tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

森と水の源流館が20周年、かわかみ源流ツーリズムの新事務所もオープン!(2022 Topic)

2022年08月23日 | 環境問題
今年(2022年)は、森と水の源流館(奈良県吉野郡川上村宮の平)を運営する財団法人「吉野川紀の川源流物語」が2002年(平成14年)に設立されて20周年の記念すべき年、7月には「かわかみ源流ツーリズム」の新事務所(同村商工会館1階)もオープンした。
※トップ写真は、毎日新聞の記事サイト(8/17付)から拝借、中央は栗山村長

「広報かわかみ」(2022年8月号)の「村長コラム」に栗山忠昭村長は、こんな文章を寄せていた(一部抜粋)。タイトルは「さらに、前へ」だ。

また一歩、大きな課題に向かって踏み出しました。「源流を保全し、あらゆる地域資源を利活用して村と住民が力を合わせ、地域経済に繋げよう」とする、かわかみ源流ツーリズムの活動拠点施設が先月の18日「海の日」にオープンしました。この日は、奈良県が定めた「山の日、川の日」でもあり、この節目に同施設が開業出来たこと、感慨深いものがあります。ましてや今年は「森と水の源流館」がオープンして20周年。期待が膨らむのも当然のことであります。 

さらに、同施設にはもう一つ大事な使命があります。移住定住事業・川上ing作戦の相談窓口業務であります。「訪れた方々に、村の魅力を親切丁寧に伝えてもらいたい」ものです。この施設が、源流を愛する人たちの心を寄せ、村のすべてを情報発信する基地の役割を果たすとともに、川上宣言にある「子どもたちが、自然の生命の躍動にすなおに感動できる場をつくること、自然とのつきあいが、地球環境に対する人類の働きかけのすばらしい見本になるよう努めること」を強く願っています。


広報かわかみの「源流ツーリズムスタッフ紹介」には、旧知の尾上忠大さん、佐藤充(あつし)さん、伊藤愛さん、西久保智宏さんなどが文章を寄せているが、目を引いたのが堺市から移住された佐藤充さん(かわかみ源流ツーリズム事務局長)のこんなくだりである(一部抜粋)。

水道水が美味しくないのでペットボトルで水を買う。見かける動物や鳥は数種類。夜空は明るく、数えるほどしか星も見えない。そんな地域から東川(うのかわ=川上村)に移住して、8年の日々が過ぎました。美味しい水、清浄な空気、魚の棲む川。野生の動物を見かけたり、野鳥の(やかましい)声で目覚めたり、家族が食べるぐらいの季節の野菜を自分で育てたりする暮らし方こそが正しく、人が住むべき場所と感じています。

また広報かわかみには、同村大滝在住で奈良まほろばソムリエの会会員・前田景子さん(村内で唯一の「奈良まほろばソムリエ」有資格者)の「万緑を縫って一輌電車来る」という俳句が「特選」に選ばれていた、おめでとうございます!

村長コラムにあった「川上宣言」は、早稲田大学名誉教授の宮口侗廸(みやぐち・としみち)氏が約30年前に起草されたもので、そのことを同氏は「全国市町村会」のコラムに紹介されていた(一部抜粋)。タイトルは「森と水の源流館の20周年を祝して―奈良県川上村―」だ。

30年近く前、旧国土庁の上下流交流に関する会議で川上村を訪れた筆者は、心ある職員から、ダム建設を受け入れて工事が進行している今、水源地の環境を守る村づくりを進めるための決意表明をしたいという相談を受けた。その時筆者は、思いつくままに5か条の宣言文を書かせてもらったが、村がそれをそのまま川上宣言として平成8年に東京から世間にアピールしたことは驚きであり、もちろん嬉しくもあった。

その内容は、きれいな水を流し、自然と一体となった産業を育み、外部の人にも自然に触れあってもらう仕組みをつくり、子供たちが生命の躍動に感動できる場をつくり、地球環境への人類の働きかけの見本になるという5か条である。その後川上村は水源地の村づくりに本格的に着手し、吉野川の源流の天然林を村有林として水源地の森と名付け、平成14(2002)年に、専属スタッフを公募し、ビジターセンターにあたる森と水の源流館をオープンさせた。


新聞各紙も川上村の様々な活動を紹介している。驚いたのが〈環境保全、考えよう 川上で「トヨタソーシャルフェス」 河川ごみを調査〉という奈良新聞の記事(8/21付)で、調査結果が森と水の源流館のHP(PDF)に出ていた。それが末尾の画像である。なんと、生ゴミが特大サイズ(おそらく90リットル)ゴミ袋8袋、ペットボトル20個、空き缶1袋+50個、バーベキュー網29枚、空き瓶約20本、カップ50個…。中にはマット1枚、タープ(小型テント)1つ!などというものもある。

奈良新聞には森と水の源流館の職員が〈ごみが捨てられることで生物や土壌に悪影響があることを説明し「自分ごととして考えてもらいたい」と呼び掛けた〉とあったが、こんなことをする大人を子どもたちも見ていたとすれば、教育上の悪影響は計り知れない。

コロナ前、私は3ヵ月に1回、ホテル杉の湯で村民などを対象に、講演会を開いていた(計22回開催)。足止めを食ってもう2年半になるが、久々にふらりと村を訪ねたいものだ。






奈良新聞(2022.8.21付)


奈良新聞(2022.8.22付)


毎日新聞(2022.8.17付)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする