南九州の片隅から
Nicha Milzanessのひとりごと日記
 





 今日は仕事で帰りが遅くなり、夕食を食べながらテレビをつけると、NHKらしからぬ変わった趣向の番組がちょうど始まったところだった。

 タイトルは『タイムスクープハンター』。

 過去の時代にタイムスリップしたジャーナリストが、当時の表舞台に立っていない日の当たらない無名の人々に密着して、その生活や暮らしの様子を取材するという趣旨の番組構成。
 なかなか面白い発想だ。
 教科書で習う歴史は、貴族や武士や政治家や軍人など、いわゆる支配者階級の人の話ばかり。その他大勢の一般庶民についてはほとんど語られることはない。
 そこに密着取材するのだから、当然ながら登場人物は架空の人物ということになる。でも、とても興味深い。


 この番組もNHKお得意の歴史番組なのだが、最近変わった趣向のものが多い。
 『カンゴロンゴ』なんかはとても論語を扱っているとは思えないほどだった。でも、半年くらいで終わってしまってとても残念。


 さて、本題に戻ろう。
 『タイムスクープハンター』の今回のテーマは平安時代に対馬国(いまの長崎県対馬市)に派遣された「烽火(のろし)の番人」のお話。
 なんと、これは「労働」という形での税の1つであるため、給料はないのだという(そんな殺生な…)。
 沖(対馬海峡)を航行する船を見張り、商船であるか海賊船であるかを見極め、烽火をあげるのが仕事だ。時は平安時代。もちろん望遠鏡や双眼鏡なんてものがある訳がない。だからその見張り方は「目視」のみ!
 この烽火は数km離れた「烽火台」に伝わり、それをいくつもリレー中継してまずは対馬国の国府に伝えられ、最終的には九州の太宰府(いまの福岡県太宰府市)にまで伝えられるという。
 対馬国は中国大陸や朝鮮半島に対する日本の表玄関にあたり、国境の最前線である。それだけ重要な仕事だと言えよう。
 そして、「商船」(烽火は1本)であれば交易の使者を迎えるための準備が整えられ、「海賊船」(烽火は2本)であれば討伐のために海軍が出動する手筈になっているのだという。
 であるから、この番人の役割は日本国の存亡にも関わる非常に大事なことであり、誤報は決して許されない(死刑を含めた厳しい罰則が科せられるという)。
 2人1組で、昼夜二交代制。過酷な労働だと言えよう。


 ある時、不審船と思われる船が近づいていることに気づき、番人は「海賊船」を示す烽火を上げる。
 一国を争うとき。しかし、隣の烽火台にそれがなかなか伝わらない。
 「烽火のリレーがうまく伝わらないときは走って伝える」という決まりがあるため、仕方なく数kmの山道を駆け抜けて伝えるのだが…。
 …と言う感じでスクープ映像的に面白い演出もある。どうなったかは是非再放送とかを見てみてください。


 この番組を見ていてとても興味を覚えたのが、登場人物が「当時の言葉を使っている」と言うことだ。
 日本語なのに古語なので、そのまま聞いただけでは半分くらいしか意味が分からない。字幕スーパーが表示されて初めて意味が分かる。
 たとえば「そうだ!」は「然り(しかり)!」とか、「~ではない!」は「~に非ず!」とか。
 古文の勉強にもなるかも知れないな(でも学校で習ったのは古文の「文語」だから、今回の話し言葉「口語」とはまた違うんだろうけどね)。


 また次回が楽しみだ。

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