マクロ経済そして自然環境

経済的諸問題及び自然環境問題に感想、意見を書く事です。基本はどうしたら住みやすくなるかです。皆さんのご意見歓迎です。

年貢にも累進税があった?!! 日本に於ける累進税の歴史と伝統

2011-04-28 09:12:17 | 税、財政

 一体何の事かと思われる方が殆どと思いますが、税の事は多くの人にとっては必ずしもよく分かっている事ではないと思いますが、一般に日本では国税と地方税と分かれており、国税である所得税が”累進税”(所得が増えるに付き税率が上がる)になっている事は知られている事と思います。

しかしながらその”累進制”がいつごろから始まったかについてはご存じない方も多いと思われます。その歴史的経過についてはやや概略的に投稿者は別サイトにアップロードしていますので概略についてはそれをご覧ください。http://blogs.yahoo.co.jp/tetuzi191955/950357.html

 (上記記事は昨年6月のものです)

 

 

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 そこで税制は歴史的には封建制である江戸維持代と明治で大きく変わり、明治20年の所得税の導入時が現代の累進制の始まりとされていますが、しかしながら投稿者がネット内を調べた結果、江戸時代の年貢の徴収にも累進制が一定導入されていたのではないかと言う事を示すページを発見しました。これは岩手県の遠野市が社会科の副読本として作ったものと言う事でしたがその中の”農民の負担”という所にその数字が載っています

このなかでは或る集落16戸の年貢の実効税率が載っている物です。
それは18%から62%まで実負担が 累進税率的に異負担としている事が明らかにされている物です
。(”農民の負担”の記事参照)(注;尚、この部分掲示元確認では仮説に留まると思われます。2016.7.2 ) 

 

 

なぜそうなるかと言えば

 これは、一般的に、教科書等では、江戸時代の農民の年貢が6公4民、または5公5民、として、農民が其の半分を(5公5民の場合)領主に対して負担するというものでした。
しかいながら教科書等でも述べられているように、当時の年貢は”村請”とされ、領主が直接個々の農民から徴収するわけではなく、村にそれを集める負担を課し、定められた村役人が決められた量を集めて領主に出す。というものであった訳です。
そこで問題になるのは農民の個々の貧富の差の問題です。例えば10戸の集落で2戸が、極めて貧困であり、50%の納付はとても不可能である という場合、10戸の中の些かでも富裕の農家が例えば60%負担する(そうしなければ、最貧困の2戸は生存不可能となる 五人組等もあり連帯責任も問われる)ということで、これはその集落の中で事実上”累進税制”になる という結果になるのでは という事です。
この事は一般の論文等で直接扱ったものは投稿者も未見でありますが、この遠野市のHPを作った方は或る意味、近代日本史上の新たな発見者である事は確かではないかと投稿者は思うわけです
(但し、これは調整がうまくいった場合であり、不調の場合は”村方騒動”等になったと思われます)(尚、これは徴税実務経験のある知人のX氏の見解です)
(上記ブログ再掲 )
 
 原資料は1816年のものではありますがこれはおそらくはその時点で始まったものではなく一定遡るものと思われ、(江戸期になり1643年に”田畑永代売買の禁令”等だされましたが、農民の分化がすすんだといわれ、そういう意味では各地の町村史等に当たって見なければ確定的なことは言えませんが
上記がもし確認されれば日本においては累進税は300年近く、あるいはそれ以上の歴史を持っている可能性があると言う事です。
 
  
  
 昨今の復興財源論や赤字国債の克服の為の財源として未だに消費税の値上げを言い、所得税について何ら触れない方も多く見受けられますが
消費税増税は
①不況につながり、又
②中小企業にとっては転嫁の問題(売上に消費税分を載せきれない)から言って第二法人税的なものになります。最近でも有ったように高額所得者の多額の義援金寄付にも見られるようにその力を貸していただくよう願いたいと思うところであります。
 
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 尚、市町村民税は、昭和25年の改正で現在の元の形の市町村民税が決められ、(尚、当時、法文上は比例税率も選択できましたが、当時の自治庁担当者(自治庁財政課奥野誠亮他2名自治庁職員著)の書いた解説(新地方税法解説:S25.8.5時事通信社発行で、事実上、自治庁の準公式見解)によれば、
”比例税率は大衆負担を著しくする懼れがある”p94とされています。)
 
 それがその後の累進税の元であり、昭和後半まで13段階(道府県民税を入れると14段階)の累進制であったものが今は一律比例税率になっており
 
 
 市町村民税だけで言うなら昭和62年度まで2.5%~14%の13段階ありましたが現在は一律4%であり、これは50年余の間の中でと言うより、ここ十数年で政府の”見解”がひっくり返ったというべきでしょう。
 
 道府県民税6%をたすと10%一律比例であり、
これは細かく言うなら財源譲渡等ありますがやはり全体としては高額所得者に大幅減税、其の分を庶民層に被せたという事でしょうか。
またこれが庶民層の重税感の元になっていると言うべきでしょう。 
(”市町村民税”は固定資産税と並んで市町村の主要税源となっているものです)
参照:地方財政の現状と其の運営の実態  地方財務協会
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