2016年10月「鳥取車中泊の旅」の初日、道の駅・清流茶屋 かわはらで見つけた1枚のポスター。阿吽の狛犬の間には 「没後150年記念 川六展 因州が誇る幕末の名石工」
幕末の因幡国気多郡を中心に、優れた石造作品を制作した『石工・川六』。因幡国気多郡北河原村(青谷町北河原)の住民で、本名を『尾崎六郎兵衛』。生年は不明ですが、没年は「北河原中興寺過去帳」によると元治2年(1865)12月11日。戒名『鑿巌良巧信士』。諡られた文字からも彼が名石工であったことが偲ばれます。
私たちがこの名石工の名前を知ったのは2011年の事。翌2012年、鳥取車中泊の旅では、『石工・川六』の狛犬を訪ねて、幾つかの神社を参拝しました。名工が生み出した狛犬を奉納した神社が距離的にさほど遠くない鳥取に、しかもほぼ同じような地域に十数社もある・・狛犬に目が無いご亭主殿が、それを知っていつまでも待つなんて、まずもって有り得ません(笑)
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鳥取市青谷町夏泊に鎮座される「夏泊(なつどまり)神社」。御祭神は『事代主神』。元「恵比須社」と称し、夏泊地区の氏神として崇敬されています。
創建は不詳、明治元年(1868)に「潮津神社」との合併の指導がありましたが、氏子であった漁業関係者の反対により合併はなされず、その後、現在の名称となりました。『事代主神』は『恵比須』と同一視される海の神様。漁師さん達の反対は、漁師の娘だった私にはとてもよ~~くわかります。
社殿真横に接して建立された鳥居は、「石工・川六 弘化四年(1847)六月建立」。せり出した岩場の僅かな敷地の中、まるで両手を広げて社殿全体を守るように設置されています。
鳥居から見える青い屋根の社殿が御本殿、右手前に僅かに見える赤い屋根が拝殿。漁師たちは船上からこの社を拝し、海の上の安全と大漁を願って沖に出る、お社はそれを見守って今日まで引き継がれてきました。
拝殿前左右より神域を守護されるのは、『石工・川六』天保十年(1839)九月建立」の狛犬さん一対。川六独特の柔和な顔立ちが参拝者をねぎらってくれます。
冒頭のポスターの真似をして正面から 何しろ『名工・川六』ですから(^▽^)/
鳥居脇に鎮座されていた二つの摂社、場所的に見て一方は金毘羅神社。もう一方は稲荷伸ではないかと想像します。が、あくまでも想像なので確証はありません。
拝殿から眼前に広がる夏泊の海を見守る狛犬さん。
船を下りた漁師たちはそんな狛犬さんに無時の帰宅を報告し、我が家に続く坂道を登ります。
参拝日:2012年4月18日
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