広告主は旧来メディアのことは全部わかってしまったのか?

2010年10月24日 | 誰が日本の広告を変えていくのか
ある会議で、広告主担当営業からこんな向きの発言があったという。

「もう広告主は、新聞・雑誌・ラテといった旧来メディアの価値も使い方はわかったので、広告会社へは希望の商品確保(場所取り)機能だけしか期待していない。ただ、インターネットメディアの使い方については、広告会社からの提案の余地はまだまだ多い。」

「なるほどね。やっぱり、ネットメディアの提案力をつけないとだめだよね。」ということで、会議は次の議題に移って行ったらしいのだが。

blog『熱都力学(ネットリキガク)』のエントリに下のような文章がある。

『広告主はこれまで「広告代理店」がやっていてくれたことも積極的にやらなければならない時代になりました。』

これは、webセントリックな時代になって広告やプロモーションの"効果"が広告主側で取得できるようになったので、今まで広告代理店に任せていた、効果検証の一次データ処理を広告主がやらなければならないようになったという文脈で述べられたものです。

確かに、広告主の広告媒体の効果や価値を直接取得する力は劇的に高まりました。そして、メディアの販売代理をその主業務にしていた広告代理店の存在価値は低まってきています。

しかし、それを広告会社として"仕方のないもの"として、旧来メディアの提案を止めてしまうとどうなるでしょう。

広告主はメディアから直接広告枠を購入する。

経済合理的視点からみても(なんて大げさじゃなくても)媒体からも広告主からも中間業者の排除は効率的ですからね。間違いなくそうなる。だって、メディアの人がそう言ってるもの。

確かにネット広告の提案力を高めなければ、広告会社として厳しい状況に追い込まれることは、確認するまでもないのですが、だからといって既存の(もともと得意としていた)媒体を投げていいというわけではありません。

特に、トリプルメディア時代に突入して、広告主も新たな提案を必要としている状況です。そのなかでPayed Media(新聞・雑誌・ラテ・OOHそしてネット媒体)の新しい使い方を広告主と一緒に模索できるのは、広告代理店にしかない、思うのですが。

どうでしょう?