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風景とバイクの関係―SRVと過ごした日々2

(昨日の続きです。)
SRV250は、ツーリングにとても使いやすいバイクでした。昨日は花とバイクでしたが、今日は、風景の中のSRVを。

よく言われることですが、
「車から見る景色は映画を見ているようだが、バイクは景色そのものの中を走っている実感がある。」
そんな感じは、確かにします。

風に吹かれ、雨に打たれるバイク乗りは、風景との「やり取り」が車とは少し違うように思います。

例えば、山の稜線をまたぐカーブを越えた瞬間、気団が変わって冷たい空気に包まれる、とか、
雨の降り始める瞬間にする「雨の匂い」を感じたり、
カッパ(レインウェア)をたたく雨粒の感触、
こもれびの光と影のコントラストや森の空気のすがすがしさも、
私の場合はバイクに乗ることで、より感じられるようになった気がします。


(初冬のカルスト台地。山口県秋吉台。)

都会の中でバイクに乗るには、ある種のパワーが必要です。
文字通り殺人的な交通量の中で自分の存在を主張し、守らねばならず、
精神的にも、外見的にも「押し」の強さが必要です。
強い自分、迅い自分。負けない自分。


(雨上がり、田んぼに早稲。広島県中国山地の中の何ということもない田園風景。)

ツーリングで必要なのは、自然環境や道路環境等、あらゆる環境と闘いながら、かつ、風景と調和するバイクと自分のありかた。
群衆の中で個を主張するのではなくて、
一人でこの旅を走りぬく芯の強さとしての「個」が求められます。


(小さな渓谷。この日も小雨。広島県湯来町付近。)

だれもいない山道や、田舎の生活道路を何時間も、何日も走っていると、
派手派手のドレスアップや、街で皆を振り返らせて悦に入るけたたましい排気音など、ただ、自分を疲れさせ、弱い自分を強く見せようとする痛々しい行為だと感じるようになることもあります。
街中ではあんなに似合っていたのに。

でも、それはツーリング先ではおしゃれしないということではない。


(こもれ日。島根県深谷渓谷駐車場。)

日常から解放され、風景の中を走るバイクツーリングだからこそ、
その風景にふさわしい、その風景に映えるおしゃれをしたいものです。
それは、説教くさいのを覚悟で言えば、礼節のようなものだと思います。
SRVは、日本の自然や、田舎や、都市の中でも、出すぎず、浮かず、しかし、存在感はしっかりある。そんなバイクでした。
SRVに乗っていると、風景の中まで、入って行けるような気がしました。
それが、錯覚だとしても、バイク乗りは、そういうところで自分を発見したり、
普段の自分のこだわりから解放されたりして、旅を続けるものだと思います。

SRVは、そんなことを私に考えさせてくれたバイクでした。
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コメント
 
 
 
Unknown (かねしん)
2012-04-23 13:14:09
こんにちは。先日シーズンインしてきました^^

僕のホーネット、最近ホントに風景に溶け込まないな~と思っております(苦笑
デザイン・カスタムするというのはツーリング・ライディングとはまた違った路線ではありますが、違った故に自然の景色との調和はほど遠く…。
また自己主張という面もなくはないので耳の痛いお話ではございます(笑

そんな時に隣にある嫁の純正のボルティーを見ているとシンプル・イズ・ベストとはよく言ったものだなーと思ってしまいます。
見た目もそうですが、空冷のシングルというのもなんだか奥ゆかしさがあります。
 
 
 
シーズンイン、おめでとうございます。 (樹生和人)
2012-04-23 20:33:16
かねしんさん、こんにちは。
シーズンイン、おめでとうございます!!
今年も安全運転で!

私はオールペンカスタム、大好きです。
昔『ライダースクラブ』で、フェラーリの黄色にオールペンしたドカティ・モンスターが載ってて、かっこよかったです。
趣味でバイクに乗ること自体が自己主張というか、自己顕示欲の権化みたいなところもありますから、まあ、いいんじゃないかと思います。

ボルティは本当にいいバイクですよね。
山田純氏も絶賛していました。
 
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