打ちのめされて・・・
* * * * * * * * * *
カミーユ警部の恋人が強盗事件に巻き込まれ瀕死の重傷を。
彼女を守るため警部は独断で犯人を追う。
英国推理作家協会賞受賞作。
* * * * * * * * * *
「その女アレックス」、「悲しみのイレーヌ」に続くカミーユ警部のシリーズ。
本の帯には「完結編」とありまして、え~っ、もう終わっちゃうの?
と思いつつ・・・。
意外(?)にも、冒頭からいきなりカミーユ警部の恋人・アンヌが登場。
カミーユ警部が妻イレーヌを亡くしてから5年という想定なので、
まあ、時期的にはそんなこともありかとは思います。
でもなんだかイメージから言って、カミーユ警部が亡き妻とは別の人とまた付き合うなんて、
なんか違う、という気がしてしまいました。
警部の身体的ハンデを考えても、いい人とわかってはいても、
そう簡単に恋人はできそうにない・・・などというのは
こちらの勝手な思い込みではありますが。
しかし結局読了後、やはりこの違和感は正しかった・・・
ということになりますね・・・。
アンヌはある日、強盗事件に巻き込まれ瀕死の重症を負います。
その暴力シーンの描写のなんと執拗なこと・・・。
このあたりはやはりピエール・ルメートル。
これで死ななかったのが不思議なくらいです。
さてこういう時、警官は自分の身内や知人に関係する事件を担当することができないのですよね。
しかし、逆上したカミーユ警部は、
アンヌと自分が恋人同士であることを隠して、
強引に自分がこの事件の捜査を担当することにしてしまいます。
二人が付き合いはじめてまだそれほど経っていなかったので、
友人のグエンも部下のルイも、アンヌのことは知らなかったのです。
そういうウソから始まった捜査は、彼をどんどん苦境に追い込みます。
通常では考えられないような強引な捜査方法は上司から咎められ、
また、執拗にアンヌを付け狙う犯人から彼女をかばうために、
密かに病院から連れ出してしまったりもする。
こんなことが表沙汰になれば、彼のキャリアがフイになるのは間違いありません。
それでも、アンヌを守りぬき犯人を捕らえることができれば、
それで良しとするつもりだったのでしょうね。
ところが、更にカミーユを打ちのめすことが起こります・・・。
また、犯人の正体というのがまたカミーユには痛い・・・。
本作の題名が「傷だらけのアンヌ」ではなくて、
「傷だらけのカミーユ」である意味がわかってきます。
切ないなあ・・・。
これでお別れですか・・・。
ルイは相変わらずかっこよかった・・・。
「傷だらけのカミーユ」 ピエール・ルメートル 文春文庫
満足度★★★★☆
傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4) | |
橘明美 | |
文藝春秋 |
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カミーユ警部の恋人が強盗事件に巻き込まれ瀕死の重傷を。
彼女を守るため警部は独断で犯人を追う。
英国推理作家協会賞受賞作。
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「その女アレックス」、「悲しみのイレーヌ」に続くカミーユ警部のシリーズ。
本の帯には「完結編」とありまして、え~っ、もう終わっちゃうの?
と思いつつ・・・。
意外(?)にも、冒頭からいきなりカミーユ警部の恋人・アンヌが登場。
カミーユ警部が妻イレーヌを亡くしてから5年という想定なので、
まあ、時期的にはそんなこともありかとは思います。
でもなんだかイメージから言って、カミーユ警部が亡き妻とは別の人とまた付き合うなんて、
なんか違う、という気がしてしまいました。
警部の身体的ハンデを考えても、いい人とわかってはいても、
そう簡単に恋人はできそうにない・・・などというのは
こちらの勝手な思い込みではありますが。
しかし結局読了後、やはりこの違和感は正しかった・・・
ということになりますね・・・。
アンヌはある日、強盗事件に巻き込まれ瀕死の重症を負います。
その暴力シーンの描写のなんと執拗なこと・・・。
このあたりはやはりピエール・ルメートル。
これで死ななかったのが不思議なくらいです。
さてこういう時、警官は自分の身内や知人に関係する事件を担当することができないのですよね。
しかし、逆上したカミーユ警部は、
アンヌと自分が恋人同士であることを隠して、
強引に自分がこの事件の捜査を担当することにしてしまいます。
二人が付き合いはじめてまだそれほど経っていなかったので、
友人のグエンも部下のルイも、アンヌのことは知らなかったのです。
そういうウソから始まった捜査は、彼をどんどん苦境に追い込みます。
通常では考えられないような強引な捜査方法は上司から咎められ、
また、執拗にアンヌを付け狙う犯人から彼女をかばうために、
密かに病院から連れ出してしまったりもする。
こんなことが表沙汰になれば、彼のキャリアがフイになるのは間違いありません。
それでも、アンヌを守りぬき犯人を捕らえることができれば、
それで良しとするつもりだったのでしょうね。
ところが、更にカミーユを打ちのめすことが起こります・・・。
また、犯人の正体というのがまたカミーユには痛い・・・。
本作の題名が「傷だらけのアンヌ」ではなくて、
「傷だらけのカミーユ」である意味がわかってきます。
切ないなあ・・・。
これでお別れですか・・・。
ルイは相変わらずかっこよかった・・・。
「傷だらけのカミーユ」 ピエール・ルメートル 文春文庫
満足度★★★★☆