CHESTNUTS's Living

Living・・・意味は「暮らし」
(なるべく)手作り、平穏で安心できる暮らしを目指しています・・・

「種の壁」コワイ

2009-05-20 17:16:59 | 科学
福岡伸一さんの「生命と食」「動的平衡」2冊読んだ。

「生命と食」は岩波ブックレット。薄くて読みやすく、小学校の教科書のよう。
しかし内容は、小学校よりもはるかに難しい。
講演会の内容をもとに加筆したものだそうだ。

今まで読んできた「生物と無生物のあいだ」「できそこないの男たち」をもっと分かりやすく噛み砕き、知らない人でもすっと入っていけるような軽い内容になっている。
その上で、その前著の内容である「狂牛病」にも触れられている。
なぜ狂牛病が起こったか。
生きることと食べることの意味。
食の安全をどう考えるか・・・

「狂牛病」は世の中の騒ぎが落ち着き、もう終わったことだと思っていたけど、そうじゃない。
ここをスタート地点とし、新しい「食の視点」が開かれたのだ。
食べられさえすれば、お腹がいっぱいになりさえすれば、という考えは怖い。
食べることに関し、決して無頓着ではいけない。
何を選ぶか。
なんでもありの世の中で、私たちはもっと賢くあらねばならないと思う。



「動的平衡」は福岡さん初のハードカバー。

・・・期待して読んだ割には、ちょっとピンボケな印象。
「生物と無生物のあいだ」「できそこないの男たち」がかなり専門的な内容で、これを読み終った人にとっては物足りない感じがするんじゃないだろうか。

まだ読んでない人になら、お勧めしたい本。
軽く、読みやすい内容だ。

・・・残念ながら、前書のような「ぞくぞく・わくわく感」がないのだ。
もう知ってるー! 新しい何かはないの?って・・・


うーん。

ここは過去に遡って、1冊目の「もう牛を食べても安心か」を読むことにしようかな・・・



考えたこと、その1。

「病原体は種を超えないという原則」があり、犬や猫の病気は、通常ヒトにはうつらないそうだ。
「種の壁」を超えることは、普通はない。
(狂牛病や狂犬病は例外。うつり方が違う)

今話題の「豚インフルエンザ」は思いっきり「種の壁」の原則を超えている。
こわ~~~~~っ!!
「鶏インフル」も然り。
豚も鶏も、私たちの生活に欠かせない蛋白源だけど・・・いづれ「牛インフル」ってのも発生したりするのかしら??
だって、豚の病原菌とヒトの病原菌が行ったり来たりして発病したんでしょう?
家畜として共に生活してれば、あり得ないことはないように思える。



考えたこと、その2。

カニバリズム(人肉食)がほとんどの民族でタブーとされてきたのは「種の壁」を無視する行為だからである・・・という考え。
ヒトの病気はヒトにうつる。
ヒトを食べるということは、食べられるヒトの体内にいた病原体をそっくり自分の体内に移動させることである。
だからヒトはヒトを食べてはならない・・・


うえ~~~~っと気持ち悪くなる内容だけど、同種類間で共食いはあってはならないってことだよね。

「狂牛病」がなぜ起きたかっていうと「スクレイピー病で死んだ羊の死体で作った肉骨粉が、牛の餌に混じってた」のが原因なんだけど、それも共食いのせい。

安い飼料の供給源として家畜の死体を思いつき、付近の農場で病気で死んだり、けがで使いものにならなくなったりした牛・豚・羊の死体を集め、パウダーにしたもの(肉骨粉)を作り、これを水で溶いてミルク代わりに子牛に飲ませていたんだそうだ。
で、その中に病原体が混じり込んでいた。
草食動物を無理やり肉食動物に変え、さらに牛に牛、羊に羊を食べさせるという強制的な共食いをさせた結果、本来うつるはずのない羊の病気が牛にうつってしまったのだそうだ・・・

合理性ばかりを追求してしまった人間の欲のせいだよね・・・

この前新聞で読んだ記事で「コンビニのお弁当の売れ残りを飼料に開発」ってのがあって、無駄がなくなっていいかも? でもそもそも作りすぎないことの方が大事なんじゃね? とか思ってたんだけど、

もしかして、お弁当のおかずの生姜焼きとかトンカツとかも飼料になって、それを豚が食べるとしたら?
ヒトが食べる分には「種の壁」があるから問題ないだろうけど、豚から豚へ何かがうつったら?


こ・・・これも、こわ~~~~~~っ!!

需要と供給のバランスを考え、必要な分だけのお弁当を作ってくだしゃい~~~。
どうかよろしく願いしましゅ~~~~