tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

ハナミズキが満開

2006年05月12日 | 日々是雑感
今、ハナミズキが満開だ。写真は、けいはんな記念公園(京都府精華町 5/3)だが、奈良市内の舗道や、明日香村の民家の庭や、郷里(和歌山県九度山町)の街路でも、ピンクや白の美しい花を咲かせている。桜と同じく青空をバックにするととても映える。

この花をあちこちで見かけるようになったのは数年前で、一青窈の歌がヒットするよりずっと以前からだ。

1912年、東京市長(尾崎行雄)が日米親善のためアメリカにソメイヨシノの苗木を贈り、その返礼として1915(大正4)年にアメリカから贈られたという話はよく知られているが、すでに明治中期には日本に入ってきていたそうだ。日本のヤマボウシ(山法師)と同じくミズキ科の落葉樹で「アメリカ山法師」とも呼ばれるが、米国産の方がずっとゴージャスだ。

桜が散った後で花が咲き20日間ほど保つ、秋の紅葉が鮮やかで赤い実もつける、成長が遅く自らの力で樹形を整えるから手入れの必要がない、洋風の建築とよくマッチする、などの理由で近年急速に普及したようだ。

図鑑を読んでいて発見したのだが、ピンクや白の大きな花びら(花弁)に見えるのは包葉だそうだ。花弁はその中心部だけ。どうりで花がぶ厚くて、日保ちもするはずだ。

だが私はまだこの木に、すんなりとは馴染めないでいる。マンションの庭や高速道路の路肩ならまだしも、猿沢池や平城宮跡や飛鳥寺の周囲では、あまり目にしたくないな、というのが正直な気持ちだ。

ともあれ、この木が新しい日本の景観を形成しつつあることは間違いない。いずれ、ハナミズキがなかったら「春の心はのどけからまし」(のどかだったろうに)という時代になるかも知れない。
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