医大生・たきいです。

医大生的独言。

病気がみえる消化器を第5版に買いかえてみた

2016-06-23 22:37:41 | 医学書レビュー

医療業界のベストセラーシリーズをついにブログネタに持ってくる日がやってきてしまいました。病気がみえる、通称「びょうみえ」であります。筆者調べによると一部地域では「がみえる」「やまみえ」「やみ」等々の亜流の呼ばれ方もあるそうですが、東日本でも西日本でも「びょうみえ」の生息は確認できているので「びょうみえ」が最大派閥のようです。今回改訂に伴って新しいものに買い替えてしまったので貪欲にブログのネタにして参ります。結論から言うと、消化器の最新版、買ったほうがいいです。医大生・たきいです。




病気がみえる 〈vol.1〉 消化器
医療情報科学研究所
メディックメディア


最新ガイドラインに準拠
▶急性腹症、舌癌・咽頭癌、食道アカラシア、胃食道逆流症、食道がん、食道胃静脈瘤、機能性ディスペプシア、胃十二指腸潰瘍、消化管穿孔、胃粘膜下腫瘍、胃がん、胃切除後症候群、過敏性腸症候群、クローン病、UC、神経内分泌腫瘍、大腸癌、消化管ポリポーシス、腹部ヘルニア、痔核、肛門周辺腫瘍、門脈圧亢進症、B肝、C肝、急性肝不全、肝硬変、NAFLD、NASH、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、肝細胞癌、胆石症、胆道感染症、胆道癌、急性膵炎、慢性膵炎、自己免疫性膵炎、膵癌……

第4版では、「カルチノイド」という今は使わない名称が使われていたり、治療法が今や古かったりするような記載が散見されます。学生向けの本でも6年も経てば景色の変わってしまう業界ですから仕方ありません。第4版を使い続けるのは、生き残る上でもはや危険なのかもしれません

充実の情報量

プラス150ページになったそうです

典型的臨床像の訂正
病みえといえば、かわいらしいイラストがひとつの特徴ですが、疫学的知見を踏まえた典型的な年齢、性比を踏まえたイラストは「覚えやすい」となかなか評判が良いよう。ところが従来のものには誤り(?)があったようで、過敏性腸症候群、逆流性食道炎、食道裂孔ヘルニア等の頁はなんとキャラクターが全く別の人に。古い版を使い続けていたら誤った知識をつけていたのではないかと思うとゾッとします。
因みに、執筆者の先生が変更になって先生をモデルにしたイラストもしっかり変更になっていたのには笑いました。

intro.のダイエット
各疾患を端的に要約した“intro.”のミニマムセンテンスを記憶するのが賢い使い方だと聞いたことがありますが、正直これまでは疾患ごとにそのクオリティはバラツキがありました。ところが最新版では多くても5行。ダイエットに大成功といえそうです。

見開きを大事に
ページがまたがってしまう箇所も多かった消化器の病みえですが、大幅改善されていました。

整理された疾患の並び順
索引がなくても目的のページにたどり着けるほど。検索性の向上が認められました。

図が刷新
勉強資料に載せられているような図って自分で記憶してアウトプットできるような簡潔なものが理想だと思うのですが、従来と比べてかなりの改善が見られました。ユニバーサルデザインとしては禁忌とも言われている「立体感を出したグラフ」などが掲載されてしまっていて残念なページも今まではありましたが、全て廃止されておりました。編集さん、いい仕事してます。
分かりやすい血流模式図、記憶に適したデフォルメした解剖図、静脈の解剖図が増えた点など、ますます「みえる」ようになったようです。

コメディカルのニーズにも対応
ストーマケア、栄養管理の項がかなり手厚くなりました。

リンパ節転移の詳細な解説
従来は流されがちだったリンパ節の評価ですが、各腫瘍性疾患でしっかり解説されるようになりました。TNM分類に死角なし。座学と実臨床をつなげる上でもより使いやすい本になったと思います。

特にわかりやすくなったところ
☆肝臓の解剖→この図ならクイノー分類に自信が持てます。
☆口腔咽頭総論→試験のヤマを整理してもらえました
☆クローン病→治療法の進化と解説の進化
☆黄疸→図がよくなった
☆アルコール性肝障害→生化学的内容より明快に
☆自己免疫性肝疾患総論→対比して整理
☆膵腫瘍総論→CT画像並べてあるのがうれしい
☆膵嚢胞性疾患→こうまとめてくれていたら4年生のときの試験答えられたかも


他にもスマホで胸腹部のCTが見れるなどもウリのひとつだそうですが、サボらずに病棟実習に出ている人ならば別にいらない機能かもしれません(笑)。しかしまだ病棟に出ていないけれども系統講義の勉強が始まっている3、4年生の皆さまにとっては重宝するかもしれません。

気になるお値段は、税抜き3,600円。医学書としてはめちゃ安い。飲み会1回我慢すれば生まれてくるお金です。

第4版を持っていたわたくしも、古いやつ使い続けてお茶を濁そうかなと思っていたんです。BSL班の成績優秀な友達も新しい版を薦めていたのにも関わらず。それでも、友達の持っていた最新版と見比べてみてすぐに本屋に走ってしまいました。これは新しいの使わないとマズい気がする、と。わかりやすさは長い目で見れば時間の短縮となります。長いものには巻かれよというのが医学部の教えです。病みえ消化器最新刊が買いたくなったというそこのあなた。リンク貼っときます。ポチりましょう。

病気がみえる 〈vol.1〉 消化器
医療情報科学研究所
メディックメディア








(元取れるように読み倒したい人(笑))

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます (Unknown)
2016-06-26 23:12:26
これを見て買い直そうと思いました!!!
おすすめ参考書、実はチェックしています(笑)
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コメントありがとうございます (たきい)
2016-06-27 00:19:14
チェックどうもです(^^)/
返信する

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