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北海道の樹を訪ねて―20― 義経神社の栗

記念樹の栗はどこでしょうか。駐車場の近くにあった看板では、神社境内の正面右手にあるはずなのですが。
正面の石段を更に登るべきなのか…。
いや、右手、何もないと思われたやけに広い広場?の奥に、何やらいわくありげな雰囲気が。
さくさくと、音を立てながら歩いていくと、やがて樹はその姿を他の木々の間から現しました。


ふとーい、柱のような幹が、ぬーっと伸びています。足元には囲いと看板。
きっとこの樹です。
しかし、私はちょっと解せない気がしていました。
栗の木は普通、高さよりも樹幹が円形に広く広がり、半球状の樹冠を形成するのですが、この樹は、幹が上にぬっと伸び、樹冠も広がっているようには見えません。
栗ではない、別の保護樹なのか?


気になりながら歩みを進めると、足許に、
栗の実がイガごと落ちています。周りはミズナラの樹や、カエデ、カシワの樹です。
やはりこの樹が義経神社の栗なのでしょう。
栗は根を広く広げます。
もうそろそろ栗の木のテリトリー。
踏み込む前に、いつものように樹に挨拶を。


改めて近づいてみますと、
ふとーい!しかし、今までの巨樹たちと違い、ゴツゴツしていません。
たたえている雰囲気からは、若ささえ、感じられます。

栗の樹は、固い材になります。そして、白く上品な色と美しい木目は、鑑賞用としても優れたものです。
例えば、一枚板の大きな大きなテーブル。
10人以上が囲んで食事できるような大きなテーブルを、栗の固さを生かし、あえて厚みを出さず、薄い一枚板で作る…等は、最高の贅沢の一つといえましょう。
そうした材にもなりそうな樹です。


下から見上げると、確かに高い!
周りに高い樹木があったため、樹冠を横に広げることなく、縦に、上に上にと伸びたのでしょうか。
上のほうの樹皮に入った縦の深い皺や色を見ると、紛れもなく栗の樹であることがわかります。

確かに、幹の太さは、周りの樹々と比べても、群を抜いています。
しかし、森の王という感じではありません。巨樹の森の中に、そっと隠れて立っている感じです。


看板を読んでみます。
義経がこの地に逃れてきたときに植えられた?
この神社の神木だとあります。
単純に考えると樹齢800年以上?
栗は固い。つまり目が詰んでいて、太くなるのに時間がかかる樹です。
それにしても、樹齢800年?

今まで会ってきた巨樹の伝説には、さもありなん、というべきものが多かったのですが、この樹の伝説だけは、どうも信じられません。(地元の方には申し訳ないのですが、あくまで個人的な感想です)
義経は置くにしても、この樹が樹齢800年とは、とても見えません。

私はど素人ですが、いくらなんでも樹齢は半分の400年以下、いや、200年程度ではないかとも思えるのです。(まあ、素人の目立てなど当てになりませんが)

栗の樹さんにはちょっと失礼して、先に義経神社の方を見て来たいと思います。
その後で、もう一度寄りましょう。
一体、義経神社とは?なぜこの地に?(つづく)
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0はようございます! (ぶぶ子)
2007-09-29 06:29:09
巨木うようよ!の表現で、私はわくわくしちゃいました。
樹生さんのレポートは様子が手に取るように解り、回りの空気も感じられます。

友人が神社仏閣めぐりがすきで、時々同行するのですが、そういうところは木々に覆われときにはご神木が佇んでいます。お陰様で建物や仏像だけでなく回り全体を感じ楽しむ様になったと思います。

 
 
 
ぶぶ子さん、おはようございます。 (樹生和人)
2007-09-29 12:38:24
ありがとうございます。ほめていただくと元気が出ます。

里山の風景が大切にされ始めたとはいえ、昔の里山、森はかなり消えてしまいました。鎮守の森は、人の手で作られ、守られてきた森で、木々と人の存在とが喧嘩していない、そんな優しい感じが好きです。
歴史ある神社の杉並木などは、杉の幹の太さや、背の高さに、時の重みを感じて圧倒されますね。
 
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