よむよま

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「ゼロの焦点」を読む番組

2016-01-27 21:29:51 | 見る
「Jミステリーはここからはじまった」という番組、BSプレミアム放送。

今回のテーマは、松本清張「ゼロの焦点」
この作品を読んで、あれこれ話すのが、
美術評論家の橋本麻里、作家の中村文則、笠井潔、エッセイストの華恵、日本文学者の小森陽一。

おもしろかったわー。
単なる謎解きミステリーではなく、
戦争と戦後の混乱、その後の平和な時代を二重生活で生きていた男、
その男の二人の妻。

断崖も注目のポイント。
その後の断崖ミステリーのきっかけなんだって。なるほどー。

おもしろかったのは、やはり同じ作家である感覚から、
「ここは不自然なんですよ、なんだけど、ここを思いついたとき、書きたかったんだと思う」と言ったり。
ラスト、犯人である女性が海に舟で出ていくシーンで終わっているところから、
普通に読めば、彼女は海で死ぬんだなぁということなんだけど、
この人たちは、彼女は戦後、米軍とつながりがあって、沖に米軍の潜水艦が待っていたんじゃないかとか、
もっと神話的な妄想が出てきたり。

ポーの詩が作中に使われてるのは、
清張は江戸川乱歩の後押しがあって推理作家になったから、
乱歩の望んだ、「ミステリーを芸術作品に」という意味合いからではないか、とか。

社会性があるから、これほど長く、いまでも受け入れられている。
古くなっていない。
米国従属がいまでも続いているがゆえに、なおさら、という意見でした。

こんな番組があったのね。初めて見ました。
次回は明日、横溝正史の「八つ墓村」だって。
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