途山記

埼玉県在住、地元関東を中心に歩いています。

伊豆ヶ岳~武川岳~二子山

2017-07-19 | 奥武蔵
2017年7月19日

今回は早起きもしたくなかったし遠征の予定はなかったので地元の低山帯を歩きました。
奥武蔵の馴染みの山々の縦走でしたが、今まで二子山~武川岳、さらには伊豆ヶ岳へと歩くことは多かったものの逆はなかったので、いつもと逆に正丸駅からスタートして伊豆ヶ岳、武川岳、焼山を経て二子山と歩きました。
さすがに不向きな真夏の低山帯ということでスタートからとても暑く、大量の汗が流れ落ちました。
初めて前武川岳を経由しないオーグリ入入口から武川岳に登りましたが、前半は林道歩きで、登山道に入ると今度はとても厳しい急登になり、途中何度も足を止めて必死の登り込みでした。

8:10 正丸駅
8:30 伊豆ヶ岳登山口
9:35 伊豆ヶ岳
10:00 山伏峠
11:10 武川岳 11:20
12:00 焼山 12:10
12:40 二子山雄岳
12:45 二子山雌岳 12:50
13:40 芦ヶ久保第二駐車場
所要時間:5時間30分

●天候:晴時々曇

●コース状況
正丸駅~伊豆ヶ岳
伊豆ヶ岳へは複数登山道があるが、今回は五輪山の巻き道利用の最短ルートで歩きました。
伊豆ヶ岳直下の男坂は巨大な岩場なのでお勧めはされていません。
男坂、女坂が不安な場合は迂回路があります。

伊豆ヶ岳~武川岳
車道が通じている鞍部の山伏峠までは激下りなので転倒に気を付けたいです。
山伏峠からは今回前武川岳を経由しないオーグリ入入口からの登山道を利用しました。
カーブの頂点から左側の一般車通行不可の林道に入るので、入口を見落とさないよう注意。
オーグリ入登山口までは杉林の中の舗装、未舗装の林道歩きです。
オーグリ入登山口から武川岳山頂までは数回に分けての深刻な急登で体力を要します。

武川岳~二子山
標高を下げていくもののアップダウンがあります。
焼山への途中案内に従って林道を歩く区間があります。
焼山は展望に恵まれていて、間近に武甲山を眺めることができます。

二子山~芦ヶ久保駅
二子山からの激下りは大変滑りやすいので、特に転倒に注意。
逆に芦ヶ久保駅から二子山に登る場合は、兵ノ沢コース、浅間神社コースのどちらを選んでも深刻な急登なので体力を要します。

全体的に奥武蔵らしくアップダウンの多い登山道です。


道の駅果樹公園あしがくぼの未舗装第二駐車場は平日の朝早くなので予想通りのガラガラです。
本日は二子山にいきなり登らず道の駅のすぐ上にある芦ヶ久保駅に向かいます。


どうやら二子山付近でも熊の目撃情報があったみたいです。
この付近の山域はわりと熊が多いので注意が必要です。
切符を購入してホームに移動して電車を待ちます。


電車を利用して隣の正丸駅に移動。
朝の8時過ぎで既に猛烈な暑さとなっていました。
伊豆ヶ岳まででも4.6kmあります。


炎天下のアスファルトの登りは大変暑く、早くも大量の汗が流れ落ちます。
鈴木屋の民宿、安産地蔵尊を確認しながら歩きます。


馬頭観音堂のある登山口より正丸峠を経由しない大蔵山コースで伊豆ヶ岳を目指します。
分岐を直進して最短ルートで伊豆ヶ岳に登ります。


やがて傾斜が増してきて足元も滑りやすくなってきます。
登山道が広がってきますので、歩きやすいところを見つけて適当に登っていきます。


伊豆ヶ岳らしく岩々が目立つようになってきます。
岩々地帯からの展望。


五輪山は登らず左の巻き道を選択。
巻き道を出ると、歩いてきた方向は何故か危険×と書かれていました。


伊豆ヶ岳は固いチャートでできている山です。
今回も自己責任で男坂を選択。


巨大な岩場だが、鎖があり、足場もしっかりしています。
ただし迂回路もあります。


岩には残念ながら落書きがされていました。
男坂を登り上げてロープのかかった裏側より合流。


縦長の伊豆ヶ岳(851m)に到着。
早い時間で山頂は貸切だが、特に疲れてもいないので先に進みます。


天目指峠方面との分岐を山伏峠を目指して右折。
いつもは登りで利用していましたが、あまりの激下りに登りの深刻さを改めて感じます。


粘土質の激下りは大変滑りやすいです。
転倒しないようにと思っていた矢先に滑って尻餅をついてしまいます。
下りきって車道が通る鞍部の山伏峠。
今回は前武川岳を経由しないので、直進ではなく右折して車道歩きです。


名栗方面や奥多摩へと向かう際車で走る車道を歩きます。
カーブの頂点より左側の一般車進入禁止の林道に入ります。


伐採箇所は日が当たるので暑いです。
未舗装林道に変わるもこのルートは初めて利用しましたが、あまり面白みは感じないです。


ようやく武川岳の登山口。
いきなりの深刻な急登に体力を奪われます。


岩混じりの道標を武川岳目指して進みます。
歩き続けてようやく見慣れた山頂標が視界に入りました。


昨年11月以来の武川岳(1052m)。
山頂は貸切なのでベンチで暫し休憩。


しっかり休んでから二子山方面へと下ります。
普段は登りで歩くことが多いですが、下りで歩いてみると少し新鮮です。


案内に従い一旦林道歩きに変わり、再び山道へと復帰します。


目立たない蔦岩山の山頂標は見落としてしまっていたので、焼山への登り返しです。
焼山に到着すると、反対の二子山方面から同時に到着した御婦人2人組に荷物を軽くしたいからと嬉しいことにリンゴを頂きます。
そこまではよかったのですが、もう1人の方から残念ながら苦手なトマトまで頂いてしまいます。
顔に出ないように食べて、別れ際に笑顔でごちそうさまでしたと言いました。
暫くトマトの味が抜けませんでした、


焼山より間近に望む武甲山(1枚目)とこれから登る二子山(2枚目)。


いつも登りで苦しんでいた焼山直下を急下降してどんどん二子山との距離を詰めていきます。


二子山(雄岳)はこの時期展望はありません。
山頂標の真下にあしがくぼの氷柱形成による浅間神社コース危険の案内が落ちていました。
もう真夏なので氷柱は終わっているはずだが忘れられているのだろうか。


二子山(雌岳)で小休止してから本日は初めて二子山を下山します。
CTがやや短い兵ノ沢コースで下山します。


直下は大変滑りやすいロープの急坂。
気持ちのいい登山道でどんどん標高を下げます。


兵ノ沢を通過して、さらに下り続けていくと車や電車の音が聞こえてきて、下界の建物が視界に入りました。


最後にトンネルを潜り抜け、道の駅果樹公園第二駐車場に着きました。


暫く道の駅でゆっくりしてから新木鉱泉に向かいます。
予想通りの貸切で大量の汗を洗い流しました。


●その他
焼山でお会いしたご婦人ハイカーさん2人組とはお話をして、美味しいリンゴと苦手なトマトまで頂きました。
笑顔でお礼を言いましたが、
トマトはとても深刻でした、
夏山は危険であることを改めて考えさせられました。

甲斐駒ケ岳(黒戸尾根)

2017-07-10 | 南アルプス
2017年7月10日

表参道黒戸尾根での甲斐駒ケ岳は本年登頂したい山のベスト3に入っていました。
山行前日寝床に着いてからもなかなか寝付けず、実質仮眠2時間程度という状態での深夜1時自宅出発の強行登山でした。

4:20 尾白川渓谷駐車場
4:30 竹宇駒ケ岳神社
5:45 笹の平分岐 5:50
6:55 刃渡り
7:10 刀利天狗
7:45 五合目小屋跡 7:50
8:30 七丈小屋 8:35
9:15 八合目御来迎場 9:20
10:15 甲斐駒ケ岳 10:40
11:30 八合目御来迎場
12:05 七丈小屋 12:10
12:40 五合目小屋跡
13:15 刀利天狗 13:20
13:30 刃渡り
14:10 笹の平分岐 14:15
15:25 尾白川渓谷駐車場
所要時間:11時間5分

■天候:晴のち曇

■コース状況
駐車場~刃渡り
長々と樹林帯の登りが続きます。
登りでも嫌になるほど長いですが、下りもなかなか終わりが見えてこないので、膝への負担が掛かりメンタル面も厳しく感じます。

刃渡り~五号目小屋跡
刃渡りは危険箇所と記されていますが、区間が短く個人的には特に危険は感じませんでした。
左右が切れ落ちているため、展望は開けています。
黒戸山を巻きながら登ってから一旦下ると五合目小屋跡です。

五合目小屋跡~七丈小屋
五合目小屋跡からは鎖場、梯子で一気に高度を上げます。
特に下りでは慎重な下降で転落に注意したいです。

七丈小屋~八合目御来迎場
途中からようやく森林限界に突入してもう一登りすると八合目御来迎場です。

八合目御来迎場~甲斐駒ケ岳
修行の参道らしく鎖場、岩場、ザレの連続する急登で、体力を要することは勿論、最後まで足元にも注意しながら登りたいです。


昨晩は寝付きが悪く実質仮眠約2時間でした。
埼玉県より深夜の下道を雁坂トンネル経由で2時間半程走っただろうか、道の駅白州に立ち寄ります。
車中泊含めて数台の車が止まっていて、登山使用の方とも挨拶を交わします。
コンビニ弁当を無理矢理頂いて、トイレでコンディションを整えてから、竹宇駒ケ岳神社市営の尾白川渓谷駐車場に移動します。


4時過ぎに駐車場に到着すると、真っ暗のなか既に複数のハイカーさんが準備を始めていました。
準備を整えていると、なんと嬉しいことにヤマレコのirohaさんに声をかけられます。
まだ暗かったですが、一足先に長い長い黒戸尾根の登山開始です。


当然まだ閉まっている売店尾白の前を歩いて、竹宇駒ケ岳神社で無事帰着できるよう祈って参拝します。


定員5名の揺れる吊り橋を渡って登山口に向かいます。
樹林帯に入って本格的に登山開始。


尾白川渓谷との分岐を黒戸尾根方面に進んで、九十九に登ります。


祠が現れ幾らか傾斜も緩み、原生林の雰囲気がいい登山道を歩きます。


早くもだいぶ長く感じながら笹の平分岐に着きました。
複数のハイカーに呆気なく抜かれていきます。
早朝の馬蹄形同様やはり日帰りで黒戸尾根を歩く人も明らかにレベルが違います。
無理して付いていってたら最後までもたないのでマイペースを心がけてゆっくり歩きます。


石碑のある小広場を過ぎて、再び傾斜が出てきて暫く登り込みます。


途中の展望地より昨年青木鉱泉起点の周回で登頂した鳳凰三山を捉えます。
シンボルの鋭いオベリスクをズーム。


深刻な急登を必死に登り上げると刃渡りに突入です。


後方は雲に覆われて雲海になっていました。
進行方向左手に鳳凰三山。


一輪だけ咲いていたシャクナゲ。
呆気なく刃渡りを通過するとようやく梯子が現れます。


祠が祀られている刀利天狗に到達です。
その後も長い樹林帯歩きを継続させます。


往路なのに勿体ないくらい下って五合目小屋跡。


すぐ下の鞍部まで下ります。
石碑、石仏がある祠。


垂直梯子を登り上げ、木道を渡ります。


黒戸尾根らしく剣が置かれています。
修行の参道は休まることなく垂直梯子で急激に高度を上げます。


ようやく七丈小屋が見えました。
ガリガリ君は売り切れみたいです。
ジュース、アルコール類も販売していました。


七丈第二小屋から梯子を登り、すぐ上の岩場の隙間の日陰で堪らず小休止。
何度も登場してきている鳳凰三山を視界に捉えて気合いを入れます。


ウラジロヨウラク(1枚目)とイワカガミ(2枚目)。


七丈第二小屋上のテン場。
広いのでここで休憩すればよかったです。
長すぎる樹林帯が終わりを告げてようやく森林限界です。


八合目御来迎場に到着すると、甲斐駒ケ岳山頂方面が見えてきます。


足場がしっかりと付けられた岩場は鎖を使いながら登ります。
岩場主体の体力を要する登り込みに苦しみます。


2本の剣が天に向かって刺さっています。
酸素が薄くなったことを感じ始めましたが、少し休んでから山頂は目の前なので精神を集中させて気力で乗り切ろうと立ち上がり数歩歩き始めますが、全く駄目で頭がクラクラしてきます。
しかたないので、酸素スプレーを使用してから最後の登り込みです。


山頂手前の駒ケ岳神社本社。
山頂部をしっかりと確認。


トラバース気味のザレを通過して北沢峠からの登山道と合流。


そして甲斐駒ケ岳(2967m)に登頂成功。
山頂を踏んだ瞬間、自然と感動しました。
甲斐駒ケ岳のシンボルである石の祠。


時間的なのか山頂部は黒戸尾根ハイカーのほうが多かったです。
道中抜かされた福井からお越しのペアハイカーさん、同じ埼玉県のベテランハイカーさんと話し込みます。
仙丈ケ岳を捉えます。


山頂で何か食べようかと思ったが食べる気にならないので、ゼリーを少し頂きます。
鋸岳方面は危険看板が出ていました。
雲の隙間から国内最高峰富士山を眺めてから下山します。


花崗岩やザレのトラバース道を転倒しないよう丁寧に戻ります。
高度感があるので一歩一歩慎重に下ります。


ハクサンイチゲ(1枚目)とキバナノコマノツメ(2枚目)。


眠くても疲れても集中力を切らさないよう鎖場を下ります。
七丈小屋上の広くなっているテン場で小休止してから下ります。


激下りの連続によくこのルートを登り込んできたなと自分でも思います。
鎖場、垂直梯子を丁寧に下ります。


五合目小屋跡を通過して刀利天狗で小休止。


刃渡りより望む眼下の街並み。


無駄にとても長い樹林帯の下りではメンタルの強さも要求されます。
ようやく笹の平分岐。


その後も終わりが見えてこない長すぎる下りを歩いてなんとか吊り橋まで来ました。
静かに沢を眺めて気持ちを落ち着かせます。


皇太子の登頂記念碑が立てられている尾白荘。
なんとか甲斐駒ケ岳黒戸尾根ピストンを終えて無事下山しました。


11時間以上の行程となった黒戸尾根はとても疲れたので、近くの尾白の湯でゆっくりと汗を流しました。
ここでもirohaさんにお会いしました。
結局帰りも高速を使っても15分程度しか短縮できないので、下道で居眠りしないよう気を付けて帰りました。


■その他
本年は昨年に比べてロング山行が減っていたことと、最近はなかなか休日が安定せず山行自体も少なめになっていたことから無事登頂を達成して帰ってこれるのかと思っていました。
やはり往路の山頂まででも果てしなく長く感じ、各地点で現在地と山頂までのCTを確認する度に理解に苦しみ頭がおかしくなりました。
やっとの思いで甲斐駒ケ岳山頂に辿り着いた時は、感動とともに今回のコンディションでは馬蹄形よりもきついのでは、とさえ思いました。
復路も無駄に長いといった感じで、疲れ切った状態で下山しました。
最終的な体力レベルの判断では谷川連峰馬蹄形縦走には劣りますが非常に体力を要するルートで、翌日以降は酷い筋肉痛に襲われ特に階段の上り下りでは息が止まりそうなほどきつかったです。