藤森照幸的「心」(アスベスト被害者石州街道わび住い)

アスベスト被害者の日々を記録。石綿健康管理手帳の取得協力の為のブログ。

深山 霞の「霞的心」   「ヒューマンエラー」

2013-11-29 10:08:47 | 社会・経済

 北海道「椴法華村」の、かわぐち えいこう氏のブログに掲載された写真を見て、疑問な点を記事にした所、氏からコメントをいただいた。 今一度写真を見直して「どっき」。 大きな間違いに気付いた。 私は錯覚を起こしていたのである。 概ね記事の内容は問題ないが、記事を書く前提が間違っていた。 

 北海道は冬季気温が低い為に、公共工事の工期は十一月の末が常識であった。 何故ならば、コンクリートが固化する最低温度を保つ為には、北海道では冬季の公共事業や、建設事業は行われないという、私の古い知識といま一つ、写真がいとも簡単に写せるような仕切りの中で行われており、地域住民に対する安全防護策がなされていなかったからである。 この工事は最終段階を迎えて、現場片付けと呼ばれる状態なのであろうと思ったのである。 思い込みとは恐ろしい物である。 そこに「ヒューマンエラー」が発生し、重大事故を引き起こす元と成るのだ。今一度写真を見直すと、

Photo 構造物の上部から幾本ものロープが下がっている。 このロープは作業員を支える為の物で、この升目上の中の作業を今後行っていくはずだ。 その作業を支援する為に、レッカー車が常駐している。

この工事現場は、住民の日常生活に欠かせない幹線道路であろう。 おそらく「通行止め」にして行えば安全であるが、其れが出来ないので、「片側交互通行」という、方法をとって工事されているように見える。 だからこそ、えいこう氏はこの写真を写せたといえる。 元来軟弱地盤地帯での工事は、こうした「オープン工法」で行ってはいけないのである。 軟弱地盤であることは、工事作業範囲に地盤補強用鉄板が惹き詰められており、その上で作業車が作業している事からも推測できる。

 そもそもこの構造物を作る間に法面(道路側面の斜面)の崩落があった時に、残り斜線を走行中の車両や、歩行者をどのようにして守る心算でいたのであろうか。

 元来、こうした潜在的危険を含む工事の時には、防護壁を作る。 其れが無い。

よく、レッカー車が横転して住宅を一軒潰してしまったという記事が新聞に記載されているが、この現場で其れが起きると、通行中の車両が蒔きこなれる事故が発生する。 この手の工事では、最上部の高さの二分の一の防護壁が鉄骨と土留め板で作られる。

詳細は割愛するが、この様な作業工程が丸見え状態の工事は、当初役所が工事金額を積算した時に、安全考慮がなされていない時と、施工業者に安全意識が存在しない時に起きる。 

 先日の法面崩落で、土木会社の五人が生き埋めになって命を落とされた事故が大々的に報じられた。 発注した役所は、大雨での作業を中止するように通達を出していたそうであるが、それ以前の問題として、その工事の施工方法を十分に検討したかどうかの方が問題なのである。 既に崩落が始まっている斜面を、下部から工事することなど、私の常識からは考えられない。

 崩落斜面の下部で作業すると、上から土砂が落ちてくる。 況してや、大量の降雨の中、作業するなどもっての外である。

この写真からは、別な見方もできる。 もしも、残りの通行可能車線を大型車両が通交中、運転を誤り作業現場に突入すると、間違いなく犠牲者が発生する。

一桁国道の道路での作業では、緊急作業でも三百メートル手前から、交通指導員を百メートルおきに配置して、1.5?四角の赤旗を振って減速指示を出し、安全を確保する。

況してや、これだけの量の鉄板が敷き詰められている軟弱土壌の、工事現場では想像が付かない事故が起きる。

 降雨時の雨水の処理方法、鉄板敷き詰め前の土壌強化、作業中崩落があったときの作業員の退避場所・・・・・・・・・・。 「施工計画」の担当役所の検討は妥当であったのか疑ってしまう。

私なら、この道路は使用しない。 迂回してでも他の道を行く。

コメント (2)
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