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『みかづき』 森 絵都 著

2019年02月20日 | 読書

2017年の本屋大賞の第2位になった森絵都さんの
みかづき』(2016年 集英社 刊)を読みました。

昭和36年。小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げる。女手ひとつで娘を育てる千明と結婚し、家族になった吾郎。ベビーブームと経済成長を背景に、塾も順調に成長してゆくが、予期せぬ波瀾がふたりを襲い―。山あり谷あり涙あり。昭和~平成の塾業界を舞台に、三世代にわたって奮闘を続ける家族の感動巨編!
内容(「BOOK」データベースより)



分厚い本で、読むのにかなり時間が掛かりました。
吾郎と千明が立ち上げた学習塾を中心に
昭和36年から平成20年ごろまでの半世紀に渡る奮闘を
日本の動向と共に描いた親子3代(4代?)に渡る壮大な物語。

用務員の吾郎が放課後、勉強についていけない子に教え始めたところから、
蕗子の母、千明に絡めとられるまでを描いた第1章で惹き込まれたのですが、
その後、第2章以降、補習塾から進学塾へ転換し千葉進塾となり巨大化。
視点が吾郎から千明に移り、家族のごたごたと日本の教育界に翻弄される
千葉進塾の物語が進みます。

正直、なかなか読み進められず失敗かなと思い始めたのですが、
第7章で再び吾郎が登場した辺りから俄然面白くなりました。

一番面白かったのが最終章の一郎の物語です。
勉強教室を開くきっかけとなった萌に勉強を教えるくだりで、
初めて怒られ、そして褒められ、嬉しくって泣きじゃくる萌、
そのすべてを見てきた美鈴がつられて泣き出し、
頑張って宿題をやってきた萌の姿に一郎も泣きそうになっていたら、
隣の台所から聞こえてきた寛子さんの嗚咽。
このシーンを読んで思わず貰い泣きしてしまいました。寛子婆さんは反則です。

全部読み終えた今は、ここ最近読んだ本の中で一番のお気に入りに。

子供のころから、塾に縁がなく、どちらかと言うと毛嫌いしていたのですが、
自分の能力を引き出してくれる吾郎さんのような先生に出会えたら、
人生変わっていたかもしれませんね。

現在、NHKでドラマが放映されています。


気づいたのが遅かったので先週(第4回)から見始めました。
次回はもう最終回です。


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