映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ボーン・アイデンティティ

2016年11月14日 | 映画(は行)
これだけで終わればハッピーエンド



* * * * * * * * * *

本作は公開時に見たのですが、まだこのブログ開始前。
「ジェイソン・ボーン」を見て、前の方を振り返りたくなって見ました。
とは言え、この作品、とても印象深かったのです。
私にしてはよく覚えていたほうだと思います・・・。


海上を漂っていた男(マット・デイモン)が漁船に救われるのですが、
男は記憶喪失で自分が誰なのか覚えていないのです。
その彼がなんとか自分の身元を探ろうとして、
自らの皮膚の下に隠されていた銀行の口座番号を頼りに、スイスの銀行へ向かいます。
そんな中、彼は自分が優れた戦闘能力を持ち、語学等にも堪能なことに気づいていきます。
指紋認証で本人と確認された銀行の貸金庫には彼のパスポートが保管されており、
それでやっと自分の名が“ジェイソン・ボーン”であることがわかります。
しかし、なんとそこには他の名義の幾つかの他のパスポートと拳銃までもが・・・!!


こんなふうに、ミステリアスでスリリングな物語の始まりに、
すっかり心が鷲掴みにされてしまいます。
自分が何者なのかは全くわからない。
けれども体が勝手に反応して、敵を倒してしまう。
それだけではなく、常に周りに気を配り、
レストランでは駐車場の車のナンバーを記憶し、入り口の見える場所に座ってしまったりする。


面白いですよねえ・・・。
ここのところは、私がボーン・シリーズの中でも一番好きなところです。
結局今回見直してもそう思う。



まずは自分の正体を探ろうと動き出すボーンですが、
その彼のもとに彼の命を狙う暗殺者が次々と現れる。
わかっている僅かなことを手がかりに、次々に「真実」に迫っていく、
ボーンの頭脳と手腕、そしてアクションにしびれてしまう・・・、
でもここは、後になればなるほどまた凄いですけどね。


ところで、そういう人間兵器であるボーンなのですが、ここでは銃を手にしません。
彼の自身のアイデンティティーとは、果たして何処にありや。
本来のボーンなのか、それともトレッドストーン計画により徹底して鍛え上げられたボーンなのか。
そう、答えは明らかですね。


そしてもう一つ。
本作では、マリー・クルーツ(フランカ・ポテンテ)という女性と道連れになるところがまた、興味深い。
彼女とはスイスの米大使館で会ったのですが、お金をすっかりなくして困っていたのです。
彼女の車でパリまで送ってもらうことを大金で依頼。
当然ではありますが、それがまあ、過酷な道のり・・・。
しかし、そこではロマンスも芽生える・・・というのがお定まりではありますが、
いいじゃありませんか!!


本作だけを見れば、これはハッピーエンドなのですが、その先を知っている私は思ってしまう。
マリーはやはりここで深くボーンと関わるべきではなかった・・・。
引き続き次作、「ボーン・アルティメイタム」も、見ようと思います。


「ボーン・アイデンティティー」
2002年/アメリカ/119分
監督:ダグ・リーマン
出演:マット・デイモン、フランカ・ポテンテ、クリス・クーパー、クライブ・オーウェン、ブライアン・コックス
人間兵器度★★★★☆
満足度★★★★★