てくてく日々是雑感

こんにちは。てくてくねっとの たま です。
日々のあれこれをつづります。

勇造ライヴの夜

2008年04月19日 | おでかけ

豊田勇造の歌を最初に聴いたのは学生の頃。寮の同室の女の子が、勇造のレコードをすべて持っていて、ある日それを片っ端からかけながら、歌にまつわる話をじっくり語ってくれたのだ。京都で生まれ育った彼女は、勇造と同じ景色を見、同じ空気を吸いながら思春期を過ごしていた。彼女の熱が伝染ってしまったその夜から、ずっと勇造を聴いている。
ひとつの歌を聴いて、これはどういう意味なんだろう、と考える。何度も何度も繰り返し聴いて、ずーっと考え続けて、ある日ふっと、そうか、そういう意味なのか、と気づく。ゆっくりと味わって咀嚼して、いつの間にかそれが自分のからだの一部になっている。そんなふうに勇造を食べて育ってきた若い頃。諏訪、松本、東京、名古屋・・・いろんなところで聴いてきた。
ここ数年は、一年に一度、桜吹雪の頃に聴くのが恒例になっている。最近は歌詞も直接的、シンプルになって、一緒に年をとってきたことなども感じるようになってきた。同じ歌を何度も聴いているけれど、そのたびに違うものを感じることができる。変わらないけど、新しい。
さて、そんなふうに迎える今年の飯田でのライブ。いきなり「花の都ペシャワール」から始まった。のっけからメインデッシュだ。そして「海のはじまり」「雲遊天下」と続く。カッパやカンピョウを差し置いて、いきなりトロだ、ウニだ。声はしわがれて、ときどき歌詞を忘れたり間違えたりするけど、とても来年60歳、還暦とは思えない若々しさ。からだでリズムを刻み、ギターをかき鳴らす。あとは(記憶が曖昧ですが)「それで十分」「老いてこそロック」「チャオプラヤ河に抱かれて」「ありがとうボブ・ディラン」…などで第1部終了。第2部は初めて聴く「勇造ないないづくし」で、会場がゆるやかにつながる。「フリー・アウンサンスーチー」では♪フリー チベッタン ピープル♪フリー デモクラシー イン チベット ナウ、と歌う。できたばかりの歌「2008年2月のインドの旅の記憶」は、インドでの旅の情景が語られる9番まである長い歌。渋滞の街、1杯6円のチャイ、首をかしげて挨拶するインド人、道端で寝る人、清廉なチベッタン…。ライブの後で勇造さんがしうさん(インドに行ったことがある)に「全部わかるやろ?」と声をかけ、しうさんも「わかる、わかる」。それから「田中一村」。明るいけれど暗いようなあの独特の絵の風景が思い浮かぶ歌。最初この歌を聴いた時は、へえ、勇造さんは一村の絵が好きやったん?とちょっと意外だったけど、何度も聴くうちに次第に腑に落ちていくから不思議。昔の歌を1曲、ということで「走れアルマジロ」。元歌は「No Woman No Cry」歌詞の中に♪女たちよ泣くな というフレーズが入る。最後は♪だいじょうぶ、なんとかなるさ(Everything's gonna be all right) をリフレイン。このリフレイン、CDには入ってないと思うんだけど、いつからかライブで歌われるようになった。このフレーズが入ってこの歌は完成した感じがする。地元のギター弾きとブルースハープ吹きと一緒に「満月」。2部ラストは最新のアルバムから「夢で会いたい」。アンコールに「ジェフ・ベックが来なかった雨の円山音楽堂」文句ない迫力!アンコールでジェフ・ベックができる体力ってどんだけ?最後はしっとりと「桜吹雪」ほんま、名曲やわ。
ギターを捧げるようなしぐさに、ああ、歌は捧げるものだった、とあらためて気づく。
ライブの後、ステージがにわか撮影会になった。なんべんもふぉので勇造ライブに立ち会ってきたけど、♪あんなことは初めて。




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3 コメント

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ども♪ (セット・古バージョン)
2008-04-19 18:38:22
昨年に続き今年も勇造殿のコンサートに行かせてもらいましたが、彼の歌は聴く回数と比例するように良さが伝わってくる不思議さを感じます。
さすがに熱狂的なファンの方には負けますが、私も昨年に引き続いてブログの記事とさせていただきました。
今回はあつかましくトラックバックを貼らせていただきましたので、よろしく♪
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どもども♪ (tama)
2008-04-19 18:58:57
セット様、コメント&TB おおきにありがとうございます。
勇造さんの歌は噛めば噛むほど味が出る~、誰かさんのパンみたいですね♪
日々の糧として、力がある歌だと思います。
またぜひお出かけくださいね♪
腰、お大事に・・・。

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トラバありがとうです (msk222)
2008-04-25 19:48:45
記事から、熱気が伝わってきます。
こちらでも熱唱していただきました。
ほんとうに勇造さんは味のある人ですね。といっても、食べたこともしゃぶったこともがないけれど(笑)。
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