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ツーリングバイクに必要な強さ―SRVと過ごした日々3


さて、SRVと過ごした日々をお読みの皆さんは、樹生は風景になじむとか、花と一緒とか、静かで地味でパワーのないテイスティバイクが好きなんだろう、SRV250って、結局そういうバイクだろう、と思われるかもしれませんね。

実はそうでもありません。

私の考えるバイクツーリングは、「体験型観光ツアー」のようなものではありません。
剥き身でバイクに跨り、未知の土地へ入っていくバイクツーリングでは、突然の天候の変化や、路面の変化に対応し、長距離、長時間の走行にも耐え得る、ヘビーデューティーなバイクが必要です。
SRV250は、十分、それに応えるバイクだったのです。


例えば、九州や四国に多い、車がすれ違えないような田舎道を、延々60㎞以上も走り続けることは、なまじっかなバイクではできません。
ブラインドコーナーの連続、路面に浮く砂、突然現れる対向車、それらに正確に反応しながら、最小限の疲労で、先を急がなければならないのです。
正確なハンドリング、よく効き、かつ扱いやすいブレーキ、アクセル操作にリニアに反応する駆動力などがシビアに求められます。


また、時にはダイナミックに高度を上げていく山岳道路での連続登攀能力が問われます。ここではある程度のハイスピードコーナリング性能もないと、折角の山岳ドライブウェイの走りを楽しめません。


そうしてさまざまな状況を乗り越えながら、一日に数百㎞から場合によっては千㎞以上も、未知の、初めての土地を走るのがバイクツーリングなのです。
しかも、それが何日も続くこともあります。(仕事の休みが取れれば、ですが…)


時には山深い林道を走行中に霧(下界から見れば雲です)に包まれ、視界がほとんど利かない状態で、峠越えをすることもあります。
そんな時頼れるのは、自分の腕と経験と、相棒(=バイク)のみ。
速さだけのバイク、スタイルだけのバイク、味わいだけのバイクは、こんなときの相棒としては力不足。
バイクは自分の命を預けるもの――ツーリングでは、そのことを思い知らされるのです。


……ね。
サイズも、排気量も、バイクとしては小さい方のSRV250ですが、たくましく見えてきたでしょう?

バイク乗りが愛車を大事にするのは、自分の命を乗せているから。
バイク乗りが愛車を磨くのは、自分の生き方を磨いているんです。
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