海くる祖の風砂山を生み金雀枝を打つぞ 兜太
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/59/f3a9cf8ca58c78fa84b0037d299b4649.jpg)
昭和52年、旅次抄録より。
因幡、先日の「尿ほどの雨」の句の後にある句である。
「海くる祖の風」というのが窮屈な感じがするけれど、
意味は海を渡ってくる中国大陸からの風ということであろう。
われわれ日本人は中国大陸から渡ってきた
帰化人であるというのが一般的なのではないだろうか。
兜太さんはたしか戦時中、
軍医であった父に付いて
中国に暮らしていた時期があったと思う。
戦後、幾回か中国へ旅行され、
昭和60年には「詩経国風」という句集も出しておられる。
中国はわが心の祖という思いが強いのだとおもう。
日本海の海の向うは中国だなあと思うと、
その海を渡ってくる風は「祖の風」と思えるのであろう。
季語は「金雀枝」、4,5月の花である。
いま、金雀枝を打つ風は、
その少し前の3,4月には黄砂となって渡ってきて、
砂山を作ったのであろうと、
作者は、海からの、祖の風に吹かれながら思っているのである。
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昭和52年、旅次抄録より。
因幡、先日の「尿ほどの雨」の句の後にある句である。
「海くる祖の風」というのが窮屈な感じがするけれど、
意味は海を渡ってくる中国大陸からの風ということであろう。
われわれ日本人は中国大陸から渡ってきた
帰化人であるというのが一般的なのではないだろうか。
兜太さんはたしか戦時中、
軍医であった父に付いて
中国に暮らしていた時期があったと思う。
戦後、幾回か中国へ旅行され、
昭和60年には「詩経国風」という句集も出しておられる。
中国はわが心の祖という思いが強いのだとおもう。
日本海の海の向うは中国だなあと思うと、
その海を渡ってくる風は「祖の風」と思えるのであろう。
季語は「金雀枝」、4,5月の花である。
いま、金雀枝を打つ風は、
その少し前の3,4月には黄砂となって渡ってきて、
砂山を作ったのであろうと、
作者は、海からの、祖の風に吹かれながら思っているのである。
参照 http://www.shuu.org/newpage24.htm
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