tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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中国産「割り箸」がなくなる日

2006年05月21日 | 日々是雑感
こんな記事を読んだ。中国が「割りばしを生産制限 弁当業界などが影響」という毎日新聞の記事だ。

私が読んだのは5/17付大阪本社版の記事だが、ネット版のニュースが5/9付で出ていたと後で知った。無料のネットニュースが有料の新聞より早く出ていたとは、初の経験だった。
※MSN毎日インタラクティブ(5/9付)http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060509k0000e040060000c.html

記事によれば割り箸は「使い捨ての代表格として、国内で年間約250膳が消費される」。その9割超が中国産だが、今年3月「中国政府は『森林保護』を理由に割りばしの原木伐採を制限し、将来的には輸出も禁止するとの方針を法案に盛り込んだ」という。

割り箸の「国内の2大産地は北海道と奈良。高級品主体の奈良は今も命脈を保っているが、中国産と競合した北海道は壊滅的な状況だ」という。

なお奈良県産(主産地は吉野郡下市町)の割り箸は、吉野杉の製材過程で排出される端材を集め、手で削っで作るもので、いわば環境に優しい「再利用製品」だ。私も家でよく吉野杉箸を使うが、決して使い捨てせず、洗って何度も使用している。

今も京都などの一流料亭では、吉野杉の割り箸しか出さない。逆に吉野杉箸を出す料亭や料理店は、一流店だとも言える。この辺の経緯を私は以前、インターネット新聞に書いたことがある。
※「割り箸鑑定団」http://www.janjan.jp/business/0404/0404082947/1.php

一方中国製の割り箸は、白樺などの木を伐採し、大根の桂剥き(かつらむき)のようにくるくる回して薄く削ぎ、タテに刻んだもので、明らかに森林資源を費消している。森林乱伐で洪水や砂漠化が進む中国が禁止をいうのも、当然だろう。

それにしても、日本で年間約250億膳消費とは、やはり異常だ。赤ん坊を除くほぼ日本人の全員が、ウイークデーの毎日、割り箸を1膳使い捨てていることになる。

スーパーのレジ袋同様、割り箸が有料になる日が来れば良い。それで日本人の使い捨て志向が改まって環境保全意識が高まり、中国に緑が増えて黄砂の飛来が減るのであれば、喜ばしい限りだ。

※写真は、日本料理店「萬佳」(ばんか・奈良パークホテル内)の万葉弁当。
 吉野杉の8寸柾天削(まさてんそげ)箸が出てきた(04.8.19撮影)。
コメント
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