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2011年カーライフ業界を占う-1:業際化は何をなすべきか

2011年01月05日 | 経営・オピニオン全般

新年あけましておめでとうございます。
本年も変わらずのご愛顧よろしくお願いいたします。

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、新年に因んで、2011年カーライフ業界を占う-1:業際化は何をなすべきか、です。

今年は「卯年」、「獅子搏兎(ししはくと)」というウサギに因んだことわざがある
獅子、兎を搏(う)つ、ということで、これは、ライオンはウサギをつかまえるにも全力を出す。
やさしいことにも油断せず、全力を挙げて努力する、こと。

まさに今年を象徴するようなことわざだ。
小さな事でも、全力を挙げて取り組まないと、目指す目標は達成できない。
老舗だから、長年経営しているから、なんていう慢心が命取りになる時代。

貨物車の保有台数の減少から、今年は乗用車の保有台数も減少すると予測されている。
そのために、カーライフ業界は、こぞって「ストックビジネス=保有ビジネス」を戦略に
掲げている。

特に、新車ディーラーは、今年前半の新車需要は厳しいものがあると予想し、その対策として
車両購入客である「基盤客」から、整備需要や保険、あるいは用品など、クルマを媒体にした
あらゆる付加価値をかき集めることにヒト・モノ・カネを集中しようとしている。

いやいや集中しているのだ。
このことは、SSにも当てはまる。セルフにすることによって、今までいたポンプマンを、
営業職としてサービス需要やBP需要の取り込みに熱心である。また、中古車レンタカー
の導入により、新しい客を掴むことにも熱心である。

カーショップにおいても、用品一本の商売からサービスを中心としたトータルカーライフの提供
を標榜し、チラシに様々な品揃えを訴え、集客を図っている。

中販店は、得意の中古車販売だけではなく、たとえ利益が薄くても「新車販売」を積極化している。
これは、利益がなくても、クルマを販売することによって、保険利益、点検・車検利益が見込めることや、
代替によって、良質の下取り車を確保し、再販利益を狙ってのことだ。

整備業者も車検から、車両販売、保険、用品販売まで、幅広くトータルカーライフ商品を充実させて
いる。最近では、SSにならって中古車レンタカーを手掛け始めている。

保険プロ代理店にしても、次回の更新率を高めるために、サービスの対応力を増して、保険客への
利便性を訴求してている。当然、整備業者などから紹介マージンも入り、一石二鳥を狙っている。

つまり、どの業種も一人のお客に対して、一つの商品販売だけにとどまらず、周辺商品販売を、
生業とする業種へと変身してきている。
このことを「業界化」などと呼ぶ。別な言い方では、ボーダレスなんていう。

SS、カーショップ、新車ディーラー、保険代理店、整備工場などといった
カテゴリが意味をなさなくなっているのだ。

このことは自明のとおり「競争激化」を招くことになる。
何の競争かと言えば、顧客争奪戦だから従来のような「顧客管理」では、競争に負けてしまう。

今年、顧客管理の革新が出来なければ、生き残りというか、勝ち残りはないとう覚悟で取り組む
必要がある。ここで言う顧客管理とは、DMの発送やTELコールを確実に行うといったことではない。

そんなことは、当たり前のことであって、それ以上のことを行う必要がある。それは、「個別売上計画」
を出発点とした個別管理のことだ。バカの一つ覚えのようだが、この個別売上計画をたてることが、
本当の個客管理なのだ。

その上で、2年先の需要を確保する体制つくりが必要である。
それをしないと、クルマはあるが需要はなくなっているのだ。

何のこと、と思われると思うが、この三が日で車検の仮予約を、470台強を確保した会社がある。
実に、昨年の同時期の倍近い台数である。この会社の1.5か月分に相当する台数だ。

これは、その地域の車検需要470台強が3日間で無くなったことになる。下手をすると認証工場の
1年分にあたる車検が、たった3日間で取り込まれたことになる。

車検は、3カ月前からDMを出せば御の字。うちのお客は義理堅いから浮気なんてしない。
なんて言ってられないのだ。そう思っているのは経営者だけであって、お客は、より安くて
品質の優れた、サービスのよい整備工場を探している。

だから「先手必勝」、これに徹して、先回りしてでも需要を拾っていかなければ、目標の達成は
不可能になる。俺のところは田舎だから、都会とは違う。そうではない、田舎だから余計に保有
台数の減少幅は大きくなる。
田舎だからこそ、のんびり構えていられないのだ。

今年が、商売を続けていくのか、余力があるうちに店じまいするのかの、分かれ目になる1年に
なるのではないだろうか。


株式会社ティオ
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