよく使われる。
この理論は、仕事の満足を充足させる要因と、不満を引き起こす要因は、トレードオフ(二律背反の状態・
関係)の関係にあるのではなく、衛生要因(不満要因)と動機づけ要因(行動起因要因)は
別々であるとしたものだ。
衛生要因(会社の方針、管理方法、労働環境、雇用条件(賃金・時間・身分))に対処しても、不満を少なくす
るだけであり、満足にはなりえない。
仕事の満足を導くには、動機づけ要因(仕事の達成感、責任の範囲の拡大、能力向上や自己成長、
チャレンジングな仕事)にアプローチしなくてはならないということである。
例えとして、「賃金水準が高くても仕事がキツいのは嫌だ」と社員が感じているとすると、
ハードワークという衛生要因が改善されても、その仕事の達成感であり、能力向上が改善されないと、
離職率などが改善されない、といったことになる。
もう3か月もすると昇給の月になる。売上が芳しくないからといって昇給「0」でも構わないが、
動機づけにしっかりと投資をしないと、顧客価値の向上も絵に描いた餅で終わってしまう。
昇給「0」だけど、目標を達成したら達成ボーナスを支給する、こうしたインセンティブ的な投資も、動機づけ
の一つだが、私的には「ないよりまし」程度でしかない。
何かを達成したら報酬を与えるという、外部的動機づけ要因ではなく、内部的動機づけ要因が必要だ。
人は、「自発」「成長」「目的」という3つの内的動機づけによって、やる気を起こす、とダニエル・ピンクが
述べている。私も同感だ。
例えば、初日の出が素晴らしいからと誘われていくよりも、ゼヒ見てみたいと自らの気持ちから見に行くのでは、
感動はだいぶ違うだろう。この内部動機付けが真の動機づけではないだろうか。
自発、いつまでも上司が、事細かく指示・命令するのではなく、権限や責任を現場に与え、自分たちで意志
決定ができる職務権限の委譲を積極的に進めることだ。
成長、これは職務能力を明らかにしつつ、その達成と昇給昇進が関連付けられているといった、賃金制度の構築が求まられる。
年功序列給制度から職務・職能制度の早期導入が求められる。
最後の目的は、仕事の目的が何かを自覚することだ。ルーチンワークで、毎日同じ仕事の繰り返しを、
単調に続けていたのでは、仕事の目的は見いだし難い。この一つが会社の目標にどう関わっているかを、
経営者や上司は、部下の目線で理解させることである。
また、自己啓発の目標もしっかりと持たせることも、目的の一つである。
自己啓発は、成長の原動力であり、社員教育の出発点である。自己啓発目標を満たすために、会社として
サポートするための内部・外部教育を実施すること。
こうした、内部動機を刺激する投資をどれだけできるかが、顧客価値の向上にとって、とても大事な
ファクターになる。ある意味、昇給などよりも大事なことではないだろうか。
シリーズ完
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