途山記

埼玉県在住、地元関東を中心に歩いています。

榛名山大縦走(二ツ岳~相馬山~三ツ峰山~天目山~氷室山~杏ヶ岳~掃部ヶ岳~鬢櫛山~烏帽子ヶ岳~榛名富士)

2017-10-30 | 赤城・榛名・筑波
2017年10月30日

榛名山への訪問は今回で3回目となりますが、以前より外輪山縦走で計画していました。
今月予定していた谷川連峰馬蹄形縦走が雨で流れてしまったことから、借りを返すため奥まった位置にある杏ヶ岳を加えたルートで歩きました。
中盤以降の殆どの区間は既に昨年3月に歩いていました。

残っていた二ツ岳、相馬山は今年5月に歩きましたが、この山行も単純に未訪問の榛名山域の山を歩いてみたいからというだけでなく、既に今回の山行を見据えての下見を兼ねての歩きでした。

4:20 榛名公園ビジターセンター
4:55 ヤセオネ峠
6:00 雄岳
6:25 雌岳
7:30 ヤセオネ峠
7:55 相馬山 8:10
8:30 磨墨峠
9:10 三ツ峰山分岐
9:25 三ツ峰山
9:55 天目山
10:15 氷室山
11:05 杖ノ神峠 11:15
11:50 杏ヶ岳
12:30 杖ノ神峠
13:10 西峰
13:30 掃部ヶ岳 13:50
14:10 覗岩
15:00 鬢櫛山
15:35 烏帽子ヶ岳
16:10 榛名富士登山口
16:45 榛名富士 17:00
17:25 榛名公園ビジターセンター
所要時間:13時間05分

●天候:晴時々曇
※台風一過で、強い冬型の気圧配置となり、終日北からの寒気を伴った強風が吹き荒れました。

●コース状況
ビジターセンター~二ツ岳~ヤセオネ峠
ヤセオネ峠先にある二ツ岳、オンマ谷への舗装林道入口までは30分程の車道歩きです。
雄岳は山頂が今年中一部立入禁止区域が設けられていますが、山頂標、展望、TV中継塔周辺は全て問題なく歩けます。

ヤセオネ峠~相馬山
鉄梯子、鎖場がある岩場登りなので、足元に注意しながら登下降したいです。

相馬山~三ツ峰山
鞍部の磨墨峠に東屋があるます。
松ノ木峠で車道を横断しますが、車の往来が割と激しかったので安全を確認して横断したいです。
三ツ峰山分岐まで階段の登りで、分岐からは一部笹が凄く、地味に急登なので体力を要します。
展望も何もないのでお勧めはしません。

三ツ峰山~天目山~氷室山~天神峠
各ピーク小粒だが、階段中心にアップダウンのある区間で、意外と体力を要する区間です。

天神峠~杏ヶ岳
杖ノ神峠まではダラダラと林道歩きが継続されます。
駐車スペースとなっているが、杖ノ神林道は悪路なので車での通行はお勧めできません。
杏ヶ岳までは鷲ノ巣山以降も小ピークを越えるため、アップダウンがあり体力を奪われます。
地図には展望が良いと書かれていますが、樹林の隙間から見えるくらいなので、そこまでよろしくはありません。

杏ヶ岳~掃部ヶ岳
杖ノ神峠から西峰、登り返しの榛名山最高峰掃部ヶ岳までは笹藪の急登で大変ハードな区間です。
最後はペースダウンしてしまい、今行程でここが最もきつく感じました。

掃部ヶ岳~鬢櫛山
掃部ヶ岳からの下りは階段、鬢櫛山への登りは笹藪から始まっての樹林帯の急登。
鬢櫛山への登り込みの同様に体力を要します。

鬢櫛山~烏帽子ヶ岳
鞍部から烏帽子ヶ岳への登山道は枯れ葉が吹き溜まりとなっていて大変歩きづらく滑りやすいので注意。

烏帽子ヶ岳~榛名富士~ビジターセンター
ゆうすげ元湯近くには自販機、トイレがあります。
榛名富士への裏登山道は土が抉られている箇所やロープがあり、滑りやすいので注意。
榛名富士からは大展望が望めます。
下りで使った表参道は笹藪の間の歩かれた登山道を九十九に下る安全な区間です。


2:00 am 自宅を出発し、約2時間車を走らせ当然の貸切である榛名山ビジターセンター駐車場に着きました。
正直眠いですが、本日は途轍もなく長い1日になりそうです。
準備を整えてヘッデンとハンドライトで車道歩きから開始すると、台風こそ過ぎ去ったが、不気味に怖いくらいの強風が吹き荒れています。
まだまだ暗黒の榛名山ロープウェイ山麓の榛名高原駅。


途中居眠り歩きをしながら県道渋川松井田線を歩いてヤセオネ峠を通過。
当初は一発目に未踏の臥牛山を予定していたが、登山口がよくわからなかったので、二ツ岳へと舗装林道に入っていきます。


駐車場になっている登山口から暗黒のなか二ツ岳に侵入します。
歩いていると、次第に明るくなりヘッデン、ハンドライトから解放されて、徐々に日が昇ってきました。


ザックをデポして分岐よりまずは二ツ岳最高峰雄岳に向かいます。
夜も開けて山頂にあるTV中継塔が見えてきました。


祠と山頂標がある最高地点からの展望。


最終峰に予定している榛名山のシンボル榛名富士を捉えます。
近くに見えていますが、本日は果てしなく遠い存在であり、無事登頂できて生還できるのだろうかと不安になります。
山頂を後にしようとした時、ついに眩い日の出を迎えました。


雄岳直下を下ってから雌岳直下で再びザックをデポして登り雌岳。


雌岳から朝日を浴びて美しい景色。
右手前に今行程からは除外されてしまった水沢山と奥に裾野がとても長い赤城山。


いずれ訪問したいと思っている子持山(1枚目)と下る途中から次に向かう高低差がある相馬山(2枚目)。


朝日に彩られた綺麗な紅葉。
オンマ谷へと右折。


オンマ谷、まゆみの原経由の登山道で戻ります。
オンマ谷駐車場に着いて東屋で一息入れてから車道歩きです。


榛名湖、榛名神社の看板が見えて県道に出ます。
再びヤセオネ峠に到達して、黒髪山神社の赤鳥居を潜り次峰の相馬山に立ち向かいます。


分岐からもう一度赤鳥居を潜ってピストンで相馬山に登ります。
強烈な鎖と鉄梯子。


一気に登り込んで黒髪山神社がある相馬山(1411m)に到着。


市街地の展望。
鉄梯子を踏み外すことのないよう一歩一歩丁寧に下ります。


初ルートとなる磨墨峠方面へ歩きます。
開けたところから榛名富士。


東屋がある磨墨峠。
登山道より1分の表示だったので、磨墨岩に寄り道します。


心地良い登山道を歩き、左右を確認してから車道を横切ります。
意外と車の往来が多かったです。


昨年3月に歩いていたのでわかってはいましたが、地味に体力を奪われるアップダウンの階段地獄です。
残念ピークなのであまり行きたくはないが、三ツ峰山にも向かいます。


早速酷い藪漕ぎを強いられます。
なかなかの傾斜を登り込んで、展望も何もなく、無駄にただ来ただけの三ツ峰山。


三ツ峰山分岐まで戻ってから天目山方面へと静かで快適な登山道を歩きます。
榛名湖を眺めます。


七曲峠を通過して、階段を必死に登り込みます。


ベンチが複数置かれた天目山。
せっかく登ったのに勿体ないくらい下ります。


強烈に登り返して看板があるだけの氷室山。
榛名湖の先に榛名富士。


天神峠の石灯篭。
杖ノ神峠までまさかの3kmの表記に目を疑いました。


ただダラダラと舗装林道を歩き続け、杖ノ神峠で小休止。


杏ヶ岳までただ無駄に時間と労力を消費するために行ってきます。
鷲ノ巣山を通過。


地味な登山道を下ってから登り返します。
杏ヶ岳手前の祠がある小ピーク。


最奥にある杏ヶ岳は展望はあまりよくないので、ただ来ただけといった感じです。


杖ノ神峠まで戻ってきました。
西峰へはいきなり非常に煩い笹藪の急登で、くたばりかけます。


耳岩を通過して振り返ります。


西峰周辺まで来てようやくハイカーとすれ違うようになります。
西峰でも男性ハイカーが撮影していました。
榛名湖と外輪山。


一旦下ってからの登り返しもとてもきつく、だいぶ疲れているため歩行ペースも落ちてきて、なんとか榛名山最高峰掃部ヶ岳(1449m)に到着。
掃部ヶ岳であまりの体力の消耗にぶっ倒れます。


周囲の山々を眺めて心と身体を落ち着かせます。
何度眺めても見飽きない綺麗な榛名湖。


掃部ヶ岳名物の階段地帯を下ります。
分岐より硯岩にも立ち寄ります。


ビュースポット硯岩から望む榛名湖と榛名富士。
オレンジ屋根の吾妻荘とカラフルで綺麗な国民宿舎。


先程の分岐より榛名湖ふれあいの郷方面に行けば楽だったのに、吾妻荘方面に行ってしまいました。
国民宿舎は本当に綺麗でやはりいつか泊まってみたいと思います。


車道を少し登り上げると、風が大変強く、温度計は3℃を表示しています。
僅かな踏み跡から入っていきます。


疲れて何度か足が止まりながら登り込みます。
なんとか鬢櫛山まで来ました。



もう本当に疲れているので、ザックをデポして嫌々でも烏帽子ヶ岳へとピストンで向かいます。
烏帽子ヶ岳に着きました。
登山道は枯れ葉の吹き溜まりとなっていて何度も踏み抜きます。
もう山頂さえ踏めればなんでもいいですのですぐに戻ります。


榛名富士目指して下ると、連続する赤鳥居が見えてきました。


目の前には最終峰榛名富士が堂々と聳え立ちます。
それにしてもかなり高く見えます。
縦走中には嬉しい自販機。


完全下山後の入浴が楽しみな榛名湖温泉ゆうすげ元湯。
はっきり言ってもう榛名富士なんかどうでもいいからとっとと温泉入って帰りたいです。
既に16時を過ぎていますが、仕方なく榛名富士に登ります。


予想以上にきつい上り込みを強いられます。
ロープ、木の根と掴めるものはなんでも掴んで手も使いながら渾身の力で一歩ずつ進みます。
そしてついに榛名富士山神社がある榛名富士(1390m)に登頂成功。


夕暮れ時の風景。
2枚目の画像は序盤に登った二ツ岳(左)と相馬山(右)。


ドウダンツツジが彩る遊歩道を歩きます。
誰もいなく閑散としている榛名富士山頂駅。


山頂駅前の広場から展望広場へと移動します。


オレンジ色のなかドッシリと構える本家の富士山。
眼下の市街地と関東平野。


ロープウェイの小型ゴンドラ。
暗黒一歩手前のなかビジターセンター目指して下山します。


夕方の静かな榛名湖。
急ぎ足で駆け下り、なんとかヘッデン着用を免れて登山口に辿り着きました


登山開始時同様暗黒のなか駐車場に無事帰着しました。
究極に疲れ切ったので、すぐに榛名湖温泉ゆうすげ元湯へと車を走らせます。
待ちに待った温泉で温まりました。


ラーメンが食べたかったので、高崎市内の台湾料理福ちゃん食堂に立ち寄ります。
にんにくチャーハン、台湾味噌ラーメンのセットメニューを頂きました。


道中の詳細に関しては省きますが、時間も気にして歩いたにも拘わらずスタート、ゴールともに暗黒となり大変長い1日となりました。
結果的に臥牛山に行かなくて良かったです。
翌日はやはり筋肉痛になりました。
当日のコンディションで感じたあまりあてにはならない体力レベルですが、以前に歩いたことがある甲斐駒ケ岳、白馬三山、雲取山~飛龍山、赤岳~権現岳、奥武蔵最強ルート(武甲山~天覧山)、北武蔵最強ルート等これらを全て抜き去って、谷川連峰馬蹄形縦走と比べてもそこまで大差ないルートだと感じました。
正直大変厳しいルートです。
暫くは榛名山恐怖症になっているかもしれません。

浅間外輪山縦走

2017-10-17 | 浅間・四阿方面
2017年10月17日

当初は前日に昨年に続いての谷川連峰馬蹄形縦走を時計回りで予定していたのですが、残念なことに終日雨でした。
山行翌日は仕事なので、負担を軽減して紅葉時期に訪問したいと思っていた浅間外輪山縦走に切り替えました。
予報よりも雨が止むのが遅く、予定では雨が上がっているはずなのに雨が降り続くなかの山行開始となってしまいました。

7:20 高峰高原ビジターセンター
7:50 開けたガレ場
8:15 槍ヶ鞘
8:25 トーミの頭
8:55 湯ノ平分岐
9:20 賽ノ河原分岐
9:55 Jバンド・鋸岳 10:10
10:35 仙人岳
10:50 蛇骨岳
11:10 黒斑山
11:25 トーミの頭 11:40
12:10 高峰高原ビジターセンター
所要時間:4時間50分

●天候:雨のち曇

●コース状況
車坂峠~草すべり分岐
車坂峠より表コースと中コースに分かれます。
表コースは後半階段地帯があるので、降雨後等転倒に気を付けて歩きたいです。
槍ヶ鞘手前にある避難小屋(避雷小屋)は最低限なので休憩には不適。
中コースは一部ザレ気味なところがあるが、ほぼ問題ないと思います。
トーミの頭からはUターンするように進行方向を変えるので注意。

草すべり分岐~湯ノ平口
草すべりの下りでは登山道が狭くなるので足元に注意しながら下りたいです。
標高を下げていくとカラマツの紅葉が素晴らしいです。
湯ノ平口より浅間神社がある火山館までは片道約5分。

湯ノ平口~鋸岳
草紅葉とカラマツの紅葉を最も楽しめる区間です。
Jバンド手前は急な岩場なので注意。
Jバンドより右へ進んだ端が展望抜群の鋸岳。

鋸岳~蛇骨岳
仙人岳、蛇骨岳意外にも小ピークがあるのできつくはないが、適度なアップダウンがある区間です。
仙人岳、蛇骨岳ともにやや広めの山頂です。

蛇骨岳~トーミの頭
降雨後だった山行当日黒斑山までの区間が水溜りの連続で最も悪路でした。
途中笹が邪魔な箇所があります。


昨日、一昨日と終日雨でしたが、早朝にはようやく雨が上がり昼前には晴れてくるという予報を信じて、佐久IC下車後チェリーパークラインを車で登り上げていきます。
7時前に車坂峠に着きましたが、予報に反して雨が降り続いています。
ビジターセンターの駐車場は自分の車を含めて5、6台止まっていました。


仕方がないので浅間高原ホテルに隣接するトイレに立ち寄ってから準備します。
高速を下りてここまで上がって来てしまいましたので、車坂峠より雨が降るなかレインを着て突入です。


上りは表コースを選択して進むと、火山らしく岩が転がっている広めの山道歩きです。


早くもカラマツの紅葉です。
暫く歩いてからようやくザックカバーをしていないことに気が付きます。
頭が弱いので、雨が降り続いていることまでは気が付いていましたが、ザックカバーを被せるという行為自体を完全に忘れていました。
既に車でかなり標高を稼いだところからスタートしているので、所々開けた箇所に出ます。
しかしながら雨は止む気配がなく、完全に真白で視界不良です。


車坂峠方面を振り返ります。
高峰高原ホテルをズーム。


階段地帯を登ると、一瞬でっかいドラム缶かと思ったら避難小屋でした。


ガッスガスの槍ヶ鞘に着き、さらに歩いて中コースとの分岐を過ぎると、ガレた斜面の登り込みです。


岩々ピークのトーミの頭からは、眼下の広大なカラマツの紅葉地帯。


分岐を右折して草すべりを下ります。
一気に登山道が狭くなってくると、最近よくお会いするカモシカがまた現れました。
むこうは立ち止まったまま一向に目をそらしません。
緊迫した状態が継続されていますが、このままでは日が暮れてしまい、私は明日仕事のためいつまでも付きあっているわけにはいきませんので、少しずつ近づいていきます。
すると進行方向に下って行ってしまいました。


カモシカに一旦行動を止められてしまいましたが、再び草すべりを軽やかに下っていきます。
標高を下げていくと、紅葉した素晴らしいカラマツが視界に入ります。


進行方向に薄ら浅間山が見えてきます。
静かな雰囲気の樹林帯。


湯ノ平分岐に到達し、再訪があるかわからないので火山館にも立ち寄ってみます。


少し歩くと浅間神社と火山館。
火山館を窓から少し覗いてみるとTVが映っていて人がいる感じです。


火山館より戻ってくる時も美しい草紅葉とカラマツの紅葉についついカメラが止まりません。
先程の湯ノ平分岐から賽ノ河原分岐方面に進みます。
幻想的な樹林帯は緑と黄金色。


噴火警戒レベル2のため前掛山には行けないのでJバンド方面に進みます。
すると、カラマツの紅葉が最高に美しい空間に出ました。


一面黄金色のカラマツの紅葉に圧巻です。
目の前に広がるカラマツの紅葉と外輪山。


最後の岩場の急登で振り返ると、浅間山の釜山と前掛山がドッシリと構えています。


登り終えてJバンド。
方向を変えて奥に進み、絶景の鋸岳から正面に堂々と浅間山。


眼下の広大なカラマツの紅葉地帯とこれから歩く外輪山縦走路。


ダイナミックな岩稜歩きでは、何度も眼下の素晴らしいカラマツの紅葉地帯。


展望抜群の仙人岳を通過し、途中の小ピークで久しぶりにセルフ撮影。
雨は既に上がっていますが、防寒も兼ねてレインは着用のままです。


蛇骨岳を過ぎて、黒斑山への樹林帯は水溜りの連続で笹も煩くなります。


悪路に苦しんで黒斑山(2404m)に到着。
黒斑山まで来てようやく登山道で人に会いました。


草すべり分岐まで戻ってきて、本日2度目のトーミの頭。


帰りは中コースを選択すると、心地よい樹林帯です。
開けた箇所を過ぎると一部ザレ気味ですが、問題なく快適歩きです。


最後はショートカットでビジターセンター駐車場に着きました。
高峰高原ホテル内のこまくさの湯で温まりました。


●その他
道中見頃のカラマツの紅葉は圧巻で、今年最大級の感動を味わえました。
晴れていれば想像を絶する感動だったことでしょう。
馬蹄形断念でガッカリしていましたが、谷川とは違った紅葉で、今回訪問することができ大変満足です。
時期を変えても変えなくてもいいので再訪してみたいと思いました。
いつの日か噴火警戒レベルが引き下げられ前掛山まで訪問できる日が来るといいです。

前穂高岳~奥穂高岳

2017-10-01 | 北アルプス
2017年10月1日

本年の最大目標であった奥穂高岳の頂に登頂する機会が訪れました。
なかなか始発バスが早い日に都合が付かなかったため、数か月前からこの日のみのピンポイントで狙っていました。
天候が悪ければ大変残念ながら来年に流れてしまいますが、もともとはどちらかというと雨男に近かったのですが、今年はどうしたことかここぞという時に晴男ぶりを発揮できていて、今回も抜群の天候のなか紅葉の穂高岳山行となりました。

沢渡のバスターミナルに最も近い第3駐車場に駐車しました。
日曜深夜0時過ぎの到着で、第3駐車場は既に9割程埋まっていました。
上高地からのバスはさらに並んでいて約40分待ちでした。
※始発便は日にち、曜日によって違います。
http://www.kamikochi.or.jp/access/bus-timetable_4/

5:30 上高地バスターミナル
5:35 河童橋 5:40
5:55 岳沢登山口
7:15 岳沢小屋 7:25
9:25 紀美子平 9:35
10:05 前穂高岳
10:35 紀美子平
11:40 南稜の頭
11:55 奥穂高岳 12:10
12:20 南稜の頭
13:10 紀美子平 13:25
14:55 岳沢小屋 15:00
16:00 岳沢登山口
16:25 上高地バスターミナル
所要時間:10時間55分

●天候:晴のち曇

●コース状況
上高地~岳沢小屋
バスで上高地に到着すると、皆さん一斉にトイレに行くため上高地のトイレはすぐに列ができます。
5分程歩いて河童橋にあるトイレに立ち寄った方が幾らか空いているのでお勧めです。
明神、横尾方面へ向かうハイカーがとても多いが、岳沢登山口に行くには河童橋を渡ってホテル白樺荘の右脇を進みます。
岳沢小屋までは心地よい樹林帯。
後半になって石階段の登りで標高をあげるが、体力的にはコース上ではまだ易しい区間です。
当日標高2000mくらいから紅葉がピークを迎えていました。

岳沢小屋~前穂高岳
途中上りと下りが分かれた一方通行が転倒・滑落注意!の看板が設置されているところで合流しますが、逆側に下ってしまわないように注意。
重太郎新道は強烈な岩場の急登で、鎖場、梯子もあります。
滑りやすい岩場もあり、転倒、滑落の危険があるので足元に注意しながら気を抜かずに歩きたいです。
体力的にも大変ハードな区間です。
地図上のコースタイムは余裕を持って長めに設定されているように感じました。
紀美子平から前穂高岳も岩場の急坂なので慎重に登下降したいです。
前穂高岳へはすれ違いにも気を使う区間で渋滞が発生していました。

紀美子平~奥穂高岳
最低コル分岐点は前穂高岳への稜線との分岐なのでそのまま上り続けるのが正解です。
吊尾根も体力的には重太郎新道ほどきつくはないが、岩場が続く区間です。

前穂高岳、奥穂高岳ともに360°の大展望。


本年の最大目標に向けて前日の20時前には自宅を出発し、上信越自動車道を吉井ICから小諸ICまで走り、三才山トンネル経由約4時間でバスターミナルに最も近い沢渡第3駐車場に到着。
午前零時過ぎで既に第3駐車場はなんと9割程埋まっています。
凄いところに来てしまったみたいです。
3時間強の仮眠から目覚め、朝食を頂いてから早めにバスターミナルに向かいます。


¥2050で往復乗車券を購入。
早めの行動が功をそうし、4:40発の始発バスに無事乗車。


約30分揺られて上高地に辿り着くと、早くも大変な賑わいです。
すると、miruruさんにお声がけされて、なんとまさかの上高地で今年3度目の嬉しいバッタリ。
再会とお互いの健闘を祈り握手をします。


上高地バスターミナル近くのトイレは大行列ができていたので諦めてそのまま進むと、河童橋のトイレは数人待ちとまだ比較的空いていました。


早朝の上高地より河童橋を眺めて本当にここまで来たのだなと想います。
河童橋より望む迫力満点の穂高連峰。


河童橋を渡る人が誰もいないので、いきなり不安になりながらホテル白樺荘の右脇を進みます。
とても涼しい木道歩き。


岳沢登山口。
本日はあまりの寒さからジャンパー着用でしたが、一枚脱いで3枚で歩きます。


原生林の雰囲気がいい登山道。
岳沢トレイル⑧明神南沢の標識。
岳沢小屋まで⑩からカウントダウンで各地点に標識があります。


樹間を振り返っての展望。
地味な岳沢名所天然クーラー風穴。


さらに開けて石ゴロ地帯の見晴台。


視界に何度も入ってくる奥穂からジャンダルムを経て西穂へと続く危険な縦走路。
とても綺麗な穂高連峰の山肌。


石階段を登って素晴らしい展望。


標高2000m付近からは色付いています。
岳沢小屋が視界に入ります。


岳沢小屋では多くのハイカーさんが休憩中です。


南側の展望。
焼岳(右端)と乗鞍岳(中央)。
2枚目は焼岳をズーム。


石ゴロ地帯を歩いて望む穂高連峰の岩壁。


大迫力の景色に遥々来てよかったと思います。
焼岳、乗鞍岳方面の大展望。


赤や黄色に染まった紅葉樹林帯。
重太郎新道らしく強烈な傾斜の岩場を登ります。


長い梯子。
転落・滑落注意!の標識。
どうやら上りと下りに一方通行で分かれていましたが、一旦誤って下りのほうに下ってしまいました。
ありがたいことに途中で他のハイカーさんに教えて頂き戻ることができました。


朝日を浴びた晴天の登山道。
振り返って何度も登場してきている焼岳。


梯子と黄金色に輝く紅葉。
恐ろしい傾斜の重太郎新道。


振り返って紅葉と周囲の山々。
大変きつい重太郎新道を必死に登り上げます。


岩場で容赦なく一気に標高を上げます。


ピストンなので帰りはここを下らなければならないのかと思うと引き締まります。
鎖場はもはや石の壁です。


大変賑わっている紀美子平に着きました。
早速前穂と思いましたが、重太郎新道の急登続きで疲れたので一休みします。


皆さんと同様ザックをデポして前穂高岳に登ります。
まずは前穂高岳に到着。


大変賑わっている前穂高岳。
しかし、聞こえてくるのは日本語ではありません。
何故か大量の中国人ハイカーが密集していました。
縦長で広い前穂高岳山頂。


ようやく槍ヶ岳(1枚目)が顔を覗かせました。
360°の山頂から常念岳方面(2枚目)。


切れ落ちた西穂高岳方面へと続く縦走路(1枚目)と堂々と聳える奥穂高岳(2枚目)。


登り同様大変な渋滞になりながらなんとか紀美子平に戻り、奥穂方面へと吊尾根を歩きます。
最低コルでは岩に分岐点とペイントされていたので少々迷いましたが、進行方向を変えずにそのまま進むのが正解です。
帰りも紀美子平から歩いてくるハイカーさんに聞かれました。


眼下に涸沢小屋を見ながらの岩稜歩き。


強烈な鎖の岩場を登り上げると、奥穂高岳がだいぶ近づいてきました。


ニセピークの南稜の頭を過ぎると、奥穂高岳の山頂部がしっかり確認できました。


そして念願の奥穂高岳(3190m)に登頂成功です。
日本第3の標高で、何度も惜しいところまできていましたが、ようやく自身初の3000m越えです。
前穂高岳同様360°の大展望から北側の槍ヶ岳方面。


ズームで槍ヶ岳(1枚目)と笠ヶ岳(2枚目)。
槍ヶ岳も素晴らしいですが、今はどちらかというと槍ヶ岳よりも笠ヶ岳に訪問してみたいです。


ジャンダルム(1枚目)と焼岳(2枚目)。
アルプスにしては標高の低い焼岳は、こうしてみるとやけに小さく、かわいく見えます。


南アルプス方面と薄ら富士山(1枚目)と常念岳(2枚目)。
帰りの時間もあるので、あまり長居はできずにピストンで帰ります。


危険な鎖の急下降。
進行方向に前穂高岳。


大展望を眺めながら絶対に滑り落ちないよう緊張感を保ったまま進みます。


だいぶ静かになった紀美子平で屈指の難ルートを眺めながら小休止。


いよいよ重太郎新道を下ります。
登りでは気付かなかった雷鳥広場。


岳沢小屋目指して転倒、落石に気を付けて慎重に下ります。
岳沢パノラマからの展望。


再び紅葉地帯に突入です。
凄い急下降に自分でもよくこんなところを登って来たなと思います。


美しい紅葉ゾーンを下っていくと、足を滑らせ派手にすっ転んでしまいます。
おかげさまで両足と左腕に痛みが走ります。
強く打ち付けた左腕は翌日瘤になっていました。
高度感のある鉄梯子を絶対に転落しないように後ろ向きで慎重に下ります。


後半渋滞に巻き込まれて焦りましたが、ひとまず岳沢小屋に着きました。
少し息を整えてから上高地に下りますが、まだ4.0kmもあるのですね。


赤が綺麗な紅葉、原生林の樹林帯を歩きます。


天然クーラー風穴を通過。
緑が優しい樹林帯をどんどん下ります。


下りきって岳沢登山口。
風情ある神秘的な岳沢湿原を眺めて心を落ち着かせます。


山名パノラマ図で確認しながら先程まで歩いた穂高連峰を改めて望みます。


時間があったので上高地のおみやげ屋さんに立ち寄ってから上高地バスターミナルに戻ると、長蛇の列。
40分程並んでからの乗車です。
沢渡バスターミナルで下車して駐車場に帰着すると、駐車場の台数は5割程に減っていました。


竜島温泉せせらぎの湯に向かいます。
上高地の影響でハイカーが多く、ここでも混雑となってしまいました。


行きで使った三才山トンネルは事故のため、まさかの通行止めです。
無駄に遠回りしてコストが掛かる松本ICは候補から除外していたので、想定外の青木峠越えとなりました。
なんとか小諸ICで上信越自動車道に入り、横川SAに立ち寄ります。
鶏旨煮丼を頂いてから安全運転で帰りました。
無事自宅に帰宅した時は僅かに日付が変わっていました。


●その他
予定通り上高地からのピストンで、きっちりシャトルバス時間内に下山したかったので、時間を気にしながらの歩きとなりましたが穂高連峰と北アルプスの素晴らしい絶景を楽しみながら、強烈な登山道に苦しみながら歩きました。
沢渡での仮眠から上高地に到着すると、同じ奥武蔵ハイカーで馴染みのmiruruさんとまさかの遠い北アルプスでのバッタリに驚き、大変嬉しくなり気合いが入りました。
岳沢小屋からの重太郎新道はやはり恐ろしい傾斜の急登で、まさしく試練という感じで登り応えがある登山道でした。
道中多少のロスがありましたが、時間によっては最悪回避も検討していた前穂高岳にも登頂できたことが大変嬉しかったです。
吊尾根に入っても気が抜けない歩きが続き、奥穂高岳に登頂できたときは数年前はここに登ることなんて想像できなかったので、本当に自分が登頂したのかと感動しました。
シャトルバスの最終便よりも前に上高地に到着すると、バス待ちは長蛇の列で、40分程の待ち時間でした。
改めて上高地と穂高、槍の人気の高さに驚きました。
山頂からもガスはなく、素晴らしい日に訪問できました。
前夜出発で帰りも僅かに日付が変わってからの帰宅となり、行き帰りの運転も含めて大変疲れ切った山行で、翌日は散髪中に居眠りをこきそうになりました。