マクロ経済そして自然環境

経済的諸問題及び自然環境問題に感想、意見を書く事です。基本はどうしたら住みやすくなるかです。皆さんのご意見歓迎です。

”アベノリスク”方針転換は今のうち。”リフレ論”の誤謬

2013-05-28 13:09:50 | 経済

23日以来の株式市場の変動はやはり”アベノリスク”方針の持つ危険性を露にした物である。所謂”リフレ派”とされる方々が金融市場に大量の資金を流し込む事により ①物価上昇→消費拡大→景気の回復と言うような筋書きを示しているわけでは有りますが、日本で株を持っているのは国民の10%足らずであり、(しかも保有は100万~300万円が多いとされる)しかもそれをうり逃げする事により、利益確保をし”支出”しなければ消費拡大にはならない。したがってそれがこの国の個人消費の全体を直接的に押し上げるのは論的根拠が些かというより大分怪しい物であるとしか言いようが無い物である。

 

また前にも書いたが ②大量の資金流入→物価上昇と言う筋書きも悪い意味での貨幣数量説的思考でありいくら銀行に資金を流しても個人消費拡大の前提無しにはその先の投資には繋がる保証は無く、従ってこれまで白川総裁がやってきて恐らくは十分認識しているようにそのルートは効果は望めないと言うべきでありましょう(現在の物価上昇が円安からくる物価上昇であることは多くの人の認める所でありましょう)

 

26日に都内で黒田総裁の講演では金利が3%上昇しても”経済・物価情勢の改善を伴えば貸し出しの増加や利ざやの改善、物価の上昇などにより金融機関の収益にプラスの影響が及ぶため金融システムが不安定化する懸念は大きくない”とし

 また他方”経済状況が改善しない中で財政懸念が強まる事を背景に金利が上昇する場合は、貸し出しの増加や利ざやの改善と言ったプラスの効果が見込めないことから金融機関には債券評価損という負の影響が強く出る事になる”と語ったとされ(26日:Bloomberg)

 

 

 之については上記述べましたように③内需の主力である国内の個人消費拡大の道筋が描けない現在(と言うよりも来年以降の消費税増税、さらに社会保障削減等々により一般国民の消費拡大の方向性は全く方向性がないというべきでありましょう)と言う意味では黒田総裁も認識しているように後半のルートをたどる可能性が高いと言うより恐らく全くその方向に行くでありましょう。(④前半に於いても総裁自身の中で3%上昇を認めるような発言でありますがそれは財政再建からみるなら年間利息30兆円の道でありとても容認するわけには行かないでありましょう、さらにその金利上昇は貸出金利の上昇となり景気に対して悪影響がある)

 

そもそも論においても”リフレ派”は大量の資金流入→物価上昇→資産価格上昇→個人消費拡大→景気回復というコースを描いていますが前にも書きましたが ⑤物価上昇→資産価格上昇という場合の”資産”のなかで株式、不動産と債券は物価上昇に対し逆の動きをするわけでありそういう意味では現在の”大量資金流入”の方針では先行き”逆期待”から債券価格が下落(金利上昇)するのは当たり前であり先般黒田総裁も述べましたが市場で国債を幾ら購入しても価格の下落を押さえ込む事はやはり難しく①~⑤を見ても明らかですが、そこから市場全般の脆弱性がでているのが現在の状況でありそういう意味では”アベノリスク”、”リフレ理論”そのものの論的誤謬は殆ど明らかであり景気回復を目指すのであれば、海外に依存しない国内個人消費の拡大から進める実態経済の安定等オーソドックスな道を目指すべきでありましょう。

 

 

 

 

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