よむよま

よむ・よまない、それから。

五月大歌舞伎「三人吉三」「土蜘」

2021-05-13 19:24:43 | 見る
五月大歌舞伎第一部を見てきました。
今月はコクーンの勘九郎「夏祭浪花鑑」のチケットを取っていたのですが、初日から11日まで中止になってしまい、(私は10日だったので)見られなくなった。かわりに歌舞伎座に行こうと思い立って、急遽チケットを取りました。
ゴローちゃんの「サンソン」が中止になったのも、慎吾くんの明治座のラスト三日間が中止になったのも、私が勘ちゃんのコクーン歌舞伎を見に行けなくなったのも、コロナのせいではなく、失政という人災のせいです。おのれ!

「三人吉三」は、お嬢吉三が尾上右近、お坊吉三が中村隼人、和尚吉三が坂東巳之助。
実は全然期待してなかった。だって、配役が浅草歌舞伎(若手だけの公演)でしょう?しかし、これが意外にもとてもよかったのです。
お嬢の右近さんはきれいな面長美人よね。ワルイ感じが似合ってる。男に戻るところと女の振りをするところの切り替えもおもしろく、有名な「月も朧に白魚の」のセリフも気持ちよさそうにやってた。
意外な出来だったのは、お坊の隼人くん!ずっと、イケメンなだけで下手なのよねえと思っておりましたが、いやいや、ちゃんとはまってたよ!セリフもきっちりしてるし、決まった形もいいし、やっぱり大きな役をもらってずっとやってると成長してくるのかな。
巳之助さんの和尚はちょっと小さいのねー。小柄だけど、三人の中では兄貴分なんだという感じが見えたいよね。
でも、幕が閉まり始めて三人が上手へゆっくり歩き出すところ、カッコよかった。

「土蜘」は、尾上松緑。家の芸ですね。お祖父さんの二代目松緑の「土蜘」を覚えている人はまだ多いでしょう。吉右衛門の土蜘もよかったんですよね。いつのまにか花道に出ているという、妖怪変化ならではの出もぞわぞわーと黒い妖気が覆い尽くしてくるような迫力があった。いまの松緑はまだそこらへんはないなぁ。何だろなあ、あの、空気を押し出してくるような感じって。

今回の「土蜘」で楽しみだったのは、源頼光(市川猿之助)のそばについてる太刀持ちの子役が寺嶋真秀(まほろ)クンだったこと。寺島しのぶの息子、いま8歳かな。この子は気になる存在なんです。従弟の丑之助クンは吉右衛門・菊五郎という凄いお祖父ちゃんズにつきあってもらって豪勢な初舞台の披露をしたけど、真秀くんは本名の寺嶋の名前のままで、こうしてちょこちょこ出演してるでしょう?同じ菊五郎の孫、この子をどうするつもりなんだろう?真秀クンは、勘ちゃんの長男の勘太郎クンが大きな役をやっているのをじーっと見つめてたり、お芝居好きそうにお見受けするので、今後どうしていくつもりなのかしらん?と気になっちゃって。
もう一人、気になる子が出てました。頼光の家来、四天王の一人で出ていた尾上左近、松緑の息子、15歳。
さっきの吉三は尾上右近、今度は左近なのだ。
左近くんは久しぶりに見たんだけど、顔小さい、手足長い、いまどきの子の体型ね!声変わりが済んだばっかりだろうか。染五郎ばかりもてはやされるけど、私は市川團子くんや、この左近くんのほうを役者として注目しているのです。がんばってね!
ただ、第一部は11時~午後1時までなので、二人とも学校はどうしてるの?

予定になかった観劇でしたが、行ってよかった。昨日が初日となった公演、ぴしっと気合が入っていて、みんな張り切ってた。こちらも一生懸命拍手しました。

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