名古屋市名東区 赤帽タケフジ運送の「ふ箱」

赤帽タケフジの車窓から見える光景

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うつろいて

2023年03月03日 | 仏法
 十数年来の顧客。当初は独身でアパート住まいでした。まもなく結婚し子供もできて賃貸のマンションに移転。今年伺ったときは一戸建ての家となってました。人生「上り坂」の風景です。
一方自分の年回りになると、うつろう様が逆になる。このコロナ禍の3年間にも友人が脳梗塞にてリハビリ生活・・・先輩が認知症になり施設へ・・・昨年は仲間が末期がんにてなくなった・・・など増えてます。最近にも病で倒れて引退という知らせを聞く。
そんな時には声をかけたり、手紙を書いたりしてきましたが、毎回言葉への戸惑いがある。付き合いの深さや、長さによって使い分けざるを得ない。
本来は心底自分の思いの丈を表すべきなんだが、直球すぎると相手の気持ちを傷つけてしまいはしないか・・・と忖度してしまう。
 このような重大な生死(しょうじ)にかかわることにもわだかまることなく諄々と説いた手紙がある。
 1260年に書かれた親鸞聖人88才晩年の手紙です。年表を見ると、1259年から全国飢饉・疫病にて死者多数とあり、今の時代と重なる。
以下概略です・・・
  去年今年老少男女の多くがなくなり寂しいことです。けれども、生死無常の道理はすでに詳しく如来が説いておられることですから、改めて驚かれるにはおよびません・・・臨終の善しあしを問うことはしません。信心の決まった人は、弥陀の誓願を疑う心がないから、必ず往生する身ときまっています。…愚かで無智な人も何の心配もなく臨終を迎えることができるのです。故法然聖人が「浄土の教えに生きる人は、愚者になって往生する・・」と言われたことを確かに聞きました。・・略・・

人が死にゆくことは道理です。また臨終のありさまの善しあしも問題ありません。阿弥陀仏の 念仏すれば必ず救うぞ・・との誓願を信ずれば必ず往生する身であります・・・決して学者ぶって議論をしないで愚者となって往生してください・・・と。
道しるべがない時代です。暗夜の海に漕ぎ出す小舟にとっての灯台となります。