tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

法華寺おりおり(6)藤

2006年05月03日 | 写真
藤(フジ)

マメ科フジ属。古来、日本人に愛され、万葉集には藤を詠んだ歌が27首も登場する。薄紫または白い花を房状に垂れ下げて咲く。蔓(つる)が樹木に巻きつくので山林では雑草として刈り取られることが多いが、最近では手入れの行き届かない山林が増えたためこの花をよく見かけるのというのは、平成の世の皮肉な現象である。…

奈良市内に藤が多いのは「藤原氏」との縁ではないかといわれるが、中でも人気No.1は、藤原氏の氏神を祭る春日大社(奈良市)の「砂ずりの藤」だ。花房は約2mもある。4月の寒さで開花が遅れているが、まもなく見頃を迎えよう。

「藤波の花は盛りになりにけり 平城の京(ならのみやこ)を思ほすや君」
(長官!今頃奈良の都では藤の花がきれいでしょうね。さぞお帰りになりたいでしょう)

これは防人司祐(さきもりつかさのすけ)・大伴四綱(よつな)の歌である(万葉集3-330)。遠い九州の任地で都の藤を思うというのは、つらいものがあったろう。

※写真は法華寺(奈良市法華寺中町)東庭園。藤棚に白と薄紫の藤が咲き始めていた。もとは藤原不比等の邸宅だったというこのお寺に藤が植えられているのも、藤原氏との縁かも。この日(4/29)は甘い香りに誘われて、たくさんのハナムグリ(花潜り)たちが、文字どおり花に潜って蜜を吸っていた。
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