途山記

埼玉県在住、地元関東を中心に歩いています。

和名倉山(二瀬ルート)

2015-11-23 | 奥秩父
2015年11月23日

和名倉山は整備されるまでは酉谷山、矢岳と並び足を踏み入れることは極めて難しい山と考えていました。
しかし、昨年秩父山岳連盟の方々が道標を設置したりと整備してくださったお陰で、今年に入ってから現在の自分でも登れる可能性があると考えるようになりました。
春から情報を集めながら計画をしていたもののなかなか行く機会が訪れず、今秋も甲武信ヶ岳と雲取山が山行候補に挙がった時点で一度は今年のリストから外しました。
しかし、今が今シーズン最後のチャンスであり、これを逃すと来年の4月頃までは訪問できないだろうと考え、登ることを決意しました。

6:30 秩父湖吊橋
8:00 旧反射板跡の展望地
8:35 森林軌道跡
8:40 造林小屋跡地 8:45
10:25 北のタル
10:40 二瀬分岐
10:55 和名倉山 11:00
11:10 二瀬分岐
11:25 北のタル 11:35
12:35 造林小屋跡地 12:40
12:45 森林軌道跡
13:10 旧反射板跡の展望地 13:20
14:25 秩父湖吊橋
所要時間:7時間55分

■天候:曇

■コース状況
埼大山寮~反射板跡地
埼大山寮の脇の狭い山道を進んで吊り橋を渡った先が和名倉山登山口です。
反射板跡地まではひたすらの登りで標高を稼ぎます。
稜線に出るまでは変わり映えのない暗い植林地帯です。
稜線に出てからは自然林が増えてきますが、展望は一切利きません。
また、稜線から反射板跡地までの区間は作業用のテープが多く混在しているので、テープよりも踏み跡を確かめながら進んだ方がいいです。
帰りは急過ぎず丁度いい傾斜で加速を付けながらチャカチャカ下れました。

反射板跡地~造林小屋跡
平坦で歩きやすいです。
登山道の中央に倒木や一ヶ所ロープがありますが、危険箇所はなく正規ルートで合っています。

造林小屋後~北のタル
スズタケよりも前に一ヶ所わかりづらい箇所がありました。
かつての難所スズタケのヤブは綺麗に刈り取られ、通行に支障はなく安全地帯です。
後半に狭い箇所とトラバース道があるが、特に危険性はありませんでした。
北のタルは上空だけ開けた草地の広いスペースです。

北のタル~和名倉山
ここからの登山道は明瞭と感じました。
北八ヶ岳を彷彿とさせる苔ゾーンが神秘的です。
二瀬分岐以降は上空が開けてきます。
再度樹林帯の登山道に進入し程なくすると、まるで稜線の通過点のような雰囲気であっけなく和名倉山に到着です。

秩父山岳連盟が道標を分岐など主要地点に多数設置して下さったおかげで非常に助かりました。
間違いなく大幅にわかりやすくなりました。
しかし、まだ熊倉山単体以上のルートファインディング技術は必要と感じます。
(熊倉山は3、4年前に一度登っただけですが、)
また、反射板跡地~造林小屋跡の平坦箇所を除けば全体的に単調に登りが続くので、アップダウンのある近くの雲取山(三峰ルート)のほうが体力面では上と感じました。


自宅から40分で埼大山寮前に到着するはずが、方向音痴な私はなぜか二瀬ダムで曲がったあと登山口を右ではなく左と勘違いしてしまい暗闇の中無駄に約30分の時間とガソリンのロスをしてしまいます。
途中急遽雲取山への変更も視野に入れました。
埼大山寮のすぐ横に駐車スペースがあります。
因みにこの車道帰りは三峰神社参拝客の往来で賑わっていました。


準備運動を終えて、登り始めに千島裕三氏の像を見ていきます。
なんとも不気味な埼大山寮の脇を通過して、春から入山を躊躇っていた和名倉山に潜入します。


ミドル級心霊スポットとして有名になった秩父湖の吊り橋が出てきます。
これも含めて和名倉山らしいです。
吊り橋から秩父湖を映してみます。


渡り終えた先を左に進み、和名倉山に登ります。
非常にありがたいことに分岐には秩父山岳連盟の方々によって設置して頂いた道標があります。
これがなかったら私では間違いなく山頂までたどり着けないです。


枝越しに秩父湖を眺めます。
その後は暫く暗い樹林帯が続きます。


稜線に出て、自然林が増えてきます。
伐採跡も目立ってきます。


ガスが酷くなってきますが、展望の利かない山でのガスは嫌いではありません。
登山道から外れたところにドラム缶が放置されています。


登り続けてようやく反射板跡地に到着です。
スコップが置いてあるが、誰か作業しているのだろうか、
反射板跡地から分岐を左に平坦な登山道を進みます。


今度はヤカンとバケツまで吊るさっています。
バケツには空き缶があります。


ここも分岐になっているが、道標の通り右が正解です。
ロープや邪魔な倒木を越えていきます。


今度はなんと、ドラム缶が登山道のど真ん中に放置されています。
この大きさなので避難小屋でないことは確かです。トロッコ跡は当時のまま車輪が放置されています。
マニアにはたまらないですね。


さらに進むとずっと平坦だったため疲労感を味わうことなく造林小屋跡に到着です。
またしてもヤカンがありました。
火を起こしていた跡があります。


登り始めると苔が出てきます。
ずっとお腹が泣いていたのでもっちもちくるみあんぱんを食べます。
私的につぶあんよりこしあんのほうが好きです。


このあたり不明瞭でルートを失い5分ロスしてしまいました。


随分と派手にやられています。
こんなに深く抉られたらと考えると……、
かつての難所スズタケのヤブはかなり歩きやすくなっています。


一気に視界が開ける雰囲気になると、真っ白で道も非常に狭いです。


スズタケのヤブゾーンを過ぎた先に張り紙があります。
二瀬から登る人は想定していないのだろうか、
休憩に適した広いスペースに出ました。
しかし、残念ながら私は直前に休憩してしまいましたので先に進みます。


トラバース道は特に危険箇所ではありませんでした。
登山道はどんどん奥深くなってきます。


そして広い北のタルに到着しました。
ここを帰りのランチスペースに決めてそのまま和名倉山まで突き進みます。
北のタルより先は苔ゾーンです。
苔好きにはたまらないですね。


バシバシ撮影が止まりません。
撮影後重複と考え消去した写真も結構多いです。
雲取山、甲武信ヶ岳にはない奥深さが和名倉山にはありました。


二瀬分岐から和名倉山へと折れます。
和名倉山にしては珍しく開けています。
しかし、ここは枝が顔にあたり痛いです。


再度樹林帯に入って進むと、突然登山道に三角点が現れ、あっけなく和名倉山(2036m)に到着しました。
展望が一切利かないことは知っていましたが、もう少し広いと思っていました。
北のタルで昼食を取るため、ここは小休止に留めます。


戻って苔ゾーンをこけない程度に楽しみ、北のタルに到着です。
昼食にするも、次第に風が吹いて寒くなってきましたので10分で撤収します。


反射板跡地で休憩後、下り始めるとカメラがないことに気付きます。
取りに戻った分5分のロスが生じたが、下山時なので下界近くで気付いたらと考えると恐ろしいです。
歩き続けて吊り橋まで来ました。
3連休の二百名山にも拘わらず終始誰とも会いませんでした。
振り返って和名倉山方面を撮影してみるも、上のほうはガスっています。


下山後の温泉は大滝温泉優湯館に向かいました。
合併で秩父市が大きく広がった恩恵を受け、私は秩父市民割引適用で¥200安く入れます。


■その他
和名倉山二瀬ルートというとよく行程が長いだけで展望がなく地味でつまらない山だという見解も見られたが、実際に登ってみると、確かに展望のある山ではないが、個人的には山頂近くまで行けば雲取山、甲武信ヶ岳とは一味違う奥深さを感じることができました。
今シーズン中に行けてよかったです。

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