電賠償、政府の「めくらまし」のスキームを許すな――国民の納得できる「四原則」を提案する
2011年05月24日
「生活者の政党」には生活者の言葉で説明してもらいたい
東電株については、この3月期末決算を見れば1兆円を超える赤字を出しており、今後その価値がゼロになってしまうことを想定しておくべきだと私は考える。もしそうなれば東電はいよいよ窮地に追い込まれる。
銀行からの融資の道が閉ざされ、社債も発行できず、市場から資金を直接調達することもままならない。それでいて上限なしの補償責任を負わされようとしているからだ。
新機構が支援すると言っても、そこに電力各社が納める「負担金」、政府が拠出する交付国債(受け取った側が必要なときに現金化できるものの、利子は付かない債券)は、すなわち電気料金の値上げか、国債発行というかたちで跳ね返ってくる。つまり、最終的には私たち国民の懐が痛むことになるのだ。
「東電は上限なく補償の責任を負う」とか、「金融機関は東電に対する債権を放棄せよ」とかいった政府の言葉は一見、正義感にあふれているようで聞こえがいいが、実は「国民の皆さん、ご負担をよろしくお願いします」と言っているのと同じだ。
繰り返し言うが、政府はこの点を国民に正面から説明すべきだ。交付国債とか機構とか、わかりにくい言葉ではなく、誰がいくら負担する羽目になるのか。「生活者の政党」には生活者の言葉で説明してもらいたい
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